レビュー
本書は第一次大戦、第二次大戦、その間の大恐慌を契機にファシズム、社会主義がゆっくりと確実に浸透していくさまを、克明に分析した古典的名著です。
「ケインズとハイエク」、「大きな政府と小さな政府」といった昨今よく聞く対立軸は本書を契機に生まれたといってよいでしょう。そうしたステレオタイプから、イデオロギー的対立から、本書は読まずに批判、中傷、誤解されつづけてきましたが、現在ではその思想は正鵠を射たものとして、評価されています。
大不況のいまだから、自由主義とは、資本主義とはなにかを冷静に考えるうえで、学生、ビジネスマンにもお薦めの一冊。【フリードマンによる序文付】 --出版社からのコメント
著者について
1899年生まれ。オーストリア、ウィーン出身。経済学、政治学、法学、から心理学、哲学にまで横断する大思想家。社会主義、全体主義批判を展開した『隷属への道(1944)』で一躍時の人に。その後、1974年ノーベル経済学賞受賞。1992年死去。著書に『自由の条件(1960)』『法と立法と自由(1979)』(すべて春秋社)など。