英国の国民投票の結果における「ブレグジット」と、アメリカ大統領選でトランプ氏が勝利したことに象徴される反グローバリズムの流れを、過去数年間の世界全体の動きから分析した一冊。本書を読むことにしたのは、新刊の発売のない年末年始に読むべき本を確保しようというやや消極的な理由からであったが、世界各地で進行する大きな時代の変化を、豊富かつ的確な具体例を挙げながら、偏りのない眼で巨視的に捉えた上で、それを解りやすく解説しており、繰り返し目を瞠った。著者の本を読んだのは、去年４月に刊行された黄文雄氏との対談本だけで、著者単独の本を読むのはこれが初めてであるが、今後は、著者の本は出来る限り読もう、と決意された。また、これまで著者の本を読まずに来たことが大いに悔やまれた。
日本のマス・メディアの報道を見ていると、相変わらず､「グローバル化」という言葉を肯定的な意味でしか用いていない。ここに、マス・メディアの情報にばかり接していると、世界の潮流が永遠に理解できない所以がある。日本に限らず、世界中のマス・メディアは、究極のグローバリストという時代後れの恐竜によって牛耳られており、彼らがこの言葉を偏愛し、この価値観を奨励するのは当然の行動と言える。ネットの普及により、もはや彼らが自分たちに都合のよい歪んだ情報で人々を囲い込むことが出来る時代は過ぎ去ったのであり、本書にもある通り、今後この流れは強まる一方であるはずであり、後退することはないであろう。同じことは、巨大企業や超富裕層が、一般の人々の目を逃れて甘い汁を吸うことが出来なくなったことについても当て嵌まる。
ひと昔前までのアメリカに見られたような、大国が自国の考えを他の国々に押し付ける時代は終焉した。これからは、日本のように、常に「他国のために」と考えて行動する国が、ますます耀きを放つ時代へと突入するであろう。それをさらに強力に推進するには、日本人自身が、自分たちが世界に類例のない優れた国民であるという自覚と自信を懐くことである（これも、ＧＨＱの占領政策を今なお押し戴いているマス・メディアの報道にばかり接している限り不可能である）。戦後70年間、日本人を噓の歴史で洗脳し続けて来た邪悪なあの国は、今後、その報いを受け、衰頽の一途を辿るであろう。
貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命 (日本語) 単行本（ソフトカバー） – 2016/12/24
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商品の説明
内容紹介
貧しい国が豊かになると戦争が起きる
豊かな国が貧しくなると革命が起きる
今、世界で起きていることは
「これから起こること」の始まりにすぎない
世界は革命期に突入した!
サブプライム以降の大きな歴史のうねりはグローバリズムを終焉させ、巨大な大衆の反発と否定の段階に入っている。
イギリスのEU離脱(ブレグジット)、アメリカのトランプ・ショック、さらには韓国の朴槿恵政権の終焉とナショナリズムの台頭を示唆する現象が起きてい るわけである。
声なきはずの大衆が声を持った。
これが本書のタイトルでもある「貧者の一票」の価値を高め、世界の既得権益化した政治、経済、産業、文化構造を大きく変化させてゆくものと思われる。今は始まりにすぎず、これからさらに大きな変革の波が訪れることになるのだろう。本書では、それを系統立てて解説し、物事の本質と社会の仕組みについて述べている。
第1章 混迷する2017年の世界経済
第2章 「脱グローバリズム」に舵を切る世界
第3章 世界を動かす「貧者の一票」
第4章 権利の乱用者「ただ乗り屋」叩きが始まった
第5章 問われる「命の価値」の重み
第6章 ポスト・グローバリズム―世界経済の近未来
内容（「BOOK」データベースより）
貧しい国が豊かになると戦争が起きる。豊かな国が貧しくなると革命が起きる。グローバリズムと金融主導の経済が終わり、欧米は分裂を始めた。貧しい者も豊かな者も、一票は一票。今、貧者の一票が世界を大きく動かそうとしている。
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