2015年9月安保法案の成立を受けて、ゴールドマン・サックス証券のキャッシ―
松井氏は「防衛関連株は中長期的に強気」とインタビューで語っている。
本当に防衛関連株を買うと儲かるんだろうか。そういう不純な動機で本書を手にした。
ところが読んでみて驚いた。とても真摯で真面目な議論で面白かった。
30名の論客(政府関係者、専門家、防衛産業技術者、経営者、団体の幹部など)が
匿名で闊達かつ本音で話し合っている。多少冗長な部分もあるがそれがかえって
生々しい臨場感を醸し出す。とても熱いのである。問題山積なのである。私ももっと
若かったらこの世界に飛び込んでさまざまなやりがいのあるテーマに取り組んだのにと
興奮させられた。
「装備移転(=武器輸出)は日本の防衛力確保のための要である」という考え方が
当書の大前提になっている。私が子供の頃は学校で平和国家日本を象徴するもの
として、憲法9条(戦争放棄)、非核三原則、武器輸出禁止を習った記憶がある。
いまでは、防衛装備移転三原則(2014年)によって武器は出来る限りどんどん輸出
しましょうということになっているらしい。憲法改正も取りざたされているし、
トランプ米大統領候補からは日本も核武装したらどうかといわれる始末。
私たちの将来はどうなるのだろうかと考えさせられる。
武器輸出解禁ひとつをとってもなかなかそれを実現するのはむつかしいようだ。
政治家は腰がひけていて方針が伝わらないし、企業はいままで親方日の丸(防衛省)で
やってきたからまるで世界に通用する競争力はない。縦割りの官僚組織はデータ・
ベースや人材の一元化など全くできていない。八方ふさがりの状況である。
だからこそ面白い、やりがいがあるとも言えるが、うまく機能するにはあと20年くらい
かかりそうである。とんでもない外圧(黒船のような)がないとこんなちんたら
ムードでは何もすすまないと感じた。
例えば、豪州への潜水艦売り込み問題。結果的にフランスにもっていかれた。
日経新聞(2016/5/9付)によれば、
・・もうひとつの敗因は受注に向けた体制の違いだ。仏企業は豪州法人のトップに、
国防省にパイプがあるオーストラリア人を起用し、豪州政府への売り込みに
力を入れたという。豪州側がどんな計画を望んでいるのか、フランスは早く
把握できたとみられる。日本はこうした反省を踏まえ、企業と政府が協力して
海外の情報を集め、輸出戦略を練る体制を整えるべきだ。長期的には、日ごろから
友好国との安全保障協力を積み重ね、信頼関係を築いていくことが、装備品の
輸出につながることは言うまでもない。・・・・
まだまだ日本が世界に出ていくにはしんどいのである。国として腰がひけているのである。
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防衛装備庁―防衛産業とその将来 単行本 – 2015/12/14
森本 敏
(著)
- 本の長さ317ページ
- 出版社海竜社
- 発売日2015/12/14
- ISBN-104759314628
- ISBN-13978-4759314625
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
日本の防衛産業は世界市場で勝てるのか?どの装備品を売り、いかに儲けるのか?防衛産業をどうやって育成していくのか?防衛産業の育成で平和な国へ!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森本/敏
1941年生まれ。防衛大学校理工学部卒業後、防衛庁入庁。1977年に外務省アメリカ局安全保障課に出向。1979年外務省入省。在米日本国大使館一等書記官、情報調査局安全保障政策室長など一関して安全保障の実務を担当。2012年第11代防衛大臣に就任。現在、拓殖大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1941年生まれ。防衛大学校理工学部卒業後、防衛庁入庁。1977年に外務省アメリカ局安全保障課に出向。1979年外務省入省。在米日本国大使館一等書記官、情報調査局安全保障政策室長など一関して安全保障の実務を担当。2012年第11代防衛大臣に就任。現在、拓殖大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 海竜社 (2015/12/14)
- 発売日 : 2015/12/14
- 単行本 : 317ページ
- ISBN-10 : 4759314628
- ISBN-13 : 978-4759314625
- Amazon 売れ筋ランキング: - 171,035位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 658位軍事入門
