高野秀行と清水克行の二人が、
それぞれの推した本を解説しながら互いを賞賛しあうという構成なのですが、
とにかく取り上げられている本自体が、
それに感性の合った人でないと食指が動かない本ばっかなので、
人によっては読んでいて疲れる本だと思います。
えっ、俺?
疲れたに決まってんだろうが。(笑)
「ゾミア」や「ピダハン」などはその最たるものだと思うのですが、
その他の本も本っ当に人を選ぶと思います。
あと、
少し気になったのが高野氏が自分の国である日本のことを小馬鹿にしてるの?
みたいなときがあって、相方の清水氏が「すみませんね」と謝る時があったりします。
それとこの本、
注釈が本当に多くて、だいたい一つの章で50~60個もあるのですが、
一部に?と思う注釈があります。
たとえば第1章「ゾミア」の注釈33番「水滸伝」。
中国四大名著の一つに「金瓶梅」を挙げているのですが、
これは友人の中国人女性がかつて語っていましたし、雑喉潤先生もおっしゃっていましたが、
ふつう中国の四大名著って言ったら、
三国志演義・水滸伝・西遊記・紅楼夢の四つで、
ウィキなどでも金瓶梅が紹介されていますが、当の中国ではあんまり言わないんじゃ・・・。
というように、
時々変な注釈があるので探してみてください。さすが集英社。('∀`*)ウフフ
とにかく、
二人の推し本が推し本なだけに、確実に読み手を選ぶ本です。
アマゾンの商品説明の目次を見て、
イケる!と思った人だけが買うべき本だと思います。
辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦 (集英社文庫) (日本語) 文庫 – 2020/10/21
高野 秀行
(著)
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清水 克行
(著)
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本の長さ320ページ
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言語日本語
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出版社集英社
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発売日2020/10/21
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寸法10.5 x 1.4 x 15.2 cm
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ISBN-104087441687
-
ISBN-13978-4087441680
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
面白い本を読んだら誰かと語り合いたい!バットゥータ『大旅行記』から町田康『ギケイキ』まで。ディープな本を辺境作家と歴史家が読んで語り合った読書会の記録。片や自らの体験から、片や学問的な視点から、内容への考察が加えられ、対象の本の魅力が再発見されていく。知的好奇心が刺激され読書への興味が膨れ上がる、興奮に満ちた一冊。文庫化にあたり新たに読書会を行い、一章を追加。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高野/秀行
1966年東京都生まれ。『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。2005年『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞を、13年『謎の独立国家ソマリランド』で第35回講談社ノンフィクション賞、14年同作で第3回梅棹忠山・山と探検文学賞を受賞。著書多数
清水/克行
1971年東京都生まれ。歴史家。明治大学商学部教授。専門は日本中世史。大学の授業は大講義室に400人超の受講生が殺到するほどの人気。歴史番組の時代考証なども担当。2000年に論文「足利義持の禁酒令について」により第1回日本歴史学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1966年東京都生まれ。『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。2005年『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞を、13年『謎の独立国家ソマリランド』で第35回講談社ノンフィクション賞、14年同作で第3回梅棹忠山・山と探検文学賞を受賞。著書多数
清水/克行
1971年東京都生まれ。歴史家。明治大学商学部教授。専門は日本中世史。大学の授業は大講義室に400人超の受講生が殺到するほどの人気。歴史番組の時代考証なども担当。2000年に論文「足利義持の禁酒令について」により第1回日本歴史学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2018年5月26日に日本でレビュー済み
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大好きなおふたりの対談本!
ふたりは読書をしてるだけなのに、1冊目と同じく、別世界に案内してくれます。
アフリカ、昔のインド、古代日本、室町時代。
清水先生のその時代がどんな時代だったかの説明と、高野さんの「こないだ行ったアフリカでね…」みたいな話で、ありありとその時代のその国の情景を目に浮かばせるという、なぞの能力があるすごい本です。第3弾もつよくつよく希望します!!
次はおいしいもの対談とかどうかな…。食べながらいろんな国と時代を解説するの。
ふたりは読書をしてるだけなのに、1冊目と同じく、別世界に案内してくれます。
アフリカ、昔のインド、古代日本、室町時代。
清水先生のその時代がどんな時代だったかの説明と、高野さんの「こないだ行ったアフリカでね…」みたいな話で、ありありとその時代のその国の情景を目に浮かばせるという、なぞの能力があるすごい本です。第3弾もつよくつよく希望します!!
