人々は、なぜ自立できないのか。吉本隆明が打ち出した「共同幻想」をベースに、人がどのようにイデオロギー、属する共同体に埋没していき無思考になっていくのか、そして、依存による無思考を避けるための「自己幻想」という手段さえも効力を失ってしまったことが解き明かされていく。21世期の情報環境下では、自己幻想のためにイデオロギーも共同体(社会的ステータスを表すコミュニティ)さえも消費されしまう。あらゆるSNSで世の中から認めてもらいたい承認欲求の嵐が吹き荒れている。そこでは、あらゆるコトが、自分を強化する道具として消耗されることが確認することができる。盤石な確固たるものがこの世界にあるわけではないにも関わらず、人々は、その時自分にとって都合が良い何かに依存してしまい、複雑に絡み合う現実のリアリティから目を避けて、物事を観ることをやめて、信じることによって自分を強化するようになってしまった。
科学の時代の幕開けから数百年も経過したが、科学(的な態度)を自分のものとして使いこなせない人は、再び中世の宗教時代に舞い戻ったかのようだ。この本では、魔女狩りに駆り立てられずに、どうやったら自分を維持しながら自分以外の世界と交流し、変化し続ける楽しみを味わえるのかが丁寧にゆっくりと紐とかれている。本のタイトル通り「遅いインターネット」は、じっくりと読むことを読者に要請し、「で、結論は?」と、すぐに正解を求めようとする人には味わえない読書体験を与えてくれる。最終章から読み始めては、この本の醍醐味は味わえない。ここ100年の人類の英知とその試みの限界について紐解く過程を1ページ1ページと踏みしめながら読み進める、時には本を閉じて考えることが、この本を通して伝えたい「遅いインターネット」のコアではないかと思う。周りに流されるわけでもなく、狂信的な何かの信者になるのでもなく、じっくりと明日への一歩を歩み出すための持続力のある強さが欲しい全ての方にお勧めできる力作です。
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言語日本語
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出版社幻冬舎
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発売日2020/2/19
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「いま必要なのは、もっと“遅い”インターネットだ」インターネットによって失った未来を、インターネットによって取り戻す。民主主義を半分諦めることで、守る。そのための「21世紀の共同幻想論」
--このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宇野/常寛
評論家。批評誌『PLANETS』編集長。1978年生。著書多数。立教大学社会学部兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
評論家。批評誌『PLANETS』編集長。1978年生。著書多数。立教大学社会学部兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者について
1978年生。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『原子爆弾とジョーカーなき世界』(メディアファクトリー)、『静かなる革命へのブループリント:この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)、『楽器と武器だけが人を殺すことができる』(KADOKAWA/メディアファクトリー)、『資本主義こそが究極の革命である:市場から社会を変えるイノベーターたち』(KADOKAWA/PLANETS)。 共著に濱野智史との対談『希望論』(NHK出版)、石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。 京都精華大学非常勤講師、立教大学兼任講師のほか
--このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B0847LF6Z1
- 出版社 : 幻冬舎 (2020/2/19)
- 発売日 : 2020/2/19
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 366 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 202ページ
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Amazon 売れ筋ランキング:
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カスタマーレビュー
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2020年2月21日に日本でレビュー済み
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130人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年2月21日に日本でレビュー済み
楽しみにはしてた。
けど、「シン・ニホン」を先に読んでしまった。
内容が浅い。
宇野さんも箕輪さんも、浅い。
自分達はネット芸人として有名になり、他の追随が有名になろうとしているときに、
「お前ら、行動はいらないから考えろよ」
ってwwwww
おいおい。
虫がよすぎるぜ。
シンニホンの安宅さんはずっと粛々と頑張っていた。
それに比べてお前らは何をしていた?
