友人のススメに従って電子書籍を用い、読破。ついでに何かのご縁に従って紙の本で再読してみました。
帯の後ろ、なんとそうそうたる面々に並んで「第四回特別賞」に輝いたる「ろくごまるに」氏の名が。
とは言え、時代を感じるとともに、身構える必要は無いのですよ、と改めて思うのでした。
この頃からライトノベルって言葉があるのかは知りませんが、この作品がライトノベル黎明期~鼓動期(適当)の小説であってよかったなと思います。
権威に負けて気負う必要がないんです。この作品がライトノベルであってよかった、ライトノベルってジャンルがあってよかったと思わせるくらいには。
物語は「調味魔導」なる謎過ぎる魔法体系にヒロイン「立野徳湖」の手弁当という形で襲われた、主人公「北浜雄一」の語りからスタートします。
多少やれやれ巻き込まれ系入って軽妙、だけど一昔前の骨太、助平精神混じって時々メタい。
……カテゴライズ不可なラノベ精神を感じますねぇ!
ちなみに魔法とは言いましたが、作中で登場する「五感魔術」はなんて素敵にサイエンスな謎理論に基づいて運用されており、作者が筆名通りの理系小説家であることを否が応にも納得させられます。
同時に作者自体が「語感の魔術師」であるからかもしれませんが。
なんとも軽妙、すちゃらかもくれん。
擬音、フレーズ、謎の詠唱、文章の疾走、適当にめくったページの言葉を一つ一つ取り出してしげしげ見つめるだけで「これはなんだろう?」という疑問が湧いてきます。
次に読んでみようと思い、耳から入って茫然自失。
なまたさう
……ぶっちゃけ、最近の風潮に慣れた読書家であればあるほど、予想を外されると思います。
ワンフレーズだけに頼った一発ネタかと思いきや、全編が埋め尽くされているんです。
パワーワードの洪水です。文字通り。
一方、その皮相も本質ではあるんですが、骨を打ち臓腑を砕く容赦のなさも見逃せない。
総じて、時代を越えた奇想小説であると感じます。
この本が二十年前も問題作でよかった!!!
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食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫) 文庫 – 1994/1/1
- 本の長さ271ページ
- 言語日本語
- 出版社富士見書房
- 発売日1994/1/1
- ISBN-104829125357
- ISBN-13978-4829125359
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「雄一、愛しているわ」くれなずむ放課後の教室。幼なじみの徳湖から受けた突然の告白に、もちろん俺はイエスと答えた。そして徳湖を抱きしめよう…と思ったその時、「雄一のためにお弁当作ってきたの。食べてね」徳湖が差し出した弁当を俺はなんのためらいもなく食べた。ところが、弁当の肉ソボロを口にした瞬間広がったのは、「さっぱりとしたアスファルト」味だった。い、一体この弁当はなんなんだー。どうやら、俺は自分の助平根性のせいで、調味魔導継承者争いに巻き込まれてしまったらしい。そんな俺たちの前におそるべき敵が現われた…。第四回ファンタジア大賞から飛び出した、異色の学園ファンタジー登場。
登録情報
- 出版社 : 富士見書房 (1994/1/1)
- 発売日 : 1994/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 271ページ
- ISBN-10 : 4829125357
- ISBN-13 : 978-4829125359
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,271,905位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,180位富士見ファンタジア文庫
- - 239,600位文庫
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2012年7月6日に日本でレビュー済み
ろくごまるに先生の処女作の題名は「喪中の戦士」というらしい。
タイトルからしてラノベの大賞受賞作となるのは難しそうである。
しかし、何かひっかかる作家だ、ということで先生が当時授かったのは「審査員特別賞」。
だが、いきなりイレギュラーに設けられたその賞は名ばかりで、賞金も何もなかったらしい。
だが先生の異形の才に目をつけた編集者は長編の執筆を促した。で、できたのがこれ。
僕がこの本を読んだのは小学校高学年の時である。
当時まだ「ラノベ」と分類されていなかった「マンガ小説」を片っ端から読んでいた最中であった。
剣と魔法とドタバタと。そういうのを楽しく読んでいたのである。
本当に片っ端から読みあさっていたので、山積みの「スレイヤーズ」の横に合ったこの本にも触手は伸びた。
で、読んで衝撃を受ける。めちゃくちゃ受ける。
まず文体が戯作調の河内弁である。「どないなっとんねん。おれはいややで。悪魔の手先になるのんは」とか。
それから、「ZONE現象」。主人公がパワーアップするときに、文体が句読点のない特殊なものに変化する。
で、ダブルヒロイン制。学園モノ。やたら権力を持つ、名ばかりの部活動。五感を駆使した魔術。
さらに、シュレーディンガーの猫、クトゥルフ神話、上方落語、麻薬取引と、なんでもかんでも突っ込む。
今でこそラノベの下地になっているものの、当時は誰もとりあげようとしなかったものがオンパレードなのだ。
書き方、やり口、すべてがあまりに新しすぎたと思う。もちろんほとんどの読者はついていけなかったと思う。
ただ、僕のように、先生の挑発に徹底的に乗った人もいると思う。僕はこの本を読んだ後、同じく戯作調の文学作品を読むようになり、シュレーディンガー理論を理解しようとし、ラヴクラフト全集を読破し、落語を片っ端から聞いた。すばらしい経験だった。そこからさらに読書の触手が伸び、一冊の読書からここまで情報が拡げられようとはと感じるほどのメリットを得ることができた。
ただ、最近先生が上梓した「桐咲キセキのキセキ」は、ものすごくつまらなかった。平凡なラノベだった。
この「食前絶後」の後に出たシリーズ「封仙娘娘追宝録」も、本篇の初期はいいのだが、だんだんダレてくる。
先生、一時期病気をしていて休まれていたとのこと。いろいろ大変だったのだろう。でもファンとしては、かつてのムチャクチャさが光る作品が読みたい!(先生も生活かかってるからそう簡単にはいかないんだろうけれども)
ということで、とってもおすすめの本です。「ニャル子さん」「ハルヒ」「生徒会の一存」もいいけど、こっちはもっとすごいぞ! 富士見さん、頼むから再販して広告うってくださいっ! お願いっ!
