ユキヒョウの姿を求めて、ネパールから更にその奥地の山岳地帯への紀行エッセイです。
カトマンズからポカラまでの景色がとっても懐かしい想いにさせてくれました。
1970年代は空路がなかったようで(今は飛行機で行かれる)、延々と歩くのですが、そこは私も知っている風景だったからです。
シャクナゲ、ブーゲンビリアなど温帯と熱帯の植物が分布していて、鳥の鳴き声、その他の動植物が詳しく、鮮やかに書かれています。
仏教などの宗教のことも出てきますが、なんといっても、大自然というひとつの宇宙がこの一冊に凝縮されています。
翻訳ですが、「ラベンダー色の夕暮れ」とか、自然の風景に色彩感があふれ、過酷な旅なのに、美しいのです。
それと、この本の表紙のイラストも素晴らしい。
赤勘兵衛氏の描くユキヒョウは一瞬の夢のようでもあります。
今や、ユキヒョウは絶滅危惧種の代表格になってしまいましたが、そのユキヒョウこそ自然界の神なのかもしれない、そんな想いも抱いてしまいます。
山深い、豪雪地帯に育った私には、ノスタルジックも感じさせてくれた価値ある一冊です。
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