この30年間、日本は、何一つ良いことがなかった。
GDPは、ほぼゼロ成長。
労働者一人当たりの生産性はG7で最低になった。
ストレスフルな環境で働き、労働者間の連帯もなくなり、
日々リストラに怯え、過ごすようになった。
世帯収入は、2割減り、子供の貧困も急速に増えた。
現在、労働者人口は、1年で80万人減っている。
これが、半世紀以上続くことが、確実にわかっている。
移民を当てにして、労働力不足を補えば大丈夫、労働生産性をアメリア並みにすれば、
大丈夫など、根拠がないまま、それが空体語(小室直樹氏の友人の山本七平の用語)として、
現在の日本に”空気”として、漂っている。
大学生は、どんどんバカになり、そして、貧しくなり、
現在、一日の勉強時間は平均20分、バイト時間は増え、疲労困憊、
半分の学生は、1ヶ月の読書量はゼロになっている。
20年前は簡単な算数が出来なくなったが、現在では、
教科書も読めなくなっている。
有名大学生が、平気で集団レイプを起こすにいたっている。
その理由が、「ノリで=空気」である。
こういった今の現状を、数十年前に的確に予言した人物がいた、
それが小室直樹氏だ。自身の学問的成果を、日本社会の分析に当て、
今の現状が、起こることを予言した。
また、その原因を、わかりやすい言葉で、読者に投げかけた。
この著書は、小室直樹氏の全ての学問的成果及び彼の思想がコンパクトにまとめられている。
そして、彼が歩んだ激烈な人生と、彼を支え、また翻弄された人達の、
愛と憎しみの書です。
この本を読めば、今の日本が、なぜ「こうなってしまった」のか、
よく理解することができます。そして、このような天才を活用できなかった学術世界に、
絶望するでしょう。
日本社会は、ある角度から見ると、減点主義が徹底している社会です。
多くの日本人は、満点の100点から始まりますが、
コミュニケーション能力、性格、
容姿、そして「場の空気を読む能力」等を基準にして、
日本社会の独特の価値感で、その人の価値・能力を判断されます。
周囲が「これはないな」と判断したら、容赦なく減点されます。
幼稚園、小学校、中学校、高校に進むにつれ、判断基準もシビアになります。
60点は一種の比喩ですが、そういう「基準」があることは事実だと思います。
基準以下と判断された人は、日本社会では、本当に生きにくいと思います。
この代表格が、小室直樹氏だったと思います。
よって、氏の人生を知ることが、今の生きにくい日本社会で生きる全ての
日本人の生きるヒントになるでしょう。
この著者、村上氏に感謝します。
これほどの評伝を書くのに、一体どれぐらいの時間をかけたんだろうと、
思いました。小室直樹氏の全著作、全論文、手に入るメディア―媒体を、
すべて読んだのだろう。また、小室直樹氏を支え、その弟子達にインタビューを
して、まとめ上げた、この著者は、超一級の評伝になっている。
この著作を超える小室直樹氏の評伝は出ないだろう。
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評伝 小室直樹(上):学問と酒と猫を愛した過激な天才 単行本 – 2018/9/18
村上篤直
(著)
購入を強化する
橋爪大三郎編著『小室直樹の世界』から5年。もう一つの日本戦後史がここにある!
「小室直樹博士著作目録/略年譜」の筆者・村上篤直が、関係者の証言を元に、学問と酒と猫をこよなく愛した過激な天才の生涯に迫る。
会津士魂に生きた日本伏龍・小室直樹。上巻は征夷大将軍に憧れた柳津国民学校時代を皮切りに、サムエルソン成敗の誓い、社会科学の方法論的統合を目指した情熱と憂国。
伝説の「小室ゼミ」の誕生から拡大までを描く。
[主な目次]*本情報は2018年7月時点のものです
はしがき
第一章 柳津国民学校 ―― 征夷大将軍になりたい
第二章 会津中学校 ―― 敗戦、ケンカ三昧の日々
第三章 会津高校 ―― 俺はノーベル賞をとる
第四章 京都大学 ―― 燃える“ファシスト"小室と“反戦・平和"弁論部
第五章 軍事科学研究会と平泉学派 ―― 烈々たる憂国の真情
第六章 大阪大学大学院経済学研究科 ―― 日本伏龍 小室直樹
第七章 米国留学、栄光と挫折 ―― サムエルソンを成敗する!
