いつも通りの筆と、いつも通りの直截的な物言い。
麻薬中毒者の更生施設「ハーフウェイハウス希望」の希望をつなぐために同じく中毒でギャンブル(バカラ)で勝負するとか、世の中と同じくこの本の中に出てくる話も大きく矛盾している。随所にちりばめられているカジノネタ、警察ネタ、売春ネタは確かにおもしろいのだが、世の中に対してどういうメッセージがあるのかというと、たぶん、「そういう風になっているんだよ」的なことしかかく、ちょっと空っぽ。「蜂起」で見せたような内容ではない。
あと、最後の警官二人はどうなったの?のこりページが少なくなるにつれて、「どうやって説明不足なく終わらせるの?まさか?」と思いながらページが進めて、終了してしまった。この点で☆一つ減。
非国民 (上) (幻冬舎文庫) (日本語) 文庫 – 2005/4/1
森巣 博
(著)
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本の長さ396ページ
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言語日本語
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出版社幻冬舎
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発売日2005/4/1
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ISBN-104344406494
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ISBN-13978-4344406490
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 396ページ
- ISBN-10 : 4344406494
- ISBN-13 : 978-4344406490
- Amazon 売れ筋ランキング: - 385,604位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
星5つ中の4.4
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年12月16日に日本でレビュー済み
今回はいちいち書き込みを過剰にするあまりちょっと変な偏りがあるように感じられるのが悲しい。
詳しく書くと内容に触れてしまうから難しいけど、警察を悪し様に書きすぎ。
ストーリー上それが必要なのかもしれないけど、別の方法を取って欲しかった。
単行本の時、オビには『森巣博の最高傑作』などと謳ってあったけど、そんなことはない。森巣博を過小評価するなよ出版社!と言いたい。
「越境者たち」の素晴らしい傑作ぶりを知ってる者にとっては物足りない。
「非国民」から森巣博に入っちゃいけない。まあ、既にファンの人は読んでおいたほうがいいけど。
詳しく書くと内容に触れてしまうから難しいけど、警察を悪し様に書きすぎ。
ストーリー上それが必要なのかもしれないけど、別の方法を取って欲しかった。
単行本の時、オビには『森巣博の最高傑作』などと謳ってあったけど、そんなことはない。森巣博を過小評価するなよ出版社!と言いたい。
「越境者たち」の素晴らしい傑作ぶりを知ってる者にとっては物足りない。
「非国民」から森巣博に入っちゃいけない。まあ、既にファンの人は読んでおいたほうがいいけど。
2005年8月13日に日本でレビュー済み
この作品はいきなり「帝国ホテルのカレーライス」から始まる。森巣ファンならちょっとがっかりするかもしれないが、その不安は見事に解決される。クスリの正しい使い方に始まり、アンダーグランドカジノ(アングラ)、警察官僚の腐敗などがリアリティーをもって描写されている。わたしはその筋に疎いのでわからないが、おそらく事実なのであろう。そしてこのような社会の矛盾に立ち向かう「ハーフウエイ・ハウス・希望」の面々が希望を求めてオーストラリア・クラウンカシノに乗り込む。30万ドル、一撃離脱のバカラ一本勝負だ。結果は2枚の持ち札が3という極めて低い数字で勝利してしまう。バカラを打ち慣れた人ならわかると思うが、これは痛快な勝利。持ち札の合計が5でも3でいい。極端にいえば、そこに「希望」があれば1でもいい。森巣氏の言葉を借りればカシノとは人が「夢をみること」と「祈る」ことが許された場所である。人は希望があれば生きていける。「夢をみること」と「祈る」は人間の特権である。しかし、今の社会にはそれが失われつつある。著者のそんな危機感が、この傑作を生んだのだろう。