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村上龍

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫) 文庫 – 1978/12/19

村上龍 (著)

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商品の説明

受賞歴

第75回（昭和51年度上半期）芥川賞受賞
第19回（1976年）群像新人文学賞受賞

内容紹介

福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。

登録情報

文庫: 162ページ
出版社: 講談社 (1978/12/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4061315315
ISBN-13: 978-4061315310
発売日： 1978/12/19
梱包サイズ: 14.8 x 10.4 x 1 cm
おすすめ度： 123件のカスタマーレビュー
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 175,789位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 170位 ─ 芥川賞受賞（51-75回）作家の本
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平和

静と動

2004年12月29日

形式: 文庫Amazonで購入

この本を一言で表すならば「静と動」だと思います｡ドラッグとセックスと暴力が融合するスピーディーな展開が繰り広げられているのに、なぜか時間がゆっくりと流れているような感覚｡日本の1960年代の独特なカオスはこの本のような感じだったのかな？と感じます｡
最後まで読みきったら、きっと本の表紙を見返すと思います｡理由は…、読んでみて下さい｡

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カスタマー

もしかしたら、唯一心の底から楽しめた純文学作品

2015年9月25日

形式: 文庫Amazonで購入

私は、「純文学」とか文「芸」というのはあまり縁がありません。
私にとっての小説の位置付けは「娯楽」だからです。
「芸術」ではありません。
「思考する」のであれば、別に小説でなくても、哲学書でもいいですし、それこそ政治家のスピーチからも学べるものはたくさんあります。
しかし、この作品には感動しました。
主人公がいつも感じている、「何かに捉われている感」「何かに支配されている感」
しかし、そのベールはブルーのようでいて、限りなく透明に近い。
だから、その正体がわからない。
だから、戦えない。
だから、逃げるようにセックスとドラッグにおぼれる。
しかし、読み進めるうちに、その「正体」の輪郭が徐々にはっきりしてくる。
主人公だけでなく、読んでいる読者も思わず震えるほどに。
これは、文学史に残る傑作だと思います。

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kankurou

途中から面白くなる

2010年12月14日

形式: 文庫Amazonで購入

この小説の魅力を一言で言うなら、「途中から面白くなる。」だろう。
我慢しながら読んだけど冒頭から途中まで続く、麻薬・乱交・暴力・喧騒の様は何を訴えたいのかわからなかった。
けれど、この小説が大きく動き出したと思うのは、ヨシヤマの電車での暴行だろう。
表面だけ見ると、クスリでラリった人間が暴行を働いただけに見えるけど、クスリってのは切り口だけであって、実は現実に対する強い喪失感の表れなんじゃないかな、と思う。
クスリをやって、乱交して、現実をドンチャン騒ぎして生きている割には、満たされない。
満たされないどころか、絶望してしまう。それが破壊衝動として現れたんじゃないかなあと思う。
その様を、何事も無かったかのように眺めるモコやリュウたちも衝撃的だ。
現実を生きてるのに、非現実的にしか捕らえられない二人の描写が、場に驚くほど静けさを与えている。

その辺りからこの小説が書きたいことってどういうことなのかな、ってことが片鱗見えた気がする。
現実をこれでもかと生きているはずのに、どこかで醒めちゃってるあの感覚。
現実を生きれば生きるほど、黒い鳥と称された都市・社会が自分たちから現実を奪っていくというおかしさ。
そんな非現実の現れぶりに耐えられなくなる若者の不安定さを、最後リュウの叫びを通して伝えたかったのじゃないかな、と思う。

11人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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staros

none

2003年1月14日

形式: 文庫Amazonで購入

覚醒剤、大麻、その他諸々の快楽によって若さに対する抵抗力の限界を突き止めようともがく“自分”。強く歪んだ度を入れられた眼鏡で見るような世界は強烈な美しさと痛みを読むものに与える。突き進むごとに高まる目の眩むような快楽と、その後の悲しいまでに鮮明な現実。その狭間に漂う“詩”を詠い、言葉では言い表す事の出来ない真っくらな闇からまばゆいまでの“色”を汲み取った作者は、詩人であり画家だ。僕はこれを読んだ直後、無性に澄んだ空気を吸いたくなった。

8人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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ジョン

現在にも通ずるところの描写

2006年9月5日

形式: 文庫Amazonで購入

なんというか、おそらく多くの読者の読後感としては、ドラッグとか暴力とかパーティーとかそういう激しい描写ばかりで、よくわかんなかった、みたいな感じだと思う。自分もそう考えたのは否めないが、なんとなく、「静」の作品にも思えた。もちろん「暗」でもある。ただここでは敢えて「静」を強調したい（「性」描写の激しさとかけて・・・）。

結局何も変わってないというか、登場人物に大きな変化は見えなかった。何かをしているが、それはその場限りのことであり、まあ全ての行為がドラッグみたいなように見えた。一瞬の快楽。現実から目を背けている。まあ言わば現実の非現実性というような感じかな。でもリアルなのである。そんなところが２０年前と今は変わってないんじゃないか、と考えた。「暗」に「動」いているから「静」的なものに見えたのかもしれない。

ただ絶対的にいえるのは、この作品は読んでみないと分からない、と声を大にして言える小説の一つである。それぞれがそれぞれの解釈で触れてほしいです。

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がんばれ野茂！

前衛芸術！村上龍の文才を見せつけられる思い。

2008年6月27日

形式: 文庫Amazonで購入

ブログ・ブームの中、「あの人は文才があるよね」って、
けっこう軽くこの言葉が使われている。

でも、「文才」って、この本を書いた村上龍にこそ相応しい言葉だと思う。

本の内容は、ドラックに暴力とすざましくオドロオドロしい世界だ。

でも、キタナさは一切感じさせないし、文章を読んでいるはずなのに
美しい旋律の音楽を聴いているようだから不思議である。

この本は芸術の領域にある。
村上龍の文学的才能をこれでもか！って感じさせる一冊。

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（*＾ワ＾*）

ここまで不毛な小説も珍しい。

2009年9月22日

形式: 文庫Amazonで購入

福生のハウスという場所で繰り広げられる、麻薬、乱交の日々・・・。

外に出ても、女に襲いかかったり、ライブ会場の警備員を私刑したり、この小説に出てくる少年達はロクなことやっていません。
現実で見たら、見るに耐えない奴らも、この小説では、不思議な透明感と遠近感で描かれています。

周りの評価にもあるように、性描写も暴力描写も不潔感がなく、極めてさわやかクールミントなできばえ。

最初読んだときは、イマイチ消化しきれず、読み終わりましたが、２〜３回読んでいくうちに、少しずつこの作品の世界観が自分の体の中に浸透していくのを感じました。

今まで読んできた文学の中でもダントツに「異質」ですが、気に入らなくても良いから、読むことをお勧めします。

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ミー次郎

そういう時期もある

2016年11月21日

形式: 文庫Amazonで購入

セックス＆ドラッグ＆ロックンロールっていう自堕落な刺激も、それがのんべんだらりした日常になっちゃうと退屈と不潔しか残んなくてバカみたい、っていうのを楽しめばいいのかな？そういう時期もあったけど、この描写には違和感を感じるし共感はわかなかった。純文学に共感は要らんのだろうけど。
何十年も読まれているんだから凄い作品なんだろう。

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