第八章 東京大学大学院法学政治学研究科――社会科学の方法論的統合をめざして
第九章 田無寮 ―― 学問と酒と猫と
第一〇章 社会指標の研究 ―― 福祉水準をどう測定するか
第一一章 小室ゼミの誕生と発展 ―― 君は頭がいいなぁ、素晴らしい!
第一二章 一般評論へ ―― 日本一の頭脳、四四歳、独身、六畳一間暮らし
第一三章 小室ゼミの拡大 ―― 橋爪大三郎の奮闘
第一四章 瀕死の小室 ―― すべては良い論文を書くために
第一五章 出生の謎 ―― 父はマルクス、母はフロイト
注
あとがき 小室直樹試論 ―― なぜ小室直樹はソ連崩壊を預言できたか
小室直樹著作目録
人名・事項・猫名索引
「小室直樹博士著作目録/略年譜」の筆者・村上篤直が、関係者の証言を元に、学問と酒と猫をこよなく愛した過激な天才の生涯に迫る。
会津士魂に生きた日本伏龍・小室直樹。上巻は征夷大将軍に憧れた柳津国民学校時代を皮切りに、サムエルソン成敗の誓い、社会科学の方法論的統合を目指した情熱と憂国。
伝説の「小室ゼミ」の誕生から拡大までを描く。
[主な目次]*本情報は2018年7月時点のものです
はしがき
第一章 柳津国民学校 ―― 征夷大将軍になりたい
第二章 会津中学校 ―― 敗戦、ケンカ三昧の日々
第三章 会津高校 ―― 俺はノーベル賞をとる
第四章 京都大学 ―― 燃える“ファシスト"小室と“反戦・平和"弁論部
第五章 軍事科学研究会と平泉学派 ―― 烈々たる憂国の真情
第六章 大阪大学大学院経済学研究科 ―― 日本伏龍 小室直樹
第七章 米国留学、栄光と挫折 ―― サムエルソンを成敗する!
第八章 東京大学大学院法学政治学研究科――社会科学の方法論的統合をめざして
第九章 田無寮 ―― 学問と酒と猫と
第一〇章 社会指標の研究 ―― 福祉水準をどう測定するか
第一一章 小室ゼミの誕生と発展 ―― 君は頭がいいなぁ、素晴らしい!
第一二章 一般評論へ ―― 日本一の頭脳、四四歳、独身、六畳一間暮らし
第一三章 小室ゼミの拡大 ―― 橋爪大三郎の奮闘
第一四章 瀕死の小室 ―― すべては良い論文を書くために
第一五章 出生の謎 ―― 父はマルクス、母はフロイト
注
あとがき 小室直樹試論 ―― なぜ小室直樹はソ連崩壊を預言できたか
小室直樹著作目録
人名・事項・猫名索引
- 本の長さ768ページ
- 言語日本語
- 出版社ミネルヴァ書房
- 発売日2018/9/18
- ISBN-104623083845
- ISBN-13978-4623083848
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|---|---|---|---|
| 猫と東大。猫を愛し、猫に学ぶ | 小室直樹の世界 社会科学の復興をめざして | 評伝 小室直樹(下) 現実はやがて私に追いつくであろう | |
| 猫も杓子も東大も。 大学は大学らしく猫の世界を掘り下げます。 東京大学広報誌『淡青』の大好評特集がパワーアップして書籍化。獣医学、ロボット工学、歴史学、文学…猫と学問を愛する東大教授陣が贈る「猫と研究」の最前線。 世はまぎれもない猫ブーム。一方で、ハチ公との結びつきが深い東大ですが、学内を見回してみると、実は猫との縁もたくさんあります。 そこで、猫に関する研究・教育、猫を愛する構成員、猫にまつわる学内の美術品まで取り揃えて紹介します。 | 多くの人々に惜しまれつつ、2010年9月に亡くなった社会科学者・小室直樹博士。政治学者、社会学者として、学際的な活躍をされた博士の業績を、小室博士の教えを受けた社会学者らが振りかえる。 第Ⅰ部は、学者小室直樹の実像をまとめながら、著作からその業績を振り返る。第Ⅱ部は、2011年3月6日に東京工業大学で行なわれた、小室直樹博士記念シンポジウムを完全採録。第Ⅲ部は、小室博士の仕事をめぐる対談。宮台真司氏、副島隆彦氏、大澤真幸氏を橋爪大三郎氏がインタヴューする。 | 橋爪大三郎編著『小室直樹の世界』から5年。もう一つの日本戦後史がここにある!「小室直樹博士著作目録/略年譜」の著者・村上篤直が、関係者の証言を元に、学問と酒と猫をこよなく愛した過激な天才の生涯に迫る。 「検事を殺せ!」。ロッキード裁判に憤る小室直樹。なぜ彼だけが『ソビエト帝国の崩壊』を予言できたのか。ベストセラー時代と編集者たちの闘い。祖先、結婚、訣別、死。下巻が明らかにする、知られざる人生の全貌。 |
商品の説明
著者について
[著者]※本情報は2018年7月時点のものです
村上篤直
昭和四七(一九七二)年、愛媛県生まれ。平成三(一九九一)年、愛光学園高等部卒業。
