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遺伝子―親密なる人類史(上) (早川書房) Kindle版
シッダールタ ムカジー (著) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
「科学史上、最も強力かつ危険な概念のひとつ」――ピュリッツァー賞を受けた医師が描く「遺伝子科学」の全貌とは? メンデルのエンドウマメは、いかにダーウィンに出会い、優生学の暗黒の歴史をへてゲノム編集へと発展したのか? 我々の未来を占う必読書。
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2018/2/15
- ファイルサイズ5467 KB
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商品の説明
出版社からのコメント
【書評多数】
日経新聞夕刊(2/15):書評(竹内薫氏)
Forbes(3/4):書評(首藤淳哉氏)
朝日新聞(3/25):書評(佐倉統氏)
日経新聞(3/31):書評(長谷川眞理子氏)
読売新聞(4/15):書評(塚谷裕一氏)
文藝春秋(5月号):書評(古市憲寿氏)
北海道新聞(5/20):書評(東嶋和子氏)
聖教新聞(5/28):書評
日経サイエンス(7月号):書評(中西真人氏)
文藝春秋(8月号):書評(橘玲氏)
WEDGE Infinity(7/27):書評(東嶋和子氏)
・《ニューヨーク・タイムズ》の選ぶ注目書
・《ワシントン・ポスト》、《シアトル・タイムズ》、〈ファイ・ベータ・カッパ・クラブ〉の年間ベストブックに選出
「おそらく史上最高の探偵物語のひとつ……今日の、そして来るべき未来に、“人間"の定義に対して遺伝子研究がどれほどの影響を及ぼすのかについて関心があるなら、本書は必読だ」
――アンソニー・ドーア(ピュリッツァー賞作家。『すべての見えない光』)
--このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
日経新聞夕刊(2/15):書評(竹内薫氏)
Forbes(3/4):書評(首藤淳哉氏)
朝日新聞(3/25):書評(佐倉統氏)
日経新聞(3/31):書評(長谷川眞理子氏)
読売新聞(4/15):書評(塚谷裕一氏)
文藝春秋(5月号):書評(古市憲寿氏)
北海道新聞(5/20):書評(東嶋和子氏)
聖教新聞(5/28):書評
日経サイエンス(7月号):書評(中西真人氏)
文藝春秋(8月号):書評(橘玲氏)
WEDGE Infinity(7/27):書評(東嶋和子氏)
・《ニューヨーク・タイムズ》の選ぶ注目書
・《ワシントン・ポスト》、《シアトル・タイムズ》、〈ファイ・ベータ・カッパ・クラブ〉の年間ベストブックに選出
「おそらく史上最高の探偵物語のひとつ……今日の、そして来るべき未来に、“人間"の定義に対して遺伝子研究がどれほどの影響を及ぼすのかについて関心があるなら、本書は必読だ」
――アンソニー・ドーア(ピュリッツァー賞作家。『すべての見えない光』)
--このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者について
■著者紹介
シッダールタ・ムカジー Siddhartha Mukherjee
医師、がん研究者(血液学、腫瘍学)。コロンビア大学メディカル・センター准教授を務める。1970年、インドのニューデリー生まれ。スタンフォード大学(生物学専攻)、オックスフォード大学(ローズ奨学生。免疫学専攻)、ハーバード・メディカル・スクールを卒業。
デビュー作『がん‐4000年の歴史‐』(2010年。邦訳は早川書房刊)は、ピュリッツァー賞、PEN/E・O・ウィルソン賞、ガーディアン賞など多くの賞を受賞し、《タイム》誌の「オールタイム・ベストノンフィクション」にも選ばれた。本書『遺伝子‐親密なる人類史‐』(2016年)も《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー・リストの「ノンフィクション部門」1位を記録し、32カ国に版権が売れている。
■監修者紹介
仲野 徹(なかの・とおる)
