このカーヴァーの短編集、「象」の中には、勿論、短編『象:Elephant』という小説がある。彼の小説のタイトルには、明らかに、いい加減に名付けたと思われるものが多い。 ただ、それにしても『象:Elephant』は不思議過ぎます。物語の中のどこを探しても『象:Elephant』なんて全く(1回も)出てこないんですもの・・・・ネ。
この物語は、無間地獄のように主人公が、弟、お母さん、息子、娘、別れた妻から、お金を無心されるお話です。もちろん、ほとんどのカーヴァーの小説と同様で、救いはありません(人によって、思わずの笑顔は、あるかもしれませんが・・・)。
物語の最期、主人公が、ガンガン飛ばす友人の車に同乗し、そうそう、かまうもんか(死ぬまで)アクセルを思い切り踏め・・・・・と、内想するところで終る(わたしは、そう感じました)。
『象:Elephant』の解釈:
いくらカーヴァーとはいえ、小説のタイトルが100%適当なわけがありません。おそらく、この短編の『象:Elephant』というのは、アメリカの2大政党;共和党、そして、その対極にある『ろば:Donkey』:民主党、から示唆を得たタイトルだと思います(象とロバは、各々の党のシンボル・マーク、だそうです)。 彼の比喩を勘案すれば、『象:Elephant』は、「一度経験したことは、生涯忘れない動物」、すなわち、成功体験からいつまでもお金を無心する【弟、お母さん、息子、娘、別れた妻】を指しており、一方、『ろば:Donkey』は「バカで懲りない素直な動物」、即ち、お金を出し続ける主人公のことを意味している、・・・・と思いました。
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