作者の小説、新刊出るたびに話題になるので一般教養のつもりで数冊読んでみたが、どこが良いのかわからず。。
本作がデビュー作であり原点のようなことを何かで聞きかじり、これで最後と読んでみた。
『ABCDEという順番で普通に書いたが面白くなかったので、シャッフルしてBDCAEという風に変え、さらにDとAを抜くと何か不思議な動きが出てきて面白くなった』、、なるほどそんな感じ。
他の作品含め、これが作者のレーゾン・デートゥルwなのかも。順を追い精妙に描写するよりも、リズムや言葉の響きにこだわった構成。日訳した洋楽の歌詞のようでもある。もしくは英語で書いてから日訳したような文体。
それが、ぽつりぽつりとまるで何かを思い出すかのような、心に矛盾を抱え論理だてて話すことのできない思春期の若者のように、物語を謎めかしく思わせぶりに魅せようとしている。
あとは冷えたワインにジャズと洒落た小道具、無意味な性描写、気の利いた比喩形容でクールな?世界観を演出するのがお約束。凝った形容は海外でウケるみたいね。
ストーリーは抽象的で軽く味気ない。けどこれも虚無感、刹那感の演出か。これらの技法が巧妙でかつては斬新だったのかな。
なんかライ麦畑っぽい。純文学ってやつかな。作者の小説、興味深くはあるが、下世話な私には高尚すぎて面白くはない。なにより体が受けつけない。
耳を疑うようなスカした言い回しが苦手。万年中二病みたいな人には刺さるのかしら。
枕元に置いたポルノ雑誌のように、面白くなくともいつの間にか手に取り読んでしまう、小説とはそういうものだろう?
少なくともジャズのように楽しめればいいのさ。ビル・エバンスとまではいかなくとも。
レビューするほど気になっているということは、卵が壁にぶつかって割れることくらい確かなことなんだ。
それでも僕はハルキストにはならない。なにがあろうとさ。
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