大阪大学大学院・医学系研究科教授。1957年大阪生まれ。1981年大阪大学医学部卒業。内科医としての勤務、大阪大学医学部助手、ヨーロッパ分子生物学研究所研究員、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授をへて現職。専門は、エピジェネティクス、幹細胞学。著書に『こわいもの知らずの病理学講義』、『エピジェネティクス』、『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』など。
■訳者略歴
田中 文(たなか・ふみ)
東北大学医学部卒業。医師、翻訳家。訳書に、ムカジー『がん‐4000年の歴史‐』、カラニシ『いま、希望を語ろう』、オゼキ『あるときの物語』(以上、早川書房)など。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
シッダールタ・ムカジー Siddhartha Mukherjee
医師、がん研究者(血液学、腫瘍学)。コロンビア大学メディカル・センター准教授を務める。1970年、インドのニューデリー生まれ。スタンフォード大学(生物学専攻)、オックスフォード大学(ローズ奨学生。免疫学専攻)、ハーバード・メディカル・スクールを卒業。
デビュー作『がん‐4000年の歴史‐』(2010年。邦訳は早川書房刊)は、ピュリッツァー賞、PEN/E・O・ウィルソン賞、ガーディアン賞など多くの賞を受賞し、《タイム》誌の「オールタイム・ベストノンフィクション」にも選ばれた。本書『遺伝子‐親密なる人類史‐』(2016年)も《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー・リストの「ノンフィクション部門」1位を記録し、32カ国に版権が売れている。
■監修者紹介
仲野 徹(なかの・とおる)
大阪大学大学院・医学系研究科教授。1957年大阪生まれ。1981年大阪大学医学部卒業。内科医としての勤務、大阪大学医学部助手、ヨーロッパ分子生物学研究所研究員、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授をへて現職。専門は、エピジェネティクス、幹細胞学。著書に『こわいもの知らずの病理学講義』、『エピジェネティクス』、『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』など。
■訳者略歴
田中 文(たなか・ふみ)
東北大学医学部卒業。医師、翻訳家。訳書に、ムカジー『がん‐4000年の歴史‐』、カラニシ『いま、希望を語ろう』、オゼキ『あるときの物語』(以上、早川書房)など。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
「本書は、科学の歴史上、最も強力かつ“危険”な概念のひとつである『遺伝子』の誕生と、成長と、未来についての物語である」―21世紀の最重要分野となった遺伝子研究。この科学はどのような歴史をへて、今日の隆盛を迎えたのか?19世紀後半にメンデルが発見した遺伝の法則と、ダーウィンの「進化論」が出会ったとき、遺伝学は歩み始めた。ナチス・ドイツが利用した優生学による「民族浄化」という負の遺産を背負いながら、第二次世界大戦後のワトソンとクリックによるDNA二重らせん構造の発見をへて、遺伝学は生命科学そのものを変貌させてゆく。『がん‐4000年の歴史‐』でピュリッツァー賞に輝いた医学者が、専門知識と巧みなストーリー・テリング、そして自らの家系に潜む精神疾患の悲劇を織り交ぜて「遺伝子」のすべてを語る、不世出の科学ノンフィクション。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ムカジー,シッダールタ
医師、がん研究者(血液学、腫瘍学)。コロンビア大学メディカル・センター准教授を務める。1970年、インドのニューデリー生まれ。スタンフォード大学(生物学専攻)、オックスフォード大学(ローズ奨学生。免疫学専攻)、ハーバード・メディカル・スクールを卒業。デビュー作『がん‐4000年の歴史‐』(2010年。邦訳は早川書房刊)は、ピュリッツァー賞、PEN/E・O・ウィルソン賞、ガーディアン賞など多くの賞を受賞し、“タイム”誌の「オールタイム・ベストノンフィクション」にも選ばれた
仲野/徹