- カスタマーレビュー:
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2016年6月18日に日本でレビュー済み
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2016年2月11日に日本でレビュー済み
P3
武器輸出禁止によって、結果として、防衛装備品を輸出できないため、国内の防衛関連産業は主として、政府からの調達分しか生産できず、開発や設備投資にかかった費用が単価に跳ね返りました。そのため、装備品の価格が高騰し、調達量も減り、防衛関連企業への発注が減り、海外におけるビジネスチャンスも減り、そのことが国内における生産基盤や技術レベルの維持に支障をきたすようになりました。
P4
日本の防衛力は防衛関連産業の生産・技術基盤によって支えられているという現実を踏まえれば、これが日本の防衛力の基盤に重大な影響を与えたことは言うまでもありません。
P23
国際的に日本への期待が強いうちに結果を出すことが必要
P28
海外との技術開発協力を進めるには、我が国として出せるものと出すべきでないものを区分しながら、開発なり生産なりを進めていくことが必要。そうした区分分けを行いながら、それぞれの長所・短所を組み合わせることでグローバルマーケットで十分に通用する優れた防衛装備品が成立しえます。したがって息長く考えないといけない。
P29
すなわち、日本の防衛装備品の輸出は政府の外交・安全保障政策という国策に基づいて行うというのが、新原則の考え方
P34
我が国の技術的な強みがどこにあるのかということをしっかりと情報取集し、それを我が国のbargaining powerとして、交渉力としてどのように活用するのか、官民がきちんと相談して取り組む課題
P35
国の政策による装備移転ですから、装備移転プロジェクト探索立ち上がり時の初度経費は国が負担するスキームを作るべき
P46
最低限の産業基盤を崩壊させないような配慮がより重要
P49
防衛装備のニーズはこれからも運用に即した装備品のニーズから生まれてくるという考え方が大切
P58
米国には、SBIR:中小企業技術革新制度という中小企業に一定の研究開発費を割り当て、さらにその結果開発された成果を優先的に政府が調達し使ってみるという制度がある。
P59
まず政府レベルで安全保障の位置付けをし、そうすることにより、よりしっかりとした大学とか研究機関の参加が望めて、目標としても防衛省としての目標を掲げています。
P61
自国及び同盟国の軍事技術力を相対的に優位に保っていくには、ブレークスルーを引き起こすような研究開発への不断の努力が必要
米国国防省では自国の軍事技術を優位に置くことで、過去の冷戦に勝利してきたアイゼンハワー政権のニュールック戦略、冷戦終結につながる精密誘導兵器などの軍事技術に続く、オフセット:相殺戦略を模索している。
P82
誤記 国債→国際
P94
今後は重要な技術産業などに戦略を立ててビジョンを示し、国際的な水準に引き上げるための取り組み
装備品を保持しているか否かだけが防衛力ではなく、防衛産業の能力を持っていることが引いては日本の防衛力に寄与する。
P99
F35については、日本として、リージョナルデポの地位を築く、生かすことが重要。
P102
システムインテグレーション(企画設計開発構築導入保守運用などを一括して行うこと)を持っていないということは個別の構成品を製造する国内産業は駆逐される可能性を有するという問題
この問題に適合していくとすれば、システムインテグレーターとしての優秀な部品供給者、サプライヤーとして生き残ること
P105
ちゃんと自身で研究開発して、必要があれば自衛隊の取得の予定がない段階からも開発に参加して自分しか持っていない技術を相手の中に組み込んでいくべき
P113
日豪関係は海洋国家であるとともに米国との同盟国という共通点があり、小さなところから、協力関係を作っていくのが戦略的にも重要であると認識
P116
潜水艦は経験工学。常に競争しながら建造し続けることが設計そして現場の基盤を維持するために極めて重要な要素。
建造の隙間が空いていると、技術基盤を維持することはできない
P121
ある国に防衛装備品を移転するかどうかについては、最初に安全保障上の意義があるかどうかを検討し、判断すべき
P151
装備協力とは、防衛協力の基盤を構築する
P159
防衛装備・技術の移転、特に能力構築支援などにおいては、防衛省が移転の契約、支出入、秘密保持、運用支援の当事者になることができる制度・体制を早期に整備することが重要
