MBAコースのエッセンスをまとめた「通勤大学」シリーズの第3弾。著者はクリティカルシンキングを、考え方やまとめ方、最善の意思決定や解決法に役立つだけでなく、それを相手や組織に「理解」「納得」させ、実行の「承認」を得るのに役立つものとして紹介している。解説の多くは事例を用いており、実践感覚で学べるのも特徴である。
全3部構成の第1部「論理の基礎」では、ゼロベース思考と演繹・帰納による論理展開を解説している。人間の思考がいかに既存の「枠」から抜け出せないかや、実際に「枠」を取り除いた思考がどんなものかを示した事例もあり興味深い。ほかに、「なぜ」を繰り返す重要性や因果関係のプロセスなども取り上げている。第2部「論理の整理」では、ある事柄を重なりなくすべて網羅してまとめる「MECE~モレなくダブリなく~」を解説するほか、それを活用したフレームワーク思考を多数紹介している。バリューチェーン、マーケティングの4P、事業ポートフォリオ(PPM)、バランススコアカード(BSC)という経営のさまざまなフレームワークにおけるMECEの実践が学べる。第3部「アウトプットでの活用」では、これまでのまとめで、ロジックツリーとピラミッド思考を取り上げている。文書作成のルールなど、プレゼンですぐに役立ちそうなノウハウが注目である。
MBAのクリティカルシンキングといえば、洗練された技法を駆使する難解なイメージもあるが、本書の要点が絞られた事例や図解はじつにわかりやすい。MBA的な思考がどんなものかを知るのに最適である。(棚上 勉)
内容(「BOOK」データベースより)
物事を客観的、論理的に考え、それを相手にわかりやすく伝えるための思考方法、クリティカルシンキング。目の前に見える問題のみを考えるのではなく、自分の考えを常に批評しながらより深く物事を考えることで、新しいモノの見方や問題解決方法が浮かび上がってくる。本書では、事例を用いながらクリティカル(批評的)な物事の考え方から、プレゼンテーションの仕方といった実践までを一冊で学ぶ。
内容(「MARC」データベースより)
物事を客観的、論理的に考え、それを相手にわかりやすく伝えるための思考方法、クリティカルシンキング。事例を用いながら、クリティカル(批評的)な物事の考え方から、プレゼンテーションの仕方といった実践までを解説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
青井/倫一
昭和44年東京大学工学部卒業。50年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。54年ハーバード大学ビジネススクール留学、経営学博士号授与。平成2年慶応義塾大学ビジネススクール(大学院経営管理研究科)教授。産業界でも広くアドバイザーとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)