刊行のタイミングが悪かったな。それに尽きる。
けど、「シン・ニホン」を先に読んでしまった。
内容が浅い。
宇野さんも箕輪さんも、浅い。
自分達はネット芸人として有名になり、他の追随が有名になろうとしているときに、
「お前ら、行動はいらないから考えろよ」
ってwwwww
おいおい。
虫がよすぎるぜ。
シンニホンの安宅さんはずっと粛々と頑張っていた。
それに比べてお前らは何をしていた?
刊行のタイミングが悪かったな。それに尽きる。
2020年2月21日に日本でレビュー済み
より早く、より多くの情報に触れたくてダイヤルアップ接続の音を聞きながらじりじりと待っていた、あの時間にこそ価値があったのだと今は思う。
世界に繋がるのを息を潜めて待つ間、一つの問いに対して思考を巡らす。仮説を立てる。もしかしたら、自分の導き出した結論が解なのかもしれないという高揚感。そしてようやく繋がったインターネットの海を手探りで進んでいく。
あの頃は膨大な情報に触れる前に、ある種強制的に思考時間が設けられていた。
だからこそ、海に放り出された後も流されることも、溺れることもなかった。
けれど、どんどん世界に繋がる速度が上がり、思考時間は削られていってしまった。そのような思考停止のもとでもコミュニケーションがとれてしまうTwitterなどのプラットフォームの発展も相まって、思考することそのものの難易度が上がってしまった。
その結果、有象無象の情報にのまれ、判断力が鈍り、がらんどうな主義主張ばかり口にするようになってしまった。そこには矜恃も何もない。
では、思考時間を取り戻すにはどうしたらいいのか。めまぐるしく進化するインターネットとどう向き合えばいいのか。
…と、そんなことを考えながらはたと気付いた。
本書そのものが思考時間を生み出すためのひとつの装置となっているのではないか。読むという行為そのものがインターネットとのあるべき関係性を示唆してるのではないか。
そんな仮説がふと浮かぶ。それは果たして解と言えるのかを確かめたくて、まさに今、本書を読み返したい衝動に駆られている。レビューを書く時間も惜しいくらいに。
世界に繋がるのを息を潜めて待つ間、一つの問いに対して思考を巡らす。仮説を立てる。もしかしたら、自分の導き出した結論が解なのかもしれないという高揚感。そしてようやく繋がったインターネットの海を手探りで進んでいく。
あの頃は膨大な情報に触れる前に、ある種強制的に思考時間が設けられていた。
だからこそ、海に放り出された後も流されることも、溺れることもなかった。
けれど、どんどん世界に繋がる速度が上がり、思考時間は削られていってしまった。そのような思考停止のもとでもコミュニケーションがとれてしまうTwitterなどのプラットフォームの発展も相まって、思考することそのものの難易度が上がってしまった。
その結果、有象無象の情報にのまれ、判断力が鈍り、がらんどうな主義主張ばかり口にするようになってしまった。そこには矜恃も何もない。
では、思考時間を取り戻すにはどうしたらいいのか。めまぐるしく進化するインターネットとどう向き合えばいいのか。
…と、そんなことを考えながらはたと気付いた。
本書そのものが思考時間を生み出すためのひとつの装置となっているのではないか。読むという行為そのものがインターネットとのあるべき関係性を示唆してるのではないか。
そんな仮説がふと浮かぶ。それは果たして解と言えるのかを確かめたくて、まさに今、本書を読み返したい衝動に駆られている。レビューを書く時間も惜しいくらいに。
2020年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯の『民主主義を半分諦めることで守る』という言葉から政治的な本かと思われるかもしれませんが、インターネットと良き距離感を保ちつつ、いかに自分の日常生活から世界を豊かにするかの具体的な提案が書かれている良書です。
グローバルな市場経済拡大の中で、『境界のない世界』は広がり、例えばアメリカとベトナムの格差は縮まりつつも、アメリカ国内のラストベルトの自動車工とシリコンバレーの起業家との格差は、むしろ拡大しつつある。
