本書は、認知言語学をその理論的枠組みに取り、言語習得について
まとめたものが骨子となっている。
第1〜4章においては、LangackerやTomaselloらによる用法基盤モデル
の概念を中心に、認知言語学による言語習得概念と、他の言語理論(主
として生成文法)との違いを鮮明にえがきながら論を進めている。
また、Goldbergによる構文文法の概念を取り入れ、構文に積極的な意義を
認めた主張となっている。
第5章では、言語進化についての認知言語学的な展望をまとめている。
身体性や経験基盤に大きな意義を見出し、生成文法等と対比させながら
認知言語学のアプローチは、進化理論的な考え方と非常に高い親和性を
持っていることを論じている。
ふれられている文献も多岐に渡り、内容も緻密に整理された意欲作で
ある。第一言語(母語)習得理論を知るための大いなる手助けとなる。
今後は、認知言語学の枠組みで、第二言語や外国語の習得理論も出て
くることを望みたい。
言語習得と用法基盤モデル 認知言語習得論のアプローチ (講座 認知言語学のフロンティア) (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2009/6/24
-
本の長さ192ページ
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言語日本語
-
出版社研究社
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発売日2009/6/24
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ISBN-10432723706X
-
ISBN-13978-4327237066
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
本巻では、認知言語学の研究パラダイムを背景にした言語習得の研究を、用法基盤モデルの観点から解説する。特に、構文の習得過程に焦点をおき、一語発話、二語発話、ゲシュタルト構文、動詞島現象、スキーマ化のプロセス、構文交替現象、構文の拡張と創造的言語使用など、言語習得にかかわる主要テーマを取り上げ、これらの言語習得の問題を体系的に解説する。これまでの生成文法中心の言語習得観とは異なった、新たな方向を探求していく。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山梨/正明
1948年、静岡県生まれ。1975年ミシガン大学大学院博士課程修了。Ph.D.(言語学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科(言語科学講座)教授
児玉/一宏
1964年、大阪府生まれ。2000年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。Ph.D.。現在、京都教育大学教育学部准教授
野澤/元
1973年、兵庫県生まれ。2005年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。Ph.D.。現在、京都教育大学、京都外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1948年、静岡県生まれ。1975年ミシガン大学大学院博士課程修了。Ph.D.(言語学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科(言語科学講座)教授
児玉/一宏
1964年、大阪府生まれ。2000年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。Ph.D.。現在、京都教育大学教育学部准教授
野澤/元
1973年、兵庫県生まれ。2005年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。Ph.D.。現在、京都教育大学、京都外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 研究社 (2009/6/24)
- 発売日 : 2009/6/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 192ページ
- ISBN-10 : 432723706X
- ISBN-13 : 978-4327237066
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 608,030位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 508位言語学 (本)
- カスタマーレビュー:
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ベスト500レビュアー
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役に立った
2009年8月14日に日本でレビュー済み
R. LangackerやTomaselloなどで論じられている、用法基盤モデルをもとにした言語習得のモデル化を考察した、意欲作。1〜4章は、特に用法基盤モデルの中でどのように言語習得が行われるかを、構文文法の知見も取り入れながら論じている。生成文法に見られるトップダウン的な言語習得モデルを正確に把握した上で、それに依らずとも、言語習得が可能であることを実証的に示している。
イメージスキーマ形成、Lakoffが提唱する空間認知の優先性などを、言語習得から実証的に示してくれるところにもこの本の魅力はある。
言語学、認知言語学を専攻している人は、意外に言語習得・言語進化のことについての理解が不足しているように思われる。そのような方にぜひおすすめしたい。
また、認知言語学において、周辺領域・関連分野とどのくらいの互換性があるのか、どのようにこれからこのパラダイムが進んでいくのかに興味がある方にはとても刺激的な一冊となるでしょう。
イメージスキーマ形成、Lakoffが提唱する空間認知の優先性などを、言語習得から実証的に示してくれるところにもこの本の魅力はある。
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また、認知言語学において、周辺領域・関連分野とどのくらいの互換性があるのか、どのようにこれからこのパラダイムが進んでいくのかに興味がある方にはとても刺激