大阪大学大学院・医学系研究科教授。1957年大阪生まれ。1981年大阪大学医学部卒業。内科医としての勤務、大阪大学医学部助手、ヨーロッパ分子生物学研究所研究員、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授をへて現職。専門は、エピジェネティクス、幹細胞学
田中/文
東北大学医学部卒業。医師、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
医師、がん研究者(血液学、腫瘍学)。コロンビア大学メディカル・センター准教授を務める。1970年、インドのニューデリー生まれ。スタンフォード大学(生物学専攻)、オックスフォード大学(ローズ奨学生。免疫学専攻)、ハーバード・メディカル・スクールを卒業。デビュー作『がん‐4000年の歴史‐』(2010年。邦訳は早川書房刊)は、ピュリッツァー賞、PEN/E・O・ウィルソン賞、ガーディアン賞など多くの賞を受賞し、“タイム”誌の「オールタイム・ベストノンフィクション」にも選ばれた
仲野/徹
大阪大学大学院・医学系研究科教授。1957年大阪生まれ。1981年大阪大学医学部卒業。内科医としての勤務、大阪大学医学部助手、ヨーロッパ分子生物学研究所研究員、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授をへて現職。専門は、エピジェネティクス、幹細胞学
田中/文
東北大学医学部卒業。医師、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B079P3R7FG
- 出版社 : 早川書房 (2018/2/15)
- 発売日 : 2018/2/15
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 5467 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 459ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 127,021位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 173位イギリス・アメリカのエッセー・随筆
- - 2,220位エッセー・随筆 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2018年9月24日に日本でレビュー済み
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前作「がんー4000年の歴史ー」もそうだが、科学史でありながらまるで優れたサスペンス小説のように「次は、次は」と読者を一気に最後まで誘導してしまう著者の類まれな技量に魅了される。著述内容に関してはこれまで読んできた多くの進化論、遺伝子に関する「一般読者」向け科学書で個々に書かれているものではあるが、それを時系列的に相互の関連を説明しながら最新の生命科学の状況説明に至るという手法は復習の意味も含めて非常に役にたった。難を言えば現在の生命科学研究で最も重要な課題である遺伝子編集(特に生殖系細胞での)での生命倫理に関する記述が物足りない。著者の危惧も理解でないわけではないが、現代進化論や遺伝子を語るうえで欠かすことのできない「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンス(彼はそれが可能であればクローン人間を見てみたいとまで言っている。)やスティーブン・ピンカー(ダウドナの著書「CRISPER-究極の遺伝子技術の発見」にも記述されているように中国の科学者のヒト胚細胞での遺伝子編集実験に対するセンセーショナルな反応に“邪魔をするな”と注意喚起した。)、マット・リドレー(「徳の起源ー他人を思いやる遺伝子」の著者)など遺伝子技術やAIの将来を楽観的に見ている科学者、科学ジャーナリストの考え・主張とその真意も解説して欲しかった。さてさてムカジーは次に何を語ってくれるのだろうか。
