山梨先生による待望の最新刊。認知文法の枠組みの概説書としても、それによる言語分析の研究書としても一読に値する。ラネカーなどの原著に当たる前に一度本書に目を通しておくだけでも随分理解が変わってくるはず。
読者レベルであるが、生成文法と認知言語学のアプローチの違いをしっかりと理解している学生、すなわち大学院生以上が目安だろうか。書き口はソリッドで思考力を要求してくる。
特筆すべきは、ナイダ、パイク、ブルームフィールド、サピアといった構造言語学者、イェスペルセン、オニオンズら記述文法学者らの文献をも踏まえた形で、認知言語学のパラダイムの再規定を試みている点であろう。やはりラネカーやレイコフなどの認知言語学の文献ばかり読んでいては研究者としての地力はつかないことを身を持って感じることができる。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
