本書は、元占い師でありながら(であればこそ?)現代の占星術・占星術師を辛辣に批判している人物が書いたということで興味がわき、ほんの軽い気持ちで読み始めた。
占星術には多少興味はあったものの、女性誌に掲載されるようなチャラい「星占い」の類は内心バカにしていた口なので、正直、最初はさして期待せず読み始めたのだが、読み進めるにつれどんどん内容の深さ濃さに引き込まれていった。
前半は、哲学や天文学、物理学、数理幾何学などの内容がぎゅっとつまっており、著者の博識ぶりがわかる。一見難解そうでひるみそうになるが、読みやすくわかりやすい文章で書いてあるので、思ったよりすんなり読める。
後半に入り著者が占星術の核心にズバリ切り込んでいく下りでは、「そうか!なんてことだ!」と新鮮な驚きと感動を覚え、まさに目からウロコ、晴天の霹靂。この「真理」にたどり着いたとき、「感動のあまり多摩川の土手を転げまわった」というエピソードは、長いときをかけて知りたかった答えを自ら手にした著者の大きな感動が素直に伝わってくる。
内容が深すぎて、一度読んだだけでは消化しきれなかったので、二度、三度読み返し、そのたびに新たな局面が見える。見事に占星術の「盲点」を暴き、知らしめてくれたものだ。現代の多くの占い師たちが見えていない、でも言われてみればあまりにも当たり前のもの。
この本を読み終えると、この核心を知らない浅い占い師や金の亡者と化した占い師が哀れで滑稽にみえてくる。
著者がプロローグで書いているように、食わず嫌いをせず前半、第一章と第二章を読んでおくことで、第三章に書かれた核心が腑に落ちてくるので、ここは必読かと。
第三章は著者がその真理に気づくまでに体験した不思議なできごと、スピリチュアル要素たっぷりの出来事がつづられているが、前半の様々な分野の知識が詰まった、論理的で理性的な文章があるからこそ、第三章につづられた内容が説得力ある重みをもってくる。
そこらへんの、知性や理性が欠落したふわふわしたスピリチュアル好きの人間が書く内容とは明らかに一線を画している。
本書に書かれた核心部分は占星術のみならず、人の生き方そのものに大きくかかわってくるので、占星術が好きな人はもちろん、占星術に興味ない人が読んでも大いに役に立つ知識だと思う。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