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2020年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1864年、世界から隔離されたチェコの修道院から話は始まる。物静かなメンデルはひとりで生命の起源を見つけ、すぐ忘れ去られた。同じ頃に英国の聖職者ダーウィンは船の上で、生物の形(表現型)が時を経て変化する理由を見つけた。二人の想像力は「生物の表現型=遺伝型+環境+誘因+偶然」という方程式にたどり着き、表現型が荷馬車を引く馬のように遺伝型を引っ張り続けるという自然法則が明らかとなる。シュレディンガー、モーガン、ワトソンらはその荷馬車の物質的存在を予測し、証明した。日本人も含め人類は何度も彼らの理論を利用し、優生や断種や差別という方法で「進化を操作」しようと試み、手痛い教訓を得た。しかしその後、原子力やコロナも含めたあらゆる分野で「原理上可能なことはどんなことでもいずれ実現する」という不気味な法則も証明され続けている。同じ過ちは繰り返されるかもしれない。遺伝学の歴史が、膨大な文献と取材にもとづいて語られているのに、不思議と堅苦しさはなく、スリルと躍動感をもって描かれています。映画のように余韻が残り、最近いつも頭の中で反芻している本です。ぜひ
2018年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
遺伝子とは、細胞の核の中にある長い線状の構造体(染色体)上に、鎖のようにつながった状態で存在し、生物の形や機能を生み出すタンパク質をつくるための、化学的なメッセージをコードする機能を持つ、あらゆる生物情報の基本単位と言えるものである。本書は、その遺伝子の発見に関わった研究者の功績を紹介しながら、遺伝の仕組みについて解説したものだ。
本書で登場する主な人物は以下の通りだ。まずはメンデル。エンドウ豆を使った実験を通じ、世代から世代への情報の流れをとらえることで、遺伝子の本質的な特徴を発見した、お馴染みの人物だ。遺伝子とは染色体上に一列に並ぶ物質単位であることを示したのは、モーガンとスタートバントである。DNAが遺伝分子であり、その構造が二重らせんであるという大発見をしたのは、エイヴリー、ワトソン、クリック。遺伝子はタンパク質をつくる情報をコードすることによって作用し、タンパク質が個体の形や機能を実現するという事実は、ビードルとテータムによって発見された。
ブレナーとジャコブは、遺伝子をもとに組み立てられる「メッセージ」の化学的な正体とはRNAであることを見つけ、メッセンジャーRNAはDNA鎖の複製だということを発見した。彼らはまた、DNAの三つの塩基が一組の暗号となって、タンパク質のひとつのアミノ酸を指定しているということにも気づく。DNAの塩基配列はRNA鎖をつくるために使われ、そのRNA鎖がアミノ酸の鎖に翻訳され、最終的にタンパク質が合成されるという仕組みなのだ。
後半では、遺伝子の組み換えやクローニングについても触れられる。遺伝子とは何か、どのようにして遺伝情報を個体に伝えるのか、そして遺伝子操作が与える影響などについてが主に上巻で述べられ、その後は下巻へとつながる。
著者であるシッダールタ・ムカジー は、血液学、腫瘍学を専門とする医師・がん研究者で、コロンビア大学メディカル・センターの准教授を務める。遺伝子の発見は、人間のゲノム(生物の持つ全遺伝情報)を理解し、操作する能力を手に入れつつある。これは、人間の身体と運命を支配できる可能性、自分たちの仕様書を解読したいという欲求につながり、この欲求こそが本書の中心テーマだと、著者は述べている。
本書で登場する主な人物は以下の通りだ。まずはメンデル。エンドウ豆を使った実験を通じ、世代から世代への情報の流れをとらえることで、遺伝子の本質的な特徴を発見した、お馴染みの人物だ。遺伝子とは染色体上に一列に並ぶ物質単位であることを示したのは、モーガンとスタートバントである。DNAが遺伝分子であり、その構造が二重らせんであるという大発見をしたのは、エイヴリー、ワトソン、クリック。遺伝子はタンパク質をつくる情報をコードすることによって作用し、タンパク質が個体の形や機能を実現するという事実は、ビードルとテータムによって発見された。