次はおいしいもの対談とかどうかな…。食べながらいろんな国と時代を解説するの。
2018年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本を読む楽しさは自分が読んできた本の間に次々と連環が広がっていくことにある。そんな愉悦そのままに、読巧者の2人の会話は八艘跳びに広がっていく。こんな風に読めたら楽しい。俎上に上がったのは旅行記、人類学、軍記、小説などなど8冊の本。無関係のようで、上手の連歌のような妙味で本が連なる。触手を伸ばしたい本が紹介されると付箋紙を貼るのだが、この本も一杯になった。「世界の辺境とハードボイルド室町時代」の延長で生まれた1冊、打ち止めにしたいというが、是非続編を期待したい。本の扉に自分用の索引を書き留めるとは上手い手。
2018年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
雑多なようでいて、言語が本書に通呈するテーマだと感じた。二人にそうした無意識の協定があったのか、意外とまとまりのよい、読みやすい一冊になっていると思う。しかし取り上げられた本へのアピールは低めかな。アイデアは広がるけれど、読書欲は刺激されなかった。
VINEメンバー
3ヶ月ごとに、課題図書を出し合い、8冊の本について語り合う。つまり2年にわたる二人「読書会」であり、「読書合戦」の記録である。立ち会う者からすると、たいへん味わい深いもので、このままさらに「合戦」を続けて欲しく思う。
もっとも、高野氏にいわせると「今だから告白するが、正直何度も、『この読書会、もう辞めたい・・・』と思った」のだそうである。ある課題図書(高野氏自身が提案した『大旅行記』)は「ざっと読むだけでも2週間かかり」、提案された清水氏は「少ない夏休みを棒に振」るなどしたという。また、こうも記している。「本を読み、丹念にメモをとり、疑問点や意見、感想をまとめる。それだけではない。ときには同じ著者の他の著作やテーマに関連した別の著者の本まで読む。特に清水さんが熱心に『これを読んでおいたほうがいいですよ』と勧めてくる。読まないわけにいかないじゃないか」。
とはいうものの、同時に、「素晴らしい充実感に包まれた」時を過ごした、という。その「充実感」は、読む者にも伝わってくる。
同じく「あとがき」で、高野氏は「教養」について書いている。「ここではない何処か」を時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)という二つの軸で追求していくことは、『ここが今どこなのか』を把握するために最も有力な手段なのだ。その体系的な知識と方法論を人は教養と呼ぶのではなかろうか。 / もちろん、日常のルーティンにおいて、そんなことはほぼどうでもいい。だから往々にして教養は『役に立たない空疎な知識』として退けられ、いまやその傾向はますます強まっている。でも、個人や集団や国家が何かを決断するとき、自分たちの現在位置を知らずしてどうやって方向性を見定めることができるだろう。 / その最も頼りになる羅針盤(現代風にいえばGPS機能)が旅と歴史であり、すなわち『教養』なのだと初めて肌身で感じたのだ。同時に五十歳を過ぎてそんな初歩的なことに気づくようだから、私の人生は迷走の繰り返しだったのだと腑に落ちた。でも重要な決断は人生あるいはその集団や国家が終わるまで必要とされるのであり、教養を学ぶのに遅すぎることはないとも思うのである。」
「辺境」へ旅し、歴史へ分け入るその深さゆえ、本書から得られる「教養」は、たいへん大きい。
もっとも、高野氏にいわせると「今だから告白するが、正直何度も、『この読書会、もう辞めたい・・・』と思った」のだそうである。ある課題図書(高野氏自身が提案した『大旅行記』)は「ざっと読むだけでも2週間かかり」、提案された清水氏は「少ない夏休みを棒に振」るなどしたという。また、こうも記している。「本を読み、丹念にメモをとり、疑問点や意見、感想をまとめる。それだけではない。ときには同じ著者の他の著作やテーマに関連した別の著者の本まで読む。特に清水さんが熱心に『これを読んでおいたほうがいいですよ』と勧めてくる。読まないわけにいかないじゃないか」。
とはいうものの、同時に、「素晴らしい充実感に包まれた」時を過ごした、という。その「充実感」は、読む者にも伝わってくる。
同じく「あとがき」で、高野氏は「教養」について書いている。「ここではない何処か」を時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)という二つの軸で追求していくことは、『ここが今どこなのか』を把握するために最も有力な手段なのだ。その体系的な知識と方法論を人は教養と呼ぶのではなかろうか。 / もちろん、日常のルーティンにおいて、そんなことはほぼどうでもいい。だから往々にして教養は『役に立たない空疎な知識』として退けられ、いまやその傾向はますます強まっている。でも、個人や集団や国家が何かを決断するとき、自分たちの現在位置を知らずしてどうやって方向性を見定めることができるだろう。 / その最も頼りになる羅針盤(現代風にいえばGPS機能)が旅と歴史であり、すなわち『教養』なのだと初めて肌身で感じたのだ。同時に五十歳を過ぎてそんな初歩的なことに気づくようだから、私の人生は迷走の繰り返しだったのだと腑に落ちた。でも重要な決断は人生あるいはその集団や国家が終わるまで必要とされるのであり、教養を学ぶのに遅すぎることはないとも思うのである。」
「辺境」へ旅し、歴史へ分け入るその深さゆえ、本書から得られる「教養」は、たいへん大きい。