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重力ピエロ (新潮文庫) 文庫 – 2006/6/28

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商品の説明

商品説明


   半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。

   著者は、新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『オーデュボンの祈り』で言葉を話すカカシを登場させ、『陽気なギャングが地球を回す』では、特殊能力を持ったギャング団一味を軽妙なタッチで描いてみせた伊坂幸太郎。奇想天外なキャラクターを、巧みなストーリーテリングで破綻なく引っ張っていく手法は、著者の得意とするところである。本書もまた、春という魅力的な人物を縦横に活躍させながら、既存のミステリーの枠にとらわれない、不思議な余韻を残す作品となっている。

   伊坂流「罪と罰」ともいえる本書は、背後に重いテーマをはらみながらも、一貫して前向きで、明るい。そこには、空中ブランコを飛ぶピエロが、一瞬だけ重力を忘れることができるように、いかに困難なことであっても必ず飛び越えることができる、という著者の信念が感じられる。とくに、癌(がん)に冒されながらも、最後まで春を我が子として支援する父親の存在が、力強い。春が選んだ結末には賛否両論があるに違いないが、「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」と春に語らせた著者のもくろみが成功していることは、すがすがしい読後感が証明している。(中島正敏) --このテキストは、単行本版に関連付けられています。

内容紹介

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

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登録情報

  • 文庫: 485ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/6/28)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4101250235
  • ISBN-13: 978-4101250236
  • 発売日: 2006/6/28
  • 梱包サイズ: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6 387件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
多くのレビューで批判されていますが、本書は様々な名言・格言の引用が頻出します。
しかし私は「引用」の多さこそが本書の重要な特徴だと思っています。

そもそも伊坂氏の他作品では、本作品ほどに多くの引用はありません。
つまり、本作では「あえて」引用を多用したということになります。ではその理由は何なのか。

それは本作における「引用」が「遺伝子」というものへの必死の抵抗の痕としてあるからです。
引用されるものは人類の文化・文明に貢献した偉人達の言葉です。
そしてそれを口にするのは「遺伝子」という抗い難い出生を「文化(=社会的な環境)」によって乗り越えたい、乗り越える事が出来る、という「祈り」から来るもののはずです。
しかしこれらの「引用」が話の本筋にあまり関係がなく唐突に出され、もはや空虚に響いてしまっているのは、
やはりその「引用」は「遺伝子」を前にして勝つ事が難しい、結局はそれらが登場人物たちの「強がり」に留まっている事の現れだと思います。
もしも本当に「引用」に登場人物たちが救われているのであれば、彼らはことあるごとにそれを必死に口にする必要はありません。
救われていないからこそ、強がりでしかないからこそ、彼らは必死にそれを言うのです。
引用が空虚で不自
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形式: 文庫
原人の話やラスコーの壁画など、なかなか面白く読めるところもありましたが、春の放火の動機が理解出来なすぎです。
いくら説明されても後付けの辻褄合わせにしか思えませんでした。
夏子さんも、万能過ぎる探偵も都合良すぎに思えました。
あと、春は葛城のところにあれだけ遺留品を残しており、学校で葛城を撲殺して道端まで引き摺って放棄してるのでいずれ逮捕されるでしょう。
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形式: 単行本 Amazonで購入
(1) 10件近い落書行為。(2) それと同数の連続放火。(3) 殺人。
本作に出てくる「犯人」は、以上3種類の犯罪の実行犯であり、けっこうな犯罪小説といえる。

このうち(3)については、百歩譲って、許そう。殺人は重罪だが、この場合は情状酌量の余地があり、「殺さねばならない事情」がいちおう説明されている。
(1)落書についても、許そう。犯人は落書を消してまわる現状復帰を行っているし、被害者宅に「自首」してたっぷり絞られてもいる。何より小説中でおこる落書程度に目くじらたてるのは、野暮にすぎる。

しかし(2)は事情が違う。放火は重罪で、一歩間違えば何十人もの死者を出す、無差別殺人の未遂事件といえる。この犯人はそれを10回近くも繰り返している。さらに悪いのは、(3)殺人と異なり、この場合「放火せねばならない事情」が存在していない。恨みのある相手の家ならまだしも、何の関係もない事業所へ無差別放火している。その理由がxxxxxxx(本書参照)だとしたら、あまりにも身勝手な犯行理由ではないか。
さらに一連の放火行為に関して、この犯人は一切の謝罪をおこなっていない。これはある意味当然であり、火をつけた家へ謝りに行ったら、警察へ突き出されてしまう。放火は「ごめんなさい」ですむ行為ではないからだ。結局この犯人は放火行為に関して
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形式: 文庫
私にはあわなかった。
折角の日曜日をこの小説に奪われた事が腹立たしいと感じるレベル。

①連続婦女暴行、殺人、放火と大きなテーマを扱う割に、何が言いたいのか伝わってこない。
結局、重い過去を克服したといいたいのか?それとも考えすぎなければ人生は無重力でハッピーに生きられるといいたいのか?
テーマの1つ1つをよく考えた上でこの内容なら、失笑ものである。

②物語の半分を構成する蘊蓄が浅すぎて痛々しい。
遺伝子だTGCAだと得意顔で話しているが、文系でも習う高校の生物レベルである。読者を馬鹿にしているとしか思えなかった。
しかも、兄の気を引きたくて遺伝子っぽい要素を入れただけで、オチがないという悲惨さである。

③表現方法の一種なら申し訳ないが、登場人物の掘り下げ方も浅い。
春の特異性には度々触れられているが、父と母の苦悩や、葛城の異常性の背景などは完全に放置である。
目を引くために、ちょっとユニークな人を投入してみました、思考や感情は勝手に想像してね、という雑な印象を受けた。
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