ブレナーとジャコブは、遺伝子をもとに組み立てられる「メッセージ」の化学的な正体とはRNAであることを見つけ、メッセンジャーRNAはDNA鎖の複製だということを発見した。彼らはまた、DNAの三つの塩基が一組の暗号となって、タンパク質のひとつのアミノ酸を指定しているということにも気づく。DNAの塩基配列はRNA鎖をつくるために使われ、そのRNA鎖がアミノ酸の鎖に翻訳され、最終的にタンパク質が合成されるという仕組みなのだ。
後半では、遺伝子の組み換えやクローニングについても触れられる。遺伝子とは何か、どのようにして遺伝情報を個体に伝えるのか、そして遺伝子操作が与える影響などについてが主に上巻で述べられ、その後は下巻へとつながる。
著者であるシッダールタ・ムカジー は、血液学、腫瘍学を専門とする医師・がん研究者で、コロンビア大学メディカル・センターの准教授を務める。遺伝子の発見は、人間のゲノム(生物の持つ全遺伝情報)を理解し、操作する能力を手に入れつつある。これは、人間の身体と運命を支配できる可能性、自分たちの仕様書を解読したいという欲求につながり、この欲求こそが本書の中心テーマだと、著者は述べている。
ベスト1000レビュアー
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話はダーウィンの半生から彼の著した進化論と紐解かれていく。続いてメンデルのエンドウマメの遺伝学。
さらには血友病のロシア皇帝家系の悲劇や、優性論からユダヤ人へ襲いかかる惨劇。
ついにワトソンとクリックの二重らせんの発見によって、遺伝子の研究はパラダイムシフトを迎える。
それまで目に見えないサムシンググレートであったものが、一挙に思うように自由に操ることができる対象へと変化したのだから。
そこからの遺伝子工学の隆盛は眼を見張るものがあった。
読み手へは、まるでその時代に居合わせているかのような、手に汗握るような熱量が伝わってくる。
本書は、刺激的かつエキサイティングな歴史書かつサイエンスの名著である。つづく下巻の内容にも胸高鳴る。
さらには血友病のロシア皇帝家系の悲劇や、優性論からユダヤ人へ襲いかかる惨劇。
ついにワトソンとクリックの二重らせんの発見によって、遺伝子の研究はパラダイムシフトを迎える。
それまで目に見えないサムシンググレートであったものが、一挙に思うように自由に操ることができる対象へと変化したのだから。
そこからの遺伝子工学の隆盛は眼を見張るものがあった。
読み手へは、まるでその時代に居合わせているかのような、手に汗握るような熱量が伝わってくる。
本書は、刺激的かつエキサイティングな歴史書かつサイエンスの名著である。つづく下巻の内容にも胸高鳴る。
2018年10月7日に日本でレビュー済み
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This book taught me how exiting the gene studying was.
ベスト500レビュアー
Amazonで購入
著者は腫瘍学研究者でインド系、かつ近い親族に統合失調症患者や双極性障害患者を3人もつ。だから公私にわたって遺伝子に関心を持つ強い理由がある。本書は遺伝子に関する学説史という骨格を持つ。上巻では、軽くプラトンやアリストテレスに触れた後、本格的な叙述はメンデルとダーウィンから始まる。遺伝学で重要な発見を辿りつつ(例えばモーガンによるハエの遺伝学、X線照射による突然変異体の取得、ワトソンとクリックによる二重螺旋構造の発見、セントラルドグマの解明などだ)、その当時の発見者を取り巻く環境や人物像に触れていくところが本書の特徴であり、すでに科学的な中身については熟知しているはずの読者もその点を楽しめるはずだ。書かれている科学的内容は高校生物から大学初年級の程度である。遺伝子組換え技術の確立やアシロマ会議のエピソードで上巻は終わる。一般書としてとても出来がいいと思う。
ベスト500レビュアー
「遺伝子」を巡る歴史を、ダーウィンやメンデルから最近のゲノム編集CRISPAに至るまで書ききった一冊。
上下巻の大著だが、科学者のエピソードをちりばめつつ遺伝子関連の科学的内容もきちんと解説している。
まずはメンデルの忘れられた成果と、ダーウィン進化論の完成とから話は始まる。
一旦アリストテレスの説(精子がメッセージを運ぶ)と前成説(精子の中に胎児が既にいる)の対立の歴史を見て、両者ともに困難を抱えていたことを概観する。
メッセージから物質である胎児が作られる部分は非常に想像しがたい部分で、ダーウィンの理論もその部分が妥当でない形になっている。
