ナチスドイツの戦争犯罪は広く世界に知れ渡っている所です。
しかし、その戦争犯罪の追及は不十分なままとなっているのが現実との事で、本書は、そんな現実に抗い、ナチスの犯した犯罪を歴史に記録し、後世の教訓としようとする人たちの実態に迫った本です。
冒頭でニュルンベルク裁判の被告たちの処刑のシーンに触れる一方、ナチスと一切無関係なドイツ人を見つけるのが難しかったという当時の事情や、
加害者・オーストリアがナチスの最初の被害者にすり替わった様子。そしてそのすり替わりを後日弾劾され始められた時の彼らの不快感、ドイツ人の快感。
更には、ナチ・ハンター間の対立など、多種多様な実情が克明に記されており、アウシュビッツ等における明白な非人道的行為すらも、容易に断罪できない状況があからさまになっています。
また、イスラエル政府自体も大体の所、何が何でもナチスを裁くという感じでは無かった様で、アイヒマン拉致作戦について述べられるかたわらで、この点についても解説されていました。
とは言え、ナチ・ハンターたちの粘り強い行動がこの様な状況を変えていっている様子も描かれており、アクの強い所もある彼らの存在がプラスの影響を与えていっている点。
日本人として、参考になる事柄が多い内容でした。
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