という文句を聞いたことがあるが、この本に登場するのは「死にたくなるような試練」を潜り抜けてきて、自らをダイヤモンドのような輝かせた女性たちである。
総勢21名の有名、無名の女性が登場するが、個人的には俳人の恩田侑布子さんのパートがよかった。文学をやる人って、理屈っぽくて面倒くさそうだなと思いながら読んでいたが、自殺を思いとどまり、難病を手なずけながら俳句を作り続けるうち、「唯識」に出会うくだりには共感できた。シンクロの田中京さんも登場する。やはり自殺を思いとどまる場面があるが、お腹がグーッと鳴ったのでやめたという記述にはっとした。『もしドラ』を書いた岩崎夏海さんも、まったく同じことを(どこかで)言っていたからだ。理屈ではなく、身体反応によって「自分は本当は死にたくないんだ」と気づかされる。とてもリアリティーのあるエピソードだと思った。そうした、リアルを引き出す吉永みち子さんは、やはり優れたインタビュアーなのだろう。
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