FMSというスキームはもともと、安全保障援助という概念から出発
P162
アジア太平洋もしくはインdの太平洋と呼ばれる地域では、広大な海洋におけるそれぞれの権益を守るために、様々な能力が必要です。各国が海洋安全保障に関連する能力を獲得し、それを国際的に活用することが日本の安全保障の向上に資することになる
たとえば、海洋における探知捜索能力の提供や共同開発、無人化技術の活用など、相互に安全保障上のニーズに合致した協力関係を構築することが必要。特に海洋における陸上の装備開発で南シナ海で安全保障上の問題に直面するベトナムとの関係強化は急務
P163
インドは、高額の装備品を外国から購入する代わりにこれをテコとして当該国から、産業移転・協力を求めるという政策
P169
防衛装備・技術の開発のカギはこの軍事・民事の両用技術をいかに発展させ、それを採掘し、防衛装備・技術開発に活用できるかにある。
P170
ヂュアルユース技術が装備の能力を決定づけるようになってきているとすると今後これをどう管理していくべきかを考えなければならない。
P176
ヂュアルユース技術を日本の安全保障にうまく取り込んだら、これは日本の安全保障にとって大きなプラスになる
P177
だから別のメカニズム、たとえば、技術を持っている人から防衛省だとか安全保障分野の方にアプローチしていくようなインセンティブを伴った体制、枠組みを作らないと、なかなかこの部分というのは取り込めないと思います。
P195
国家安全保障戦略には、我が国の高い技術力が経済力・防衛力の基盤であると記述
防衛大綱・中期防における研究開発の方向性ということについては、統合機動防衛力を構築するという考え方のもとで、第一に自衛隊の運用ニーズに合致した研究開発を優先的に実施すること、第2に新たな脅威に対して戦略的に重要な場面で中長期的に技術的優位性を確保するための研究開発には取り組むということ、それから第3のヂュアルユース技術です。
P196
防衛省は今後、ヂュアルユース技術で必要な部分については、キーテクノロジーを特定して、他省庁にしっかりと方針を示していくべき
技術開発は安全保障戦略の中に位置付けられているが、政府全体の研究開発戦略にしっかりと位置づけ、プライオリティであることを政府全体として、示さないと予算は増えない。
P225
これからはオペレーションやソフトウェア、ノウハウなどの運用技術が非常に重要となる。そういう部分を重視して、今後の研究開発を推進すると国際共同開発をする場合にレバレッジになる。
P228
今野の防衛予算の状況を見ていると、防衛省が基礎研究における技術開発から、装備開発、そして運用から、応用まで全て責任を持って実施するのは不可能。
装備のライフサイクルの各段階で民間企業のヂュアルユース技術を取り込んだそれぞれの管理プロセスのモジュール化が進む
P235
汎用品・技術については、政府が流出状況を常時把握し、そのうちクリティカルな先進技術の移転については、政策的判断によって行う体制を整備
P244
今後欧米諸国との共同開発・生産に参画するには、我が国自身が魅力ある技術を保持していることが必要です。
P248
防衛装備庁に期待されていることは、防衛と装備との総合調整を行う役割を有すること、日本の技術開発戦略を防衛と装備と国際協力の面から総合的に見て策定し、技術的優位を確保するための研究開発の充実を図ること、並びにそのような分野を担当できる有意な人材を育成すること
P253
武器輸出3原則を改定するということは黒船がくるということ、多分大被害を受けるだろう。その中で生き残るものだけ生き残らせて次の時代を迎えるしか手がない。
P254
装備の研究調達運用を一気通貫で管理するシステムと陸海空を統合していくこの2つの統一軸を設けることで防衛力の強化とコスト削減という2つの目標を達成できる。
P258
必要な変化に柔軟に対応していくアジャイル型のマネジメントを行うことが責務
統幕とかを中心にした統合運用サイドと防衛装備庁の取得サイドをマッチングさせていくことが大変に重要
防衛装備庁で装備品の研究開発から実装、それから維持改良、それらをライフサイクルを通じて管理することは極めて重要なポイント。この人がちゃんできるかどうかが成功の鍵を握る
P261
過去の職人的な勘に頼るのではなく、データを使って分析評価し、そして対策を講じ、公表する。
P264
防衛力整備の推進の仕方では、防衛政策局長と統合幕僚長による能力評価の実施、統合幕僚長による統合運用上のニーズの観点からの防衛力整備上重視すべき事項の提示、防衛政策局長による総合的な観点からの防衛力整備の優先事項の明確化という3段階のフローで実施。つまり今後も、防衛力整備の主体は防衛政策サイド
P275
