やっぱり、梨木さんのお話は読後じんわりあたたかくなるお話でした。
一時期読むことをやめていましたが、戻ってきました。
人の温かさ、前向きな気持ちになる物語はいいですよね。
雪と珊瑚と (日本語) 単行本 – 2012/4/28
梨木 香歩
(著)
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本の長さ319ページ
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言語日本語
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出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
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発売日2012/4/28
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ISBN-104041101433
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ISBN-13978-4041101438
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
珊瑚、21歳。生まれたばかりの子ども。明日生きていくのに必要なお金。追い詰められた状況で、一人の女性と出逢い、滋味ある言葉、温かいスープに、生きる力が息を吹きかえしてゆく―。シングルマザー、背水の陣のビルドゥング・ストーリー。
著者について
1959年生まれ。主な小説作品に、『西の魔女が死んだ』『裏庭』『からくりからくさ』『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『f植物園の巣穴』『ピスタチオ』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』、エッセイ集に『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『水辺にて』『渡りの足跡』『不思議な羅針盤』、訳書に『哲学と子ども』『ある小さなスズメの記録』など がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
梨木/香歩
作家。1959年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
作家。1959年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/4/28)
- 発売日 : 2012/4/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 319ページ
- ISBN-10 : 4041101433
- ISBN-13 : 978-4041101438
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 595,382位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 18,052位日本文学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
45 件のグローバル評価
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Amazonで購入
梨木作品は物語しかりエッセイしかり、人の「ルーツを探す」ものが多いと感じている。
人の根源。その人を構成する源。この話もそうだと感じた。
シングルマザーの奮闘記、カフェ開業の物語…設定状はいろんな観点から読めるとは思う。
けれど、芯となっているのはルーツだ。
一人で子供を産んだ珊瑚。修道女であったくららさん。……出てくる登場人物のルーツが描かれ、そして珊瑚自身を構成し作り上げてきたものが描かれ、そして珊瑚がふれあった人々はいつか彼女を構成するものとなり、この物語の全てが、今は乳飲み子である雪のルーツ、根源となるものとなっていくのだろうと思わされる。
親に放置された子供、ネグレストを受けた子供であった珊瑚。他のレビューにもあるが、環境等の設定から考えると珊瑚の知的さが意外に思える点もある。しかし、珊瑚の我の強さ(シングルマザーとなった経緯のくだりなど)はこれは1人で生きてきた者特有のものなのだろうと思わされた。そして、些細なことを知らなかったりするアンバランスさに少しもやっとするが、それは珊瑚に対してなのか、はたまたこの物語の設定に対してなのかが今はわからない。それだけ、物語に引き込まれているのかも知れない。
梨木作品は好きだが、これは手放しに好きとはいえない。
けれど、やはり何か心に引っかかるものがある。なので、5ではなく、3ではなく、4で。
人の根源。その人を構成する源。この話もそうだと感じた。
シングルマザーの奮闘記、カフェ開業の物語…設定状はいろんな観点から読めるとは思う。
けれど、芯となっているのはルーツだ。
一人で子供を産んだ珊瑚。修道女であったくららさん。……出てくる登場人物のルーツが描かれ、そして珊瑚自身を構成し作り上げてきたものが描かれ、そして珊瑚がふれあった人々はいつか彼女を構成するものとなり、この物語の全てが、今は乳飲み子である雪のルーツ、根源となるものとなっていくのだろうと思わされる。