メンデルの発見は40年ほどのちに再発見される(ダーウィンは植物の交雑の本を読んでいて、多量の書き込みをしているが、メンデルの実験に触れているページだけは何も書き込みがないのだというのは運命の皮肉であろう)。
1905年の時点でベイトソンが、遺伝子を国家が選別する状況とそのリスクについて警告を記しているのは著しい先見の明と言えよう。
遺伝子は物質であること、遺伝子は染色体上に位置し組み換えを起こすこと、突然変異があることなど、今では非常に基本的な事実すら、最初は完全に手探りで確立していくしかなかった。
モーガンのショウジョウバエの実験(遺伝子がバラバラではなくパッケージで動くことを明らかにした)、ドブジャンスキーの淘汰と種分離(異なる種同士では不妊になる)の実験、放射線で突然変異を引き起こすマラーの実験、グリフィスの形質転換の実験(遺伝子が物質である決定的証拠)などは、そうした華々しい歴史の一コマである。
しかし遺伝子がDNAであるというのは多くの科学者にとって予想外のことで、微視的要素の多様性に乏しいDNAはデルブリュックによって「愚かな分子」と呼ばれ、せいぜいその物理構造を支える骨組みだろうと思われていた(遺伝情報を担う物質の有力候補は種類豊富なタンパク質だった)。
エイヴリーの細菌を用いた巧妙な形質転換実験はしかし、DNAこそが遺伝情報を担っていることを明らかにしたのである。
その後、二重らせん構造、セントラルドグマ、mRNAとスプライシング、マスター遺伝子、アポトーシス等が発見されていく。
その裏側で、負の側面である優生学やルイセンコ主義がはびこっていく話も本書では記述されている。
優生学は「遺伝子ですべて形質が決定されている」と、ルイセンコ主義は「環境で遺伝子を変えられる」という正反対の誤りを犯していた。
優生学の問題はナチスで終わったかのような書かれ方をしているが、ここはやや気になるところで、戦後も長らく障害者への断種は北欧などで(そして日本でも)行われていたことがする―されているのは少し気になった。
こうした倫理的問題は、ウイルスにDNAを挿入して増殖させる実験に対するアシロマ会議などでも現れている。
ただその一方、インスリン増殖を巡る競争で、アシロマ会議に縛られる大学と縛られない企業とで競争が企業有利になったという難しい歴史も描かれている。
下巻の最後に出てくるヒトES細胞の倫理規定を中国が破っていく問題ともこのあたりは似通っている印象を受けた。
本書下巻では、遺伝病が決して単純に遺伝子で決まるわけではないという話、犯罪遺伝子という発想の危うさ、といった社会的問題と遺伝子治療(ヒトゲノム解読やCRISPAによる遺伝子編集まで)の発展の兼ね合いが絡み合いながら紹介されていく。
もちろん、エピジェネティクスといった有名どころから性決定の興味深い話まで、さらには社会的な側では人種の無意味さなど、押さえるべきトピックスはきちんとカバーされている。
1970年までが上巻、それ以降が下巻という分けられ方をしていることからも、最近の遺伝子関連の内容の多さと発展の早さを見ることが出来るだろう。
遺伝子の科学的内容の概説としてみると、図があまりない点だけは気になるが、他は歴史に沿いながらよく書かれていると思う。
遺伝子の歴史ものとしては恐らくこの上ないぐらいにまとまっているだろう。
また、社会に関連する話題も幅広く扱っており、遺伝子を巡る難しい問題がどう進んできたか、何は言えるのか、等を考えさせるだけのものになっている。
最近出た類書・関連書と比べると、 ゲノムが語る人類全史 の後半の内容(人種、犯罪遺伝子、遺伝病等)は本書でほぼカバーされているが、書き方は本書の方が読ませる書き方だと感じた。
CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見 は、さすがに最新のCRISPAの話はこちらの方が詳しいが、そこに至るまでのゲノム操作の歴史を押さえるうえでは、本書を読んでからダウトナ書を読むのがいいかもしれない。
本書は多くの人に薦められる良書だと思う。
上下巻の大著だが、科学者のエピソードをちりばめつつ遺伝子関連の科学的内容もきちんと解説している。
まずはメンデルの忘れられた成果と、ダーウィン進化論の完成とから話は始まる。