タイトルからしてラノベの大賞受賞作となるのは難しそうである。
しかし、何かひっかかる作家だ、ということで先生が当時授かったのは「審査員特別賞」。
だが、いきなりイレギュラーに設けられたその賞は名ばかりで、賞金も何もなかったらしい。
だが先生の異形の才に目をつけた編集者は長編の執筆を促した。で、できたのがこれ。
僕がこの本を読んだのは小学校高学年の時である。
当時まだ「ラノベ」と分類されていなかった「マンガ小説」を片っ端から読んでいた最中であった。
剣と魔法とドタバタと。そういうのを楽しく読んでいたのである。
本当に片っ端から読みあさっていたので、山積みの「スレイヤーズ」の横に合ったこの本にも触手は伸びた。
で、読んで衝撃を受ける。めちゃくちゃ受ける。
まず文体が戯作調の河内弁である。「どないなっとんねん。おれはいややで。悪魔の手先になるのんは」とか。
それから、「ZONE現象」。主人公がパワーアップするときに、文体が句読点のない特殊なものに変化する。
で、ダブルヒロイン制。学園モノ。やたら権力を持つ、名ばかりの部活動。五感を駆使した魔術。
さらに、シュレーディンガーの猫、クトゥルフ神話、上方落語、麻薬取引と、なんでもかんでも突っ込む。
今でこそラノベの下地になっているものの、当時は誰もとりあげようとしなかったものがオンパレードなのだ。
書き方、やり口、すべてがあまりに新しすぎたと思う。もちろんほとんどの読者はついていけなかったと思う。
ただ、僕のように、先生の挑発に徹底的に乗った人もいると思う。僕はこの本を読んだ後、同じく戯作調の文学作品を読むようになり、シュレーディンガー理論を理解しようとし、ラヴクラフト全集を読破し、落語を片っ端から聞いた。すばらしい経験だった。そこからさらに読書の触手が伸び、一冊の読書からここまで情報が拡げられようとはと感じるほどのメリットを得ることができた。
ただ、最近先生が上梓した「桐咲キセキのキセキ」は、ものすごくつまらなかった。平凡なラノベだった。
この「食前絶後」の後に出たシリーズ「封仙娘娘追宝録」も、本篇の初期はいいのだが、だんだんダレてくる。
先生、一時期病気をしていて休まれていたとのこと。いろいろ大変だったのだろう。でもファンとしては、かつてのムチャクチャさが光る作品が読みたい!(先生も生活かかってるからそう簡単にはいかないんだろうけれども)
ということで、とってもおすすめの本です。「ニャル子さん」「ハルヒ」「生徒会の一存」もいいけど、こっちはもっとすごいぞ! 富士見さん、頼むから再販して広告うってくださいっ! お願いっ!
