古典には立派なことばかり書いてあるわけではない。底無しの煩悩、醜い邪心、制御不能な愛欲、えげつない話―教科書には載らない部分こそ、人間の真の姿を映し出してくれる。『古事記』『万葉集』から『南総里見八犬伝』『武士道』まで、能楽界の奇才が縦横無尽に語る。妄想力を全開に古人の記憶を呼び覚ます、異界を彷徨う脳の快楽。声に出して謡って舞って、身体に沁み込む二十四講。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
安田/登
1956年、千葉県銚子市生まれ。下掛宝生流ワキ方能楽師。高校の国語教師だった二十四歳のときに能と出会い、二十七歳で重鎮・鏑木岑男氏に入門。現在は能楽師として国内外で活躍しながら、能のメソッドを使った作品の創作・演出・出演などに精力的に取り組んでいる。東京・京都をはじめとする各地で社会人向け寺子屋を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)