一旦アリストテレスの説(精子がメッセージを運ぶ)と前成説(精子の中に胎児が既にいる)の対立の歴史を見て、両者ともに困難を抱えていたことを概観する。
メッセージから物質である胎児が作られる部分は非常に想像しがたい部分で、ダーウィンの理論もその部分が妥当でない形になっている。
メンデルの発見は40年ほどのちに再発見される(ダーウィンは植物の交雑の本を読んでいて、多量の書き込みをしているが、メンデルの実験に触れているページだけは何も書き込みがないのだというのは運命の皮肉であろう)。
1905年の時点でベイトソンが、遺伝子を国家が選別する状況とそのリスクについて警告を記しているのは著しい先見の明と言えよう。
遺伝子は物質であること、遺伝子は染色体上に位置し組み換えを起こすこと、突然変異があることなど、今では非常に基本的な事実すら、最初は完全に手探りで確立していくしかなかった。
モーガンのショウジョウバエの実験(遺伝子がバラバラではなくパッケージで動くことを明らかにした)、ドブジャンスキーの淘汰と種分離(異なる種同士では不妊になる)の実験、放射線で突然変異を引き起こすマラーの実験、グリフィスの形質転換の実験(遺伝子が物質である決定的証拠)などは、そうした華々しい歴史の一コマである。
しかし遺伝子がDNAであるというのは多くの科学者にとって予想外のことで、微視的要素の多様性に乏しいDNAはデルブリュックによって「愚かな分子」と呼ばれ、せいぜいその物理構造を支える骨組みだろうと思われていた(遺伝情報を担う物質の有力候補は種類豊富なタンパク質だった)。
エイヴリーの細菌を用いた巧妙な形質転換実験はしかし、DNAこそが遺伝情報を担っていることを明らかにしたのである。
その後、二重らせん構造、セントラルドグマ、mRNAとスプライシング、マスター遺伝子、アポトーシス等が発見されていく。
その裏側で、負の側面である優生学やルイセンコ主義がはびこっていく話も本書では記述されている。
優生学は「遺伝子ですべて形質が決定されている」と、ルイセンコ主義は「環境で遺伝子を変えられる」という正反対の誤りを犯していた。
優生学の問題はナチスで終わったかのような書かれ方をしているが、ここはやや気になるところで、戦後も長らく障害者への断種は北欧などで(そして日本でも)行われていたことがする―されているのは少し気になった。
こうした倫理的問題は、ウイルスにDNAを挿入して増殖させる実験に対するアシロマ会議などでも現れている。
ただその一方、インスリン増殖を巡る競争で、アシロマ会議に縛られる大学と縛られない企業とで競争が企業有利になったという難しい歴史も描かれている。
下巻の最後に出てくるヒトES細胞の倫理規定を中国が破っていく問題ともこのあたりは似通っている印象を受けた。
本書下巻では、遺伝病が決して単純に遺伝子で決まるわけではないという話、犯罪遺伝子という発想の危うさ、といった社会的問題と遺伝子治療(ヒトゲノム解読やCRISPAによる遺伝子編集まで)の発展の兼ね合いが絡み合いながら紹介されていく。
もちろん、エピジェネティクスといった有名どころから性決定の興味深い話まで、さらには社会的な側では人種の無意味さなど、押さえるべきトピックスはきちんとカバーされている。
1970年までが上巻、それ以降が下巻という分けられ方をしていることからも、最近の遺伝子関連の内容の多さと発展の早さを見ることが出来るだろう。
遺伝子の科学的内容の概説としてみると、図があまりない点だけは気になるが、他は歴史に沿いながらよく書かれていると思う。
遺伝子の歴史ものとしては恐らくこの上ないぐらいにまとまっているだろう。
また、社会に関連する話題も幅広く扱っており、遺伝子を巡る難しい問題がどう進んできたか、何は言えるのか、等を考えさせるだけのものになっている。
最近出た類書・関連書と比べると、 ゲノムが語る人類全史 の後半の内容(人種、犯罪遺伝子、遺伝病等)は本書でほぼカバーされているが、書き方は本書の方が読ませる書き方だと感じた。
CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見 は、さすがに最新のCRISPAの話はこちらの方が詳しいが、そこに至るまでのゲノム操作の歴史を押さえるうえでは、本書を読んでからダウトナ書を読むのがいいかもしれない。
本書は多くの人に薦められる良書だと思う。