(はじめにより)
2016年5月、TOEIC® L&R テストが新しくなってから、「Part 2が難しくなった」という声をよく聞くようになりました。それはなぜなのか──受験するたびにいろいろ考えていくと、2 つのことに気がつきました。
まず、多くの問題は「出題パターンをしっかり押さえれば解ける」ということ。そしてもうひとつは、ただ、そうした中でも数問、「今まで以上に自然な会話を意識して解答しなければならない」問題が出題されるようになったということです。
前者は、従来どおりの問題ということです。学習法も同じです。どんなパターンの問題があり、想定される応答は何なのか──ある程度決まったものをくり返し練習すれば対応できます。
問題は後者です。これまでも間接的な応答を選ばせる問題はありました。ただ、最近増えているのは、会話の背景にある文脈(コンテクスト)を、もう一歩深く読み取らなければ解けない問題です。
新形式になってから、スコアシートのAbilities Measured(項目別正答率) に「フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる」という項目が追加されたのですが、まさにこれに該当する問題が出題されるようになったのです。
ただ、こうした問題も基本的には慣れで解決できます。多くの問題を解いて、文脈を読み取る感覚を磨いていけば、十分に対応可能です。そのため、本書では、従来の出題パターンを踏まえながら、文脈を意識しなければ解けない問題も多数収録しています。
計628 問を最初から順に解いてもいいですし、苦手な分野から取り組むのもいいでしょう。ただし、聞き取れなかったり、意味を取れなかった表現があれば徹底的に復習してください。間違い選択肢も含めて、です。それによりPart 2 だけでなく、リスニング全般の強固な土台ができあがるでしょう。
本書の刊行にあたり、翻訳を手伝ってくださった渡邉真理子さん、和泉有香(Joy)さんには、「感謝」のひと言に尽きます。おかげで素晴らしい本に仕上がりました。
そして、何より本書を手にとってくださったみなさんに、「ありがとう」を伝えたいと思います。読者のみなさんのスコアアップ、そしてその先にある夢の実現を少しでもお手伝いでればと願っています
大里秀介(おおさとしゅうすけ) 東北大学農学部応用生物化学科卒。サッポロビール株式会社に勤務する現役サラリーマン。 2006年から英語学習を開始して、2007年スコア730点を突破、社内選考でイギリス留学を経験する。 帰国後2008年からTOEIC学習を本格化させ、2011年にTOEICテスト990点を達成。 2012年からカナダ・オンタリオ州にあるSLEEMAN BREWERIES LTD.に2年間勤務し、北米間の大ビジネスプロジェクトをTOEICで磨いた英語力を駆使して成功に導く。 TOEICブロガー「Tommy」としても活躍し、英語学習者へのセミナー開催やTOEICに関する啓蒙を積極的に展開。 時に「変態」と言われるほどの圧倒的な学習量とモチベーションの高いブログ記事は英語学習者への刺激となり、 伝説のTOEICブロガーとして人気を誇っている。