2008年12月19日に日本でレビュー済み
本書が刊行された1993年当時のラノベ界といえば、「剣と魔法」の異世界ファンタジーが
主流で、そもそもライトノベルという呼称すら存在していませんでした。
その当時、本書のプロトタイプに当る「喪中の戦士」を富士見ファンタジア長編小説
大賞の審査員特別賞にしたというのは、ある種の英断だったのだと思います。
ドタバタでもシュールでもない微妙なコメディセンスと、結構シリアスな物語内容が
無造作に同居している本作の作風は、何でもありになった現在なら近い味の作品も
見出すこともできるかもしれませんが、当時としては、やはり異色でしょう。
しかしそれ故に、本作には、大向こうに受ける
ヒット作品にはない、《奇妙な味》があります。
本作の特色は、何と言ってもその実験的文体。
「調味魔導食」を食べる時の先鋭的な比喩や、「思考の疾走」という
超能力発動状態を描く際の句読点を用いない描写などが挙げられますが、
他にも、章の冒頭において、前章からの時間の間隔とその章での視点人物
を明示していたりして、トンガってるなー、と感心させられます。
タイトル通り、「食前(くうぜん)絶後」な作品だといえましょう。
▽付記
あとがきで、ヒロイン・徳湖のソバージュは千堂あきほが
モデルというのを読んで、しみじみ時代を感じました(w
主流で、そもそもライトノベルという呼称すら存在していませんでした。
その当時、本書のプロトタイプに当る「喪中の戦士」を富士見ファンタジア長編小説
大賞の審査員特別賞にしたというのは、ある種の英断だったのだと思います。
ドタバタでもシュールでもない微妙なコメディセンスと、結構シリアスな物語内容が
無造作に同居している本作の作風は、何でもありになった現在なら近い味の作品も
見出すこともできるかもしれませんが、当時としては、やはり異色でしょう。
しかしそれ故に、本作には、大向こうに受ける
ヒット作品にはない、《奇妙な味》があります。
本作の特色は、何と言ってもその実験的文体。
「調味魔導食」を食べる時の先鋭的な比喩や、「思考の疾走」という
超能力発動状態を描く際の句読点を用いない描写などが挙げられますが、
他にも、章の冒頭において、前章からの時間の間隔とその章での視点人物
を明示していたりして、トンガってるなー、と感心させられます。
タイトル通り、「食前(くうぜん)絶後」な作品だといえましょう。
▽付記
あとがきで、ヒロイン・徳湖のソバージュは千堂あきほが
モデルというのを読んで、しみじみ時代を感じました(w
2017年8月21日に日本でレビュー済み
高校生の時に読みましたが、「調味魔道」という発想に驚かされました。今読み返すと若干時代を感じさせる要素もありますが、徳湖の飄々とした態度と、秘めたる覚悟、そして人間としての(以下ネタバレ)… 展開のテンポの良さは、一巻きりの作品ならではかと存じます。あとメガネキャラが非常にツボですね。
2001年12月26日に日本でレビュー済み
TRPGリプレイが出版されだした頃から、ライトファンタジーでも呪文を
唱えるだけから握手の魔法理論を構築するようになった。
その中でも特筆すべきは本書で扱われている五感魔法であろう。
人は錯覚でも火傷をする。ならばあり得ない刺激を受けた人体はどのように
反応するのか?触覚では?嗅覚では?視覚では?聴覚では?そして味覚では?
とにかく、味覚に関する尋常ではない比喩だけでも楽しめること請け合いである。
本書の母体となった作者ファンタジア文庫投稿作品の調理魔法も読んでみたいものである。
唱えるだけから握手の魔法理論を構築するようになった。
その中でも特筆すべきは本書で扱われている五感魔法であろう。
人は錯覚でも火傷をする。ならばあり得ない刺激を受けた人体はどのように
反応するのか?触覚では?嗅覚では?視覚では?聴覚では?そして味覚では?
とにかく、味覚に関する尋常ではない比喩だけでも楽しめること請け合いである。
本書の母体となった作者ファンタジア文庫投稿作品の調理魔法も読んでみたいものである。
2005年11月6日に日本でレビュー済み
どこがどう、というのを説明するのは難しいのですが、作者ろくごまるにの作品は普通のライトノベルとはちょっと一線を画した独特な妙な味があります。代表作『封仙娘娘追宝録』しかり、そしてデビュー作である本書『食前絶後!!』でございます。
受賞作、ではなく、受賞作を元にして全面的に書き直した作品らしいです。
まずなんといっても本書の特色は調味魔導の斬新な設定にあります。
そして味についての描写、弁当の肉ソボロの味が「さっぱりとしたアスファルト味」って……アスファルトを食べたことのある人でなければ想像できないかもしれませんが、不味いソボロって文章で表現するならば本当にそんな味ですからね。なんとなく納得してしまいます。
それと、数学部の存在がいい味出していました。
調味魔導の原理を説明する部分を含めて、文章がやや角張った理屈っぽい調子なのが気になる面でもあります。そりゃ説明だから理屈が通じなければ読者は納得させられませんけどね。その文章がこの作者の特色でもあるのですが。
受賞作、ではなく、受賞作を元にして全面的に書き直した作品らしいです。
まずなんといっても本書の特色は調味魔導の斬新な設定にあります。
そして味についての描写、弁当の肉ソボロの味が「さっぱりとしたアスファルト味」って……アスファルトを食べたことのある人でなければ想像できないかもしれませんが、不味いソボロって文章で表現するならば本当にそんな味ですからね。なんとなく納得してしまいます。
それと、数学部の存在がいい味出していました。
調味魔導の原理を説明する部分を含めて、文章がやや角張った理屈っぽい調子なのが気になる面でもあります。そりゃ説明だから理屈が通じなければ読者は納得させられませんけどね。その文章がこの作者の特色でもあるのですが。
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