上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0「毎日息をするように絵を描いているけど最近ちょっと悩んでる人」のためのアドバイス本
2017年6月19日
うーん…これは合う人と合わない人にクッキリ別れる本かも。
この本はいわば
「毎日当たり前のように10km走ってるけど最近つらくなってきた」
「毎日当たり前のように10km走ってるけどいまひとつタイム伸びない」
「毎日当たり前のように10km走ってるけど今の走り方で入賞できるか不安」
そういう悩みを抱えてる人に「こんなフォームで走ってみたらどうかな」とアドバイスする本であって……。
「つらくてつらくて1kmも走れない、練習続かない」人につらくならない方法を教えてくれる本じゃない。
「ダイエットのために運動しなくちゃ、だけどつらくて続かない」
「楽しく運動できるようになりたいけど運動が苦痛で苦痛でしょうがない」
「運動しても痩せなかったらどうしようと考えると動けない、私にとって毎日1時間の練習は毎日監獄に入るようなもの、そんな苦しい思いを何年やっても痩せなかったらと思うと一歩も動けない。楽しそうに運動して痩せてる友人を見ると嫉妬で気が狂いそうになって毎日悶々としていて苦しい」そういう悩みを抱えている人には向かない。
もっと言えばこうだ。「ヘイユー!マラソンの練習がつらいって? だったら今日は焦らずじっくり筋トレしようぜ! 派手にブレイクダンスして気分転換するのもいいな! 運動の悩みは運動で解決だ!」と言われて「やってみよう!」と思える人はこの本向いてる。「筋トレもダンスも運動すべてがつらいんだよ、だからつらくならない方法を聞いてるんじゃねえかコンチクショー!」と思う人はこの本向いてない。
「絵を描くこと自体好きじゃないけど自分の空想を形にしたい。ドラえもんのマンガ製造箱があればいいなっていつでも思ってる。だけどないから自分で描くしかない。でも描くのがつらい、苦しい、続かない。自分のヘタクソな練習絵を見るだけでグチャグチャに破いて捨てたくなる。そういう話をすると周囲の人は『本当は賞賛が欲しいだけで絵なんてどうでもいいんじゃない』って言うけどそんなことない。だって勉強やスポーツができる友だちを見ても全然嫉妬しないけど、絵が描ける友だちだけは腕を食いちぎってやりたいほど憎たらしいもの。どうしよう、どうしたら描くことが楽しくなるの。どうしたらつらくってキャンバスから逃げちゃって一枚も描けない状況から脱出できるの。楽しく描くことが永遠にかなわぬ夢ならいっそのことジェイソンステイサムが毎日銃をつきつけて絵の練習を強制してくれたらいいのにって思う」
……この本のタイトルに釣られるのはそういう人が多いと思うので、次回はぜひそういう人向けの本を作ってほしい。です。