防衛装備庁の政策は、国内的にも国際的にも重要な意味を持ちますので、これを適時適切に発信し、内外に防衛省の政策の予見可能性を示していくこと。それは国際的にも日本の安全保障政策をしっかりと示すことになります。したがってNSCの承認のもと、政府の方策を実行していかなくてはならないでしょう。その際、一番大事なことを挙げるとすれば、価値、防衛装備技術としての価値、バリューを数値化しておかなくてはならないと思います。
その価値とはいったい何か。装備技術であることから、それは運用面ではどうか。自衛隊への支援という意味ならば、稼働率や性能、コスト、信頼性とかの問題ですし、技術的な面で言えば、リスクや成熟度、可能性などの問題を数値で判断していくべき。
P276
データ、数値に基づく客観的な評価、そんな価値観を職員が仕事として習得していかなくてはなりません。
P277
国際競争力がある防衛産業ができるということが防衛力を強くすることをいみする。
P286
統幕が明確にする統合運用上のニーズは、防衛装備庁が提示する中長期の技術見積もりをベースに検討することになる。加えて防衛装備庁が実施することになる主要な装備品ごとの研究開発ビジョンも将来装備の方向性を決める大きな要素となる。そういう意味で、防衛装備庁は装備計画のプライオリティに大きな影響力を与える。
P291
米国の場合、ウォールストリートから見込みのありそうな装備技術には先行きの儲けも見据えて、バックアップするためのかねが入ってきます。
P293
経済安全保障という視点からは、安全保障とビジネス性をバランスさせた戦略が有効。この切り口から日本の選択肢を見ると、日本で防衛分野のグローバルサプライチェーンを作っていくという方策の重要性が浮かび上がってきます。なぜ重要かといえば、まず安全保障面からは日米同盟の強化、それから対中国向けの安全保障に資するという面もありますし、これは集団的自衛権を技術面、装備面から保管する役割を果たします。それから日本の技術的な強みを生かせるため、ビジネス面からも意味をなす、という点も重要です。j¥ヂュアルユース技術、生産技術、それからメンテナンスサービスなど日本が得意とする分野を活かせます。そういう得意分野を生かせれば自ずからビジネスになるということで、この分野が一つの狙い目かと思います。
P306
東南アジア向けのキャパシティビルディングというのが、安倍政権の積極的平和主義と非常に座りがいい
P314
組織はゆっくりと時間をかけて出来上がるもの。はじめに敷いたレールが大切ですが、将来を展望して周知を集めて進んで欲しい
武器輸出禁止によって、結果として、防衛装備品を輸出できないため、国内の防衛関連産業は主として、政府からの調達分しか生産できず、開発や設備投資にかかった費用が単価に跳ね返りました。そのため、装備品の価格が高騰し、調達量も減り、防衛関連企業への発注が減り、海外におけるビジネスチャンスも減り、そのことが国内における生産基盤や技術レベルの維持に支障をきたすようになりました。
P4
日本の防衛力は防衛関連産業の生産・技術基盤によって支えられているという現実を踏まえれば、これが日本の防衛力の基盤に重大な影響を与えたことは言うまでもありません。
P23
国際的に日本への期待が強いうちに結果を出すことが必要
P28
海外との技術開発協力を進めるには、我が国として出せるものと出すべきでないものを区分しながら、開発なり生産なりを進めていくことが必要。そうした区分分けを行いながら、それぞれの長所・短所を組み合わせることでグローバルマーケットで十分に通用する優れた防衛装備品が成立しえます。したがって息長く考えないといけない。
P29
すなわち、日本の防衛装備品の輸出は政府の外交・安全保障政策という国策に基づいて行うというのが、新原則の考え方
P34
我が国の技術的な強みがどこにあるのかということをしっかりと情報取集し、それを我が国のbargaining powerとして、交渉力としてどのように活用するのか、官民がきちんと相談して取り組む課題
P35
国の政策による装備移転ですから、装備移転プロジェクト探索立ち上がり時の初度経費は国が負担するスキームを作るべき
P46
最低限の産業基盤を崩壊させないような配慮がより重要
P49
防衛装備のニーズはこれからも運用に即した装備品のニーズから生まれてくるという考え方が大切
P58
米国には、SBIR:中小企業技術革新制度という中小企業に一定の研究開発費を割り当て、さらにその結果開発された成果を優先的に政府が調達し使ってみるという制度がある。
P59
まず政府レベルで安全保障の位置付けをし、そうすることにより、よりしっかりとした大学とか研究機関の参加が望めて、目標としても防衛省としての目標を掲げています。
P61