平成四(一九九二)年、東京大学教養学部理科II類中退。平成九(一九九七)年、東京大学法学部卒業。
平成一一(一九九九)年、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程中退。弁護士(新六四期)。
橋爪大三郎編著『小室直樹の世界』(ミネルヴァ書房、平成二五(二〇一三)年)にて「小室直樹博士著作目録/略年譜」を執筆。
村上篤直
昭和四七(一九七二)年、愛媛県生まれ。平成三(一九九一)年、愛光学園高等部卒業。
平成四(一九九二)年、東京大学教養学部理科II類中退。平成九(一九九七)年、東京大学法学部卒業。
平成一一(一九九九)年、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程中退。弁護士(新六四期)。
橋爪大三郎編著『小室直樹の世界』(ミネルヴァ書房、平成二五(二〇一三)年)にて「小室直樹博士著作目録/略年譜」を執筆。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村上/篤直
昭和47(1972)年、愛媛県生まれ。平成3(1991)年、愛光学園高等部卒業。平成4(1992)年、東京大学教養学部理科2類中退。平成9(1997)年、東京大学法学部卒業。平成11(1999)年、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程中退。弁護士(新六四期)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
昭和47(1972)年、愛媛県生まれ。平成3(1991)年、愛光学園高等部卒業。平成4(1992)年、東京大学教養学部理科2類中退。平成9(1997)年、東京大学法学部卒業。平成11(1999)年、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程中退。弁護士(新六四期)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ベスト500レビュアー
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24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年11月11日に日本でレビュー済み
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小室直樹は凄い。そして、この自伝はその小室の魅力を存分に伝えている。著者は小室には会ったことがないらしい。それでもここまでの評伝をまとめたことは大変な努力と苦労があったと容易に推察される。それでも、著者はこの評伝を書くことを終始楽しんでいたのではないか。最初から最後まで、しっかりと味読させて頂いた。この読書体験に感謝申し上げたい。
もともと、私は橋爪編『小室直樹の世界』から小室の著作に触れ始めた。ひとことでは言い表せない魅力が小室にも、小室に影響された周りの人々にもある。この本はまれに見る傑作である。ぜひおすすめしたい。
もともと、私は橋爪編『小室直樹の世界』から小室の著作に触れ始めた。ひとことでは言い表せない魅力が小室にも、小室に影響された周りの人々にもある。この本はまれに見る傑作である。ぜひおすすめしたい。
2018年11月23日に日本でレビュー済み
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小室ゼミと言語研に参加しておられた本書にも少なくとも三か所に氏名の記載のある恩師から「この本は当時の東大社会学の熱気が伝わりますよ。」とのメールが来た。ヒラのサラーマンには少し高いなあと思いながら「上巻だけAmazonで注文しました。」と返信したら「君も(橋爪大三郎・志田基与師・恒松直幸)『危機に立つ構造-機能理論』(以下、「84年論文」と呼ぶ。)の成立契機について知りたいなら下巻も読んだほうがいいよ。」との返信。冬のボーナスに期待して下巻も購入💦一気に読めた。日本社会学会の学会誌『社会学評論』で「84年論文」を読んだ時の興奮が思い出された。この論文への富永先生、吉田先生、小室先生の反応が興味深い。(私が聞いていたのとは少し違っていたが、、、。)ディオゲネス、エピクロス、ゼノンは文字化する継承者に恵まれなかった。ソクラテスはプラトンという文字化したいい継承者に恵まれた。小室先生もいい継承者に恵まれたなあと思う。そうそう、数理社会学会誕生時には橋爪大三郎先生や今田高俊先生や盛山和夫先生、志田基与師先生など、小室ゼミの主要メンバーが多く参加されておられることを知った。のちに、宮台真司先生や大澤真幸先生も。「評伝」というジャンルは学問を立体視させてくれる。とりわけ上巻p570,下巻p.206と注pp644-7.は「84年論文」に新しい示唆を与えていただき、勉強になった。本書の著者も小室年表を執筆された橋爪大三郎編『小室直樹の世界』も併せて読まれることをお勧めします。
