一大学人の意見として、必ずしも大学の実情を把握したランキングとは思えない印象があることを書いておきたい。
ランキングの中には、規模の小さい大学であることにより、自己資本比率が高く、教員一人当たりの学生数が少ないなど、小規模の機動力が強みとなったランキングとなっている。実就職率も分母が少なければ、それだけサポートが行き届くために、高くなるだろう。知名度の低い大学が、Fランに近くても高い評価なのはそれが原因。
問題は実就職率の中身で、就職が決まっているなら業種は無関係、となっていること。偏差値主義者ではないが、いわゆる全入大学卒の学生の就職先が、大学入試をくぐり抜けなければ入れない大学と同じだろうか?
本当に強い、とはどういう意味か?財政的に安定し、志願者増が見込まれ、ブランド力があり、政財界への人材輩出力があること、そして教育力、国際性だろうが、特に教育力をどう測るのか?科研費取得金額だけが優れた大学の特徴だろうか?分野ごとに得意不得意もあるのではないか?
もう少し複合的に見ないと、正確にはわからないな、というのが感想である。
さらに、この出版社の大学評価の当てにならないところは、2018/2/10の「大学が壊れる」特集で、危ない大学だとされていた大学が、今回は上位だったり、逆にベスト50に入っていた大学が150位くらいに落っこちていたり、ランキングに統一性がないこと。
危ないとか、壊れる、とか言って、危機感を煽るマスコミやコンサルに躍らされることがないよう、大学には信念を持って、がんばってもらいたい。
こういったランキングを期待と不安を感じながら、参照されている教員、職員の皆さんもいるかもしれませんが、弱った巨象の狙うハイエナのような商売に左右されないように、信念をもって明日の日本のために頑張りましょう!
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