その中で、アメリカのラストベルト自動車工のような世界に取り残されている(と感じる)人々が『境界のない世界』から自らを守る手段として、排外的な『壁を作る』ために、民主主義にコミットする動機が高まり、インターネットポピュリズムによる動員の結果、トランプが誕生(イギリスでは同様にブレグジットも成立)することとなった。
今や、民主主義はインターネットポピュリズムにより暴走するリスクが高まっていることを前提として、本書では『民主主義を半分諦めることで守る』ことを提案。
提案内容は、主に三点。
☑︎民主主義と立憲主義のバランスを後者へ傾ける(統治権力を憲法で縛る力を強化することでポピュリズムに走りがちな民主主義の暴走リスクを回避する)
☑︎選挙やデモの中間として、テクノロジーを活用して、日常の中に新しい政治参加の回路を作る(例えば、ルールメイキングに、職業人が携われるクラウドローのような仕組みを導入)
☑︎個人が自ら考えて問題設定し、世界を豊かにするためのメディアを構築する(『遅いインターネット』運動)
特に、3つ目の『遅いインターネット』計画。
インターネットで誰もが素早く発信出来る時代だからこそ、速すぎるインターネットに流されて『じっくり自ら考える』力が欠如しがちではないか。(だから、インターネットポピュリズムに加担してしまうことにもなる)
そこで、あえてスローに、しっかり読み、しっかり書き、新しく問題設定をし直す力を養うことで、世界の見え方を変えていくというものです。
具体的には、メディアとして、何年も読み継がれる良質な記事だけを置いた『遅いインターネット』ウェブマガジンを運営。
さらに『遅いインターネット』運動を担うサードプレイス(オンラインサロン)、発信と受信を学ぶスクールの運営を通して、今後は、自ら考えながら価値のある情報発信をする人を増やしていくとのこと。
これらにより、個人が『日常×自分の物語』から現実をより良いものにしていくことが示されています。
こちらの本、インターネットや社会との多様な距離感を保ちつつ、世界を豊かにする方策を、個人の行動レベルで試行錯誤しながら実践していきたいという方にオススメです。
なお、最初の大きなインターネットポピュリズム(民主主義)の話から、間にGoogle、吉本隆明の思想も評論しつつ、最後には個人の具体的な行動レベルにまで落とし込まれた緻密な構成が読んでて気持ちいいです。
グローバルな市場経済拡大の中で、『境界のない世界』は広がり、例えばアメリカとベトナムの格差は縮まりつつも、アメリカ国内のラストベルトの自動車工とシリコンバレーの起業家との格差は、むしろ拡大しつつある。
その中で、アメリカのラストベルト自動車工のような世界に取り残されている(と感じる)人々が『境界のない世界』から自らを守る手段として、排外的な『壁を作る』ために、民主主義にコミットする動機が高まり、インターネットポピュリズムによる動員の結果、トランプが誕生(イギリスでは同様にブレグジットも成立)することとなった。
今や、民主主義はインターネットポピュリズムにより暴走するリスクが高まっていることを前提として、本書では『民主主義を半分諦めることで守る』ことを提案。
提案内容は、主に三点。
☑︎民主主義と立憲主義のバランスを後者へ傾ける(統治権力を憲法で縛る力を強化することでポピュリズムに走りがちな民主主義の暴走リスクを回避する)
☑︎選挙やデモの中間として、テクノロジーを活用して、日常の中に新しい政治参加の回路を作る(例えば、ルールメイキングに、職業人が携われるクラウドローのような仕組みを導入)
☑︎個人が自ら考えて問題設定し、世界を豊かにするためのメディアを構築する(『遅いインターネット』運動)
特に、3つ目の『遅いインターネット』計画。
インターネットで誰もが素早く発信出来る時代だからこそ、速すぎるインターネットに流されて『じっくり自ら考える』力が欠如しがちではないか。(だから、インターネットポピュリズムに加担してしまうことにもなる)
そこで、あえてスローに、しっかり読み、しっかり書き、新しく問題設定をし直す力を養うことで、世界の見え方を変えていくというものです。