2018年11月5日に日本でレビュー済み
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小室博士の評伝が出版されたことについては、とにかく、うれしい。今の自分の考え及び知識の中枢は小室氏の著作に負ううところが多く、その思考、特に論理的に歴史の流れの中から物事を捉える姿勢について多くを学ばせていただきました。今までタブーと思われてたことまでズバッと切り込む、その内容の斬新さ、その鋭さ、そして、そこから誰もが思いもよらない結論を導き出す、その論考の進め方には多くの読者が魅了された。この著者、村上さんもその一人で、この方は発刊された著作だけではあきたらず博士の院生時代の論文まで読みたいが為、わざわざ東大理系から東大法学部に入り直された方です。小室ファンと言われる方は、こんな具合にとことん惚れ込む方が多い、山本七平氏、立川談志師匠も小室さんが大好きでした、何故なんだろう?人って天才に憧れます、でも同時代で実際に触れられるチャンスってのは中々にありません。でも、氏については同時代で我々が接することができた稀有な存在でした。でも晩年は早くに老け込まれたのが残念でなりません、が、でもそれも天才であるが故なのかもしれませんね。あの人類史上最高の頭脳と言われたジョン・フォン・ノイマンも晩年は脳腫瘍により簡単な暗算もできなくなったそうです。でも我々には氏の残した数多くの著作があります、最近では絶版になった本もぞくぞくと復刻されてます。だから判る人にはわかっているのですね。本書はまだ上巻ですが小室博士命である村上氏の思いがひしひしと伝わってくる良書です。引き続き下巻、読み進めます。
2021年4月7日に日本でレビュー済み
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「評伝 小室直樹」の上巻は、大学という専門分野が連なった組織に適合することなく、直接一流の先生からあらゆる分野を横断的に学ぶ小室さんの姿勢を知ることができます。独特な生活習慣や少年のような性格は小室さんの学問功績のスパイスのようなもので、読んでいて笑えてきます。
下巻ではカッパブックスからのベストセラーで生活が一変した様子が描かれていますが、私には井筒俊彦さんと同じような共通の法則を感じずにはいられません。つまり、学問を究め、独自の視点から横断的に学問体系を構築・創造しようとすると、以下のプロセスを避けて通ることができない。
① 社会などの複雑な対象に法則性を求める
② 複数の専門分野を追求する必要がある
③ 大学などの職を得る研究機関は専門分野の縦割りの蛸壺である
④ ①②であるが故に③には収まらない
⑤ 社会に直接リーチできる手段(書籍や講演)などで①②を表現するしかない
⑥ 本が売れれば飯が食え、後世に残る業績となり、弟子がさらに盛り上げることにつながる
⑦ 絶版本の中古の値段が高騰し、別の出版社が再販を試み、残された家族も助かる
研究者の世界ではありませんが、日本が世界に誇るトヨタ自動車とロケット研究も同じように専門分野の横断性が必要なことは意外と知られていません。
自動車もロケットも要素技術をたくさん必要とします。
専門家の蛸壺組織がたくさんあって、その蛸壺組織を横断的に束ねる役割をトヨタ自動車は「主査」、ロケット研究は「プロフェッショナル・マネジャー」と呼んでいます。それらの「焼き鳥の串」の役割がない限り、「カローラ」も「はやぶさ」も生まれてこなかったのです。ただし、学者の世界と違い個人がすべてを学ぶ必要がないので、組織の役割別に給与はもらえる、という大きな相違点はあります(参考ブログ:主査制度とアドホックチームの違いを知る人はほとんどいない )
東洋哲学を「統合」した井筒俊彦さん、社会科学を「統合」した小室直樹さん、自動車の要素技術を「統合」した長谷川龍雄さん、科学とロケットの要素技術を「統合」した糸川英夫さん、時間と空間を「統合」したアインシュタイン、私にはそれぞれ学問領域や性格は違いますが、同じに見えてしまいます。
話を「評伝 小室直樹」に戻します。
この本で、私がもっとも印象に残ったのは橋爪大三郎さんとの以下のやりとりです。