自国及び同盟国の軍事技術力を相対的に優位に保っていくには、ブレークスルーを引き起こすような研究開発への不断の努力が必要
米国国防省では自国の軍事技術を優位に置くことで、過去の冷戦に勝利してきたアイゼンハワー政権のニュールック戦略、冷戦終結につながる精密誘導兵器などの軍事技術に続く、オフセット:相殺戦略を模索している。
P82
誤記 国債→国際
P94
今後は重要な技術産業などに戦略を立ててビジョンを示し、国際的な水準に引き上げるための取り組み
装備品を保持しているか否かだけが防衛力ではなく、防衛産業の能力を持っていることが引いては日本の防衛力に寄与する。
P99
F35については、日本として、リージョナルデポの地位を築く、生かすことが重要。
P102
システムインテグレーション(企画設計開発構築導入保守運用などを一括して行うこと)を持っていないということは個別の構成品を製造する国内産業は駆逐される可能性を有するという問題
この問題に適合していくとすれば、システムインテグレーターとしての優秀な部品供給者、サプライヤーとして生き残ること
P105
ちゃんと自身で研究開発して、必要があれば自衛隊の取得の予定がない段階からも開発に参加して自分しか持っていない技術を相手の中に組み込んでいくべき
P113
日豪関係は海洋国家であるとともに米国との同盟国という共通点があり、小さなところから、協力関係を作っていくのが戦略的にも重要であると認識
P116
潜水艦は経験工学。常に競争しながら建造し続けることが設計そして現場の基盤を維持するために極めて重要な要素。
建造の隙間が空いていると、技術基盤を維持することはできない
P121
ある国に防衛装備品を移転するかどうかについては、最初に安全保障上の意義があるかどうかを検討し、判断すべき
P151
装備協力とは、防衛協力の基盤を構築する
P159
防衛装備・技術の移転、特に能力構築支援などにおいては、防衛省が移転の契約、支出入、秘密保持、運用支援の当事者になることができる制度・体制を早期に整備することが重要
FMSというスキームはもともと、安全保障援助という概念から出発
P162
アジア太平洋もしくはインdの太平洋と呼ばれる地域では、広大な海洋におけるそれぞれの権益を守るために、様々な能力が必要です。各国が海洋安全保障に関連する能力を獲得し、それを国際的に活用することが日本の安全保障の向上に資することになる
たとえば、海洋における探知捜索能力の提供や共同開発、無人化技術の活用など、相互に安全保障上のニーズに合致した協力関係を構築することが必要。特に海洋における陸上の装備開発で南シナ海で安全保障上の問題に直面するベトナムとの関係強化は急務
P163
インドは、高額の装備品を外国から購入する代わりにこれをテコとして当該国から、産業移転・協力を求めるという政策
P169
防衛装備・技術の開発のカギはこの軍事・民事の両用技術をいかに発展させ、それを採掘し、防衛装備・技術開発に活用できるかにある。
P170
ヂュアルユース技術が装備の能力を決定づけるようになってきているとすると今後これをどう管理していくべきかを考えなければならない。
P176
ヂュアルユース技術を日本の安全保障にうまく取り込んだら、これは日本の安全保障にとって大きなプラスになる
P177
だから別のメカニズム、たとえば、技術を持っている人から防衛省だとか安全保障分野の方にアプローチしていくようなインセンティブを伴った体制、枠組みを作らないと、なかなかこの部分というのは取り込めないと思います。
P195
国家安全保障戦略には、我が国の高い技術力が経済力・防衛力の基盤であると記述
防衛大綱・中期防における研究開発の方向性ということについては、統合機動防衛力を構築するという考え方のもとで、第一に自衛隊の運用ニーズに合致した研究開発を優先的に実施すること、第2に新たな脅威に対して戦略的に重要な場面で中長期的に技術的優位性を確保するための研究開発には取り組むということ、それから第3のヂュアルユース技術です。
P196
防衛省は今後、ヂュアルユース技術で必要な部分については、キーテクノロジーを特定して、他省庁にしっかりと方針を示していくべき
技術開発は安全保障戦略の中に位置付けられているが、政府全体の研究開発戦略にしっかりと位置づけ、プライオリティであることを政府全体として、示さないと予算は増えない。
P225
これからはオペレーションやソフトウェア、ノウハウなどの運用技術が非常に重要となる。そういう部分を重視して、今後の研究開発を推進すると国際共同開発をする場合にレバレッジになる。
P228
今野の防衛予算の状況を見ていると、防衛省が基礎研究における技術開発から、装備開発、そして運用から、応用まで全て責任を持って実施するのは不可能。
