・洋画では絶対に味わえない、日本映画ならではの魅力に溢れた作品でした。
・どちらかと言うと、ストーリーではなくシーンの魅力で魅せる作品だと思います。
クエンティン・タランティーノ監督が絶賛したのも、なんとなく分かります。
・映画冒頭の電車のシーンは、映画を見終わった後にもう一度見てほしいです。
あのピンクのトランクケースの中身は・・・・。
・映画を見ただけでは、明くん達4人の子供が出生届の出ていない「無戸籍児童」とは分かりにくいと思います。
・主人公である長男、明くんを演じた柳楽優弥(やぎら・ゆうや)さんは間違いなく世界を魅了したと思います。
あの表情にはすごいパワーがあります。
弟、妹の面倒をよく見る、優しいお兄さんです。明くんの作るカレーはとても美味しそうです。
しかし、妹のゆきちゃんがピンチの時、薬局で薬を盗む時はとても怖い、ものすごい形相でした。
ダメな母親だと分かりつつ、眠りながら涙を流す母親を見て、あぁ、この人も辛いのだな、と思う優しい子です。
・問題の母親、けい子は・・・・悲劇の元凶です。4人の子供は全員父親が違います。
明くんの父親は羽田空港の職員、京子ちゃんの父親は歌手? ゆきちゃんの父親はタクシーの運転手、
そしてパチンコ店の店員の男(京橋)は多分茂くんの父親でしょうか。
「ゆきちゃんは俺の子じゃないからな。俺は(お前の)母ちゃんとヤル時、毎回コンドームつけてたんだからよ」
・・・なんて小学生の明くんに向かって言っちゃダメです。それを笑顔で受け流し、たった5000円に対して
「これ、ありがとう」と愛想良く振る舞う明くんには、こっちが頭が下がりますよ、本当に。
・けい子は本当にダメな母親、元凶ではあるのですが、元気で明るくて、子供達はそんなお母さんが大好きです。
にも関わらず、また性懲りも無く新しい男に入れ込み、4人の子供を見捨ててしまい、帰ってきません。ひどいです。
・子供達は母親から、ベランダに出るな、と言われていましたが、実際にはベランダに出るシーンが多くて
ヒヤヒヤしました。それに茂くんは遊ぶ時に、けっこう大きな声を張り上げていましたが、
見てる方は「ちょっ、茂くん静かに!」ってツッコミたくなりました。
・長女の京子ちゃんは洗濯や家の掃除をよくする良い子です。母親からもらったものは何でも大切に保管するので、
劇中では、去年のお年玉の袋と今年のお年玉の袋では「京子」の筆跡が全くの別人だと気付いてしまいます。
このせいで京子ちゃんはかなりの精神的ショックを受け、それ以降、4人の住むアパートはまるでゴミ屋敷のようになります。
京子ちゃんの貢献がいかに大きかったかが分かります。
わずか4000円のお年玉を「ピアノを買う為に貯金する」と言って全く手をつけないような良い子です。
・中学生の水口紗希ちゃんへの苛烈ないじめ→上履きに「天国の水口紗希chanへ」「安らかに眠ってください」+花束+線香。
その後どうなったのか不明ですが、制服のまま学校に行かず公園で時間を潰していたので不登校でしょうか?
彼女もどこか怪しげな雰囲気と魅力がいっぱいでした。まさか羽田空港の近くで明くんと一緒に穴を掘るハメになるとは・・・・。
紗希ちゃんが橋の上から川にドボン、ドボン、と捨てていたモノはいったい何だったのか気になります。
それと、福島兄弟姉妹の中で最初に紗希ちゃんに話しかけたのは茂くんだったのですね。
「僕も学校行ってないんだ・・・」は良いシーンだと思いました。
・明くんが警察や福祉事務所に相談しない、助けを求めない理由は2つあって、ひとつは「そんな事したら4人で一緒に暮らせなくなるから」で
もうひとつは「前にもそういう事があって、すごく大変だったから」でした。
しかし、母親に完全に見捨てられた状況では、どうがんばっても生活を維持できないですよね。電気・ガス・水道まで止められて
アパートの家賃もきっとまずい事になっているでしょうね。大家さんが「家賃の事でちょっと・・・」と来た時はドキっとしました。
・ラストシーンで「え!ここで終わりなの?」っとなりました。いやいや、むしろここから先が本番だろ、という所で終わりです。
なのでそこはみなさん、がんばって脳内補完してください。
・ちなみに現実では、子供は5人いて、2人が死亡。母親は保護責任者遺棄致死の罪で逮捕・起訴されたものの、執行猶予がつき、
生き残った3人のうち長女と次女は引き取ったようですが、長男は現在も消息不明だそうです
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