橋爪「先ほど、予定調和説(Predestination)と因果律(causality)というのは、非常に大局的だ、というお話があった。・・・しかし、考えてみると、予定調和説というのは絶対者としての神がいて、世界の計画を立てて、まったく因果的な秩序の外側から制御目的を与える。そういうふうに神学的に考えるので予定調和説という考え方になる。また、絶対者としての神がいなくて、因果というか法というか、そういうものが初めから世界にあるのだ、と考えれば、因果論となる。
これ、違うことはわかるのだが、その作動の実体としてみたら、同じく世界、宇宙の法則なのでありまして、同じなのではないか。ですから、現象からの説明的な体系を構成していく場合には、別々な立て方ではないのではないかという可能性があるのですが、いかがでしょうか。」
小室「まず、私の答えの第一番目。目的論的システムのサブ・システム、ないし、目的論プロセスのサブ・プロセスが、因果論的システム、因果論的プロセスであることは、充分にありうる。刑法を例に語る・・・それから第二番目の答え、因果論であるか、目的論的であるかは、説明の便宜のために実体的にいったけど、方法論的にいったら、どっちでもいいんだ。心理学を例に語る・・・。それから三番目。仮設構成体としての神について語る・・・。そして純粋論理的には仮説構成体を勝手に作っていい。科学者の立場からすると、仮説構造体はなるべく測定可能、実際に測定できて、外部的(overt)、外側にあって、誰でもみられるのがよい。経済学を例に語る・・・。心理学を例に語る、物理学を例に語る、そして統計学を例に語る・・・。」
橋爪「仮説構成体について、心理学、物理学においては明確な根拠をもっていて、経済学はあやふやで、構造機能分析については問題が残っているというお話しでした。敷衍して、言語学を例に語る・・・」
小室「ですから、仮説構造体を勝手につくるってことは、方法論的にいうと非常に微妙。作らない方がいいとも思えるし、やっぱり作らないといけないとも思うし。結局、小室は橋爪の質問には、たとえで回答し、正面から答えないのであった。」
私が橋爪さんと小室さんのこのやりとりが気になったのは、小室さんの「キリスト教は予定説、仏教は因果律、イスラームは現世と来世の因果律で、ユダヤ教のヨブ記にキリスト教の予定説の萌芽はあったが、ユダヤ教では開花しなかった」という論説があまりにも明確でわかりやすいのですが、キリスト教をプロテスタント主体で考えた場合、という前提が必要なのではないか、と長い間思っていたからです。
もちろん、パウロのキリスト教は予定説に近いですし、ユダヤ教のエルサレムにある総本山のシナゴークとジュネーブにあるカルヴァン教会の飾らないたたずまいは、それが予定説につながりやすい、と感覚的に感じてはいますが、14ステーションを教会に飾るカトリック教会の流れもキリスト教であり、遠藤周作の人に寄り添うイエスという考え方(参考ブログ:八幡宮の初詣とヨブ記、そして映画「沈黙 -サイレンス-」)も同じようにキリスト教なので、それを「キリスト教=予定説」と断定することに単純に違和感を感じていたからです(私の頭が整理できていないから)。
私は、この橋爪さんと小室さんとのやり取りを読むだけでも本書は一読の価値があると思います。
また、この本を作り上げた村上篤直さんには、井筒俊彦さんのドキュメンタリー映画を作り上げたマスウード・ターヘリーさんと同じような、主人公に対する深い愛情が滲み出ていて、心地よい読後感を与えてくれる秋の読書になり、感謝しています。
猫好きの小室直樹さんの評伝なので【猫名索引】もありますよ(笑)
下巻ではカッパブックスからのベストセラーで生活が一変した様子が描かれていますが、私には井筒俊彦さんと同じような共通の法則を感じずにはいられません。つまり、学問を究め、独自の視点から横断的に学問体系を構築・創造しようとすると、以下のプロセスを避けて通ることができない。
① 社会などの複雑な対象に法則性を求める
② 複数の専門分野を追求する必要がある
③ 大学などの職を得る研究機関は専門分野の縦割りの蛸壺である
④ ①②であるが故に③には収まらない
⑤ 社会に直接リーチできる手段(書籍や講演)などで①②を表現するしかない
⑥ 本が売れれば飯が食え、後世に残る業績となり、弟子がさらに盛り上げることにつながる
⑦ 絶版本の中古の値段が高騰し、別の出版社が再販を試み、残された家族も助かる
研究者の世界ではありませんが、日本が世界に誇るトヨタ自動車とロケット研究も同じように専門分野の横断性が必要なことは意外と知られていません。
自動車もロケットも要素技術をたくさん必要とします。