親に放置された子供、ネグレストを受けた子供であった珊瑚。他のレビューにもあるが、環境等の設定から考えると珊瑚の知的さが意外に思える点もある。しかし、珊瑚の我の強さ(シングルマザーとなった経緯のくだりなど)はこれは1人で生きてきた者特有のものなのだろうと思わされた。そして、些細なことを知らなかったりするアンバランスさに少しもやっとするが、それは珊瑚に対してなのか、はたまたこの物語の設定に対してなのかが今はわからない。それだけ、物語に引き込まれているのかも知れない。
梨木作品は好きだが、これは手放しに好きとはいえない。
けれど、やはり何か心に引っかかるものがある。なので、5ではなく、3ではなく、4で。
2012年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「からくりからくさ」から、ずっと梨木さんを追いかけてきた読者としては、
原点へ戻った、という安堵感に似た、奇妙で幸福な読後感でした。
内容的には、社会のなかでの孤立、そして自然というテーマにおいて今までの作品と共通していますが、
いつからかひどく内向的に難解になってきていたのが、とても豊かで美しく感じられる作品だと感じました。
もちろん、美しいというのは隠喩であって、内容が美しいわけでは決してありません。
一癖も二癖もある登場人物たちは、決して美しいとひとことで片付けられるものではなく、
人によっては反発さえ覚えるかもしれないと思います。(雪だけはのぞいて。)
けれども、ただ一つ、物語を貫いているのは、生きるということへの率直な賛美です。
決して肯定ではなく、ただ、包容力のある手で包み込むように。
否定しているようでなまなましく「女」である珊瑚よりも、彼女を救ったくららが、はじめから「女」であることを
捨てているのに「母性的な存在」であるのが、とても印象に残りました。
原点へ戻った、という安堵感に似た、奇妙で幸福な読後感でした。
内容的には、社会のなかでの孤立、そして自然というテーマにおいて今までの作品と共通していますが、
いつからかひどく内向的に難解になってきていたのが、とても豊かで美しく感じられる作品だと感じました。
もちろん、美しいというのは隠喩であって、内容が美しいわけでは決してありません。
一癖も二癖もある登場人物たちは、決して美しいとひとことで片付けられるものではなく、
人によっては反発さえ覚えるかもしれないと思います。(雪だけはのぞいて。)
けれども、ただ一つ、物語を貫いているのは、生きるということへの率直な賛美です。
決して肯定ではなく、ただ、包容力のある手で包み込むように。
否定しているようでなまなましく「女」である珊瑚よりも、彼女を救ったくららが、はじめから「女」であることを
捨てているのに「母性的な存在」であるのが、とても印象に残りました。
2013年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「カフェ開業」の本にも見えますよね。確かに確かに。
私には「クララさんの起業」の本に見えたし、「子どもを
預けて働くこと」の本や、「食べること」「気持ちを伝える
こと」の本にも見えますな。
梨木作品には「裏庭」「ピスタチオ」のような死のぎりぎり
まで近づいて行ってるものと、「おっしゃれ〜」「癒されるわ」
「めちゃ泣けるし」みたいな(表層的には)作品がありますが、
底辺に流れているものは同じだと感じます。
「雪と珊瑚と」は表面的には「おしゃれなカフェ開店ストーリー」
ですが、読む人の心に合わせて形を変えて寄り添っていく、
なかなかに奥の深い作品だと感じました。
「子育てで生きなおす」なんてことを考えないで済む幸せな
人にも、深く傷ついてしまっている人にも、入口を開けて
待っていてくれるのだと思います。
私には「クララさんの起業」の本に見えたし、「子どもを
預けて働くこと」の本や、「食べること」「気持ちを伝える
こと」の本にも見えますな。
梨木作品には「裏庭」「ピスタチオ」のような死のぎりぎり
まで近づいて行ってるものと、「おっしゃれ〜」「癒されるわ」
「めちゃ泣けるし」みたいな(表層的には)作品がありますが、
底辺に流れているものは同じだと感じます。
「雪と珊瑚と」は表面的には「おしゃれなカフェ開店ストーリー」
ですが、読む人の心に合わせて形を変えて寄り添っていく、
なかなかに奥の深い作品だと感じました。
「子育てで生きなおす」なんてことを考えないで済む幸せな
人にも、深く傷ついてしまっている人にも、入口を開けて
待っていてくれるのだと思います。
2012年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シングルマザー物語という言葉は昨今よく耳にする
この小説も珊瑚という若い女性のシングルマザー物語という意味では
ありふれたものなのかもしれない
しかしなんと滋味あふれるものがたりなのだろう
こんなにうまく行くわけがない
出てくる人がみんなよい人ではないか
という切り捨てるような言葉も聞こえてくるような気がする
だが この現代にひっそりとこのような物語があってもよい
疲れ果て傷ついた者を 言葉でそっと抱きしめてくれるような そんな物語が
この小説も珊瑚という若い女性のシングルマザー物語という意味では
ありふれたものなのかもしれない
しかしなんと滋味あふれるものがたりなのだろう
こんなにうまく行くわけがない
出てくる人がみんなよい人ではないか
という切り捨てるような言葉も聞こえてくるような気がする
だが この現代にひっそりとこのような物語があってもよい
疲れ果て傷ついた者を 言葉でそっと抱きしめてくれるような そんな物語が