「大人の粋な遊びは奥が深い。きっと人間も深くなる」「狭くて深い趣味は、人を磨き上げる、グレードの高い遊びなのだ」。
サクッと、すぐに読み切れる軽めの本だ。著者は元東京スポーツの文化部長。まずは、
・仕事:嫌でもやらなければならないこと
・遊び:しなくてもいいのにあえてやること
という分類を行っている。もちろん、遊び感覚で仕事ができる人はとても幸せということになる。
スポーツ、お酒、車、自転車、旅行、ライブ、食事、楽器、芸術鑑賞。あまりお金を使わない趣味に走りがちな最近の若い人に対してもそれなりに理解を示している。「下心をもつのはいい。男として健全なことだ」「当たり前のことをすれば誰でもモテる」と、恋愛についても前向きに結構なページ数を割いており、やけどをしないようにと注意を書き連ねたり慎重な言い回しをしながら浮気についても言及してあるし、混浴も登場する。一方、「コンプレックスは意識すればするほど人を萎縮させる。それを克服するには知性や教養を身につけ、内面を磨き上げること。そして、ハンディになっていることと上手に折り合いをつけながら生きてゆくことだ」と、なかなかいいことも書いてある。
全体的に遊ぶときの品位やマナーを喚起している本でもある。知ったかぶりをしない、上から目線はご法度、プライベートの人間関係では肩書きや学歴を披露しない、女性に対するやさしさと気遣いを学ぶ、品性は食の作法に表れる、おしゃれに気を配る、男と女のあそびにはルールがある、他人や会社の金ではなく自腹で遊べ、負けを愉しめない人はギャンブルをするな、といった具合。
品格や洗練さを追求することを条件に、男の遊びを正当化してくれる本である。
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