装備のライフサイクルの各段階で民間企業のヂュアルユース技術を取り込んだそれぞれの管理プロセスのモジュール化が進む
P235
汎用品・技術については、政府が流出状況を常時把握し、そのうちクリティカルな先進技術の移転については、政策的判断によって行う体制を整備
P244
今後欧米諸国との共同開発・生産に参画するには、我が国自身が魅力ある技術を保持していることが必要です。
P248
防衛装備庁に期待されていることは、防衛と装備との総合調整を行う役割を有すること、日本の技術開発戦略を防衛と装備と国際協力の面から総合的に見て策定し、技術的優位を確保するための研究開発の充実を図ること、並びにそのような分野を担当できる有意な人材を育成すること
P253
武器輸出3原則を改定するということは黒船がくるということ、多分大被害を受けるだろう。その中で生き残るものだけ生き残らせて次の時代を迎えるしか手がない。
P254
装備の研究調達運用を一気通貫で管理するシステムと陸海空を統合していくこの2つの統一軸を設けることで防衛力の強化とコスト削減という2つの目標を達成できる。
P258
必要な変化に柔軟に対応していくアジャイル型のマネジメントを行うことが責務
統幕とかを中心にした統合運用サイドと防衛装備庁の取得サイドをマッチングさせていくことが大変に重要
防衛装備庁で装備品の研究開発から実装、それから維持改良、それらをライフサイクルを通じて管理することは極めて重要なポイント。この人がちゃんできるかどうかが成功の鍵を握る
P261
過去の職人的な勘に頼るのではなく、データを使って分析評価し、そして対策を講じ、公表する。
P264
防衛力整備の推進の仕方では、防衛政策局長と統合幕僚長による能力評価の実施、統合幕僚長による統合運用上のニーズの観点からの防衛力整備上重視すべき事項の提示、防衛政策局長による総合的な観点からの防衛力整備の優先事項の明確化という3段階のフローで実施。つまり今後も、防衛力整備の主体は防衛政策サイド
P275
防衛装備庁の政策は、国内的にも国際的にも重要な意味を持ちますので、これを適時適切に発信し、内外に防衛省の政策の予見可能性を示していくこと。それは国際的にも日本の安全保障政策をしっかりと示すことになります。したがってNSCの承認のもと、政府の方策を実行していかなくてはならないでしょう。その際、一番大事なことを挙げるとすれば、価値、防衛装備技術としての価値、バリューを数値化しておかなくてはならないと思います。
その価値とはいったい何か。装備技術であることから、それは運用面ではどうか。自衛隊への支援という意味ならば、稼働率や性能、コスト、信頼性とかの問題ですし、技術的な面で言えば、リスクや成熟度、可能性などの問題を数値で判断していくべき。
P276
データ、数値に基づく客観的な評価、そんな価値観を職員が仕事として習得していかなくてはなりません。
P277
国際競争力がある防衛産業ができるということが防衛力を強くすることをいみする。
P286
統幕が明確にする統合運用上のニーズは、防衛装備庁が提示する中長期の技術見積もりをベースに検討することになる。加えて防衛装備庁が実施することになる主要な装備品ごとの研究開発ビジョンも将来装備の方向性を決める大きな要素となる。そういう意味で、防衛装備庁は装備計画のプライオリティに大きな影響力を与える。
P291
米国の場合、ウォールストリートから見込みのありそうな装備技術には先行きの儲けも見据えて、バックアップするためのかねが入ってきます。
P293
経済安全保障という視点からは、安全保障とビジネス性をバランスさせた戦略が有効。この切り口から日本の選択肢を見ると、日本で防衛分野のグローバルサプライチェーンを作っていくという方策の重要性が浮かび上がってきます。なぜ重要かといえば、まず安全保障面からは日米同盟の強化、それから対中国向けの安全保障に資するという面もありますし、これは集団的自衛権を技術面、装備面から保管する役割を果たします。それから日本の技術的な強みを生かせるため、ビジネス面からも意味をなす、という点も重要です。j¥ヂュアルユース技術、生産技術、それからメンテナンスサービスなど日本が得意とする分野を活かせます。そういう得意分野を生かせれば自ずからビジネスになるということで、この分野が一つの狙い目かと思います。
P306
東南アジア向けのキャパシティビルディングというのが、安倍政権の積極的平和主義と非常に座りがいい
P314
組織はゆっくりと時間をかけて出来上がるもの。はじめに敷いたレールが大切ですが、将来を展望して周知を集めて進んで欲しい


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