具体的には、メディアとして、何年も読み継がれる良質な記事だけを置いた『遅いインターネット』ウェブマガジンを運営。
さらに『遅いインターネット』運動を担うサードプレイス(オンラインサロン)、発信と受信を学ぶスクールの運営を通して、今後は、自ら考えながら価値のある情報発信をする人を増やしていくとのこと。
これらにより、個人が『日常×自分の物語』から現実をより良いものにしていくことが示されています。
こちらの本、インターネットや社会との多様な距離感を保ちつつ、世界を豊かにする方策を、個人の行動レベルで試行錯誤しながら実践していきたいという方にオススメです。
なお、最初の大きなインターネットポピュリズム(民主主義)の話から、間にGoogle、吉本隆明の思想も評論しつつ、最後には個人の具体的な行動レベルにまで落とし込まれた緻密な構成が読んでて気持ちいいです。
2020年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、これまでの著者の本と比較して非常に平易な文体で書かれている。1章(現状認識)と3章(思考法)のイントロダクションも非常に丁寧に解説しているため、本書で初めて著者の本に触れる読者にもお勧めしたい。しかし、いやそれ故か、構成レベルにおいて"批評的な"試みが行われていることに気づくことが出来る。初見の段階でも確認出来た二点を挙げよう。一つ目は、脚注が批評として独立していること。それも、あえて文章量を割いており本文からの一時脱却を狙っている。紙の本であればなおさらだが、巻末へ"わざわざ"移動させられる、この一手間がネットサーフィンでの検索を思い出させる。かつて、期待された可能性のひとつという意味で"インターネット的"である。(もちろん、脚注を読まずにストレートに本文を追うことだけでも本書は成立する。)二つ目は2章の語り口と、本書全体の位置付けだ。2章の語り口は、章全体が冒頭のエピソードに対する批評となっており、時にユーモアを交えながら、身も蓋も無い現実に対しての著者の視点を展開する。このユーモアを持った批評こそ、続く3章に触れる吉本隆明のアンパン屋台的なリアリティ、生活者の視点である。絶妙なのは、批評を楽しむ思考を先人の知恵を引用することで解説する3章と4章の、それ以前の既出の2章において、既に僕らは批評により感情を揺さぶられているのである。そして、本書は批評という思考の言語化を、一貫して平易な文体で展開し、締め括る。通読後には、世界視線と普遍視線を彷徨う自己を認識させられてしまうのである。抜け出せない壁など無いと。その結果、各々がどのような反応を示すのか。著者は、じっくりと、そしてたんたんと、今日も新国立競技場の前を走っていることだろう。
2020年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
明石家さんまは自分が読書ができない理由をこう説明している「◯◯は思春期の時に、、、と書いてあったら俺の思春期に何があったっけなあと考え始めて全然進まへんねん。」と。遅いインターネットとは何か、それはタイムラインに乗せられ脊椎反射的に発信する態度とは真逆で、情報に触れたときに「自分の職場だとどういうことになるか」とかハイパーリンクを使って周辺知識を蓄えながらじっくり理解を深めたり、本や記事という他者の物語を手探りしながら自分のものにしていくことであると思う。なんでも自分の物語にしてしまう明石家さんまはやはりお笑い怪獣だ。イチローは引退会見で「いまの野球は頭で考えない」という皮肉を語った。これはデータ、サイン盗みなどによって自分自身の感性使わない野球が展開されているからであり、長期的に見ると野球界のマイナスになるからという発想があるのだろう。インターネットがスマホによって身近になった昨今、脊椎反射による発信によって愚かになる人が増えたという宇野さんと速いインターネットの先頭に走りながら、そのことに疑問を感じるようになったという箕輪さんがタッグを組んだこのニュースピックスブック。新しい時代の起点になるかもしれないおすすめの一冊。



