『道徳の時間』
小学生としての自分の外と内の違和感と偽善的で意識的な調和の、あのナルシシズムに似た感触を思い出した。
子供を装いながら、実は大人なんだという、自分の大人な部分を大人だと疑わずにいれた時代。
年齢が大人と呼ばれる数に近づき、到達し、重なっていくなかで、私たちは〈子供〉という服を脱いできた。
もともと〈大人〉はあったのだ、未熟であることはともかく。
そして私たちは、〈子供〉という服を脱ぎ尽くし、〈大人〉という裸を晒すようになって、
ようやく〈大人〉を育てることができるようになった…
かと思えば、
脱ぎ尽くしたはずの〈子供〉が、剝がすことのできない皮膚として貼り付いていることに気づくのだ。
人間の醜さとは、〈大人〉な部分にあるのか、〈子供〉な部分にあるのか。
ふと、頭の中をハイロウズの『一人で大人 一人で子供』が流れる。
『園児の血』
20年以上経つが、不思議と、幼稚園児だった頃の記憶は、いまだにある。
あの日々に、いろんな感情を経験した。
初めて経験した感情たちだったからこそ、その場面の映像や感情がいまだに残っているのだろう。
では、その時のことを実際書けるかと言ったら、大人としての感覚が混じってしまってどうも…
いやいや、違うのだ、その定義はともかく、初めから〈大人〉なのだ、人間は。ガキは。
前田さん、本当にすごい。面白い。
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