専門家の蛸壺組織がたくさんあって、その蛸壺組織を横断的に束ねる役割をトヨタ自動車は「主査」、ロケット研究は「プロフェッショナル・マネジャー」と呼んでいます。それらの「焼き鳥の串」の役割がない限り、「カローラ」も「はやぶさ」も生まれてこなかったのです。ただし、学者の世界と違い個人がすべてを学ぶ必要がないので、組織の役割別に給与はもらえる、という大きな相違点はあります(参考ブログ:主査制度とアドホックチームの違いを知る人はほとんどいない )
東洋哲学を「統合」した井筒俊彦さん、社会科学を「統合」した小室直樹さん、自動車の要素技術を「統合」した長谷川龍雄さん、科学とロケットの要素技術を「統合」した糸川英夫さん、時間と空間を「統合」したアインシュタイン、私にはそれぞれ学問領域や性格は違いますが、同じに見えてしまいます。
話を「評伝 小室直樹」に戻します。
この本で、私がもっとも印象に残ったのは橋爪大三郎さんとの以下のやりとりです。
橋爪「先ほど、予定調和説(Predestination)と因果律(causality)というのは、非常に大局的だ、というお話があった。・・・しかし、考えてみると、予定調和説というのは絶対者としての神がいて、世界の計画を立てて、まったく因果的な秩序の外側から制御目的を与える。そういうふうに神学的に考えるので予定調和説という考え方になる。また、絶対者としての神がいなくて、因果というか法というか、そういうものが初めから世界にあるのだ、と考えれば、因果論となる。
これ、違うことはわかるのだが、その作動の実体としてみたら、同じく世界、宇宙の法則なのでありまして、同じなのではないか。ですから、現象からの説明的な体系を構成していく場合には、別々な立て方ではないのではないかという可能性があるのですが、いかがでしょうか。」
小室「まず、私の答えの第一番目。目的論的システムのサブ・システム、ないし、目的論プロセスのサブ・プロセスが、因果論的システム、因果論的プロセスであることは、充分にありうる。刑法を例に語る・・・それから第二番目の答え、因果論であるか、目的論的であるかは、説明の便宜のために実体的にいったけど、方法論的にいったら、どっちでもいいんだ。心理学を例に語る・・・。それから三番目。仮設構成体としての神について語る・・・。そして純粋論理的には仮説構成体を勝手に作っていい。科学者の立場からすると、仮説構造体はなるべく測定可能、実際に測定できて、外部的(overt)、外側にあって、誰でもみられるのがよい。経済学を例に語る・・・。心理学を例に語る、物理学を例に語る、そして統計学を例に語る・・・。」
橋爪「仮説構成体について、心理学、物理学においては明確な根拠をもっていて、経済学はあやふやで、構造機能分析については問題が残っているというお話しでした。敷衍して、言語学を例に語る・・・」
小室「ですから、仮説構造体を勝手につくるってことは、方法論的にいうと非常に微妙。作らない方がいいとも思えるし、やっぱり作らないといけないとも思うし。結局、小室は橋爪の質問には、たとえで回答し、正面から答えないのであった。」
私が橋爪さんと小室さんのこのやりとりが気になったのは、小室さんの「キリスト教は予定説、仏教は因果律、イスラームは現世と来世の因果律で、ユダヤ教のヨブ記にキリスト教の予定説の萌芽はあったが、ユダヤ教では開花しなかった」という論説があまりにも明確でわかりやすいのですが、キリスト教をプロテスタント主体で考えた場合、という前提が必要なのではないか、と長い間思っていたからです。
もちろん、パウロのキリスト教は予定説に近いですし、ユダヤ教のエルサレムにある総本山のシナゴークとジュネーブにあるカルヴァン教会の飾らないたたずまいは、それが予定説につながりやすい、と感覚的に感じてはいますが、14ステーションを教会に飾るカトリック教会の流れもキリスト教であり、遠藤周作の人に寄り添うイエスという考え方(参考ブログ:八幡宮の初詣とヨブ記、そして映画「沈黙 -サイレンス-」)も同じようにキリスト教なので、それを「キリスト教=予定説」と断定することに単純に違和感を感じていたからです(私の頭が整理できていないから)。
私は、この橋爪さんと小室さんとのやり取りを読むだけでも本書は一読の価値があると思います。
また、この本を作り上げた村上篤直さんには、井筒俊彦さんのドキュメンタリー映画を作り上げたマスウード・ターヘリーさんと同じような、主人公に対する深い愛情が滲み出ていて、心地よい読後感を与えてくれる秋の読書になり、感謝しています。
猫好きの小室直樹さんの評伝なので【猫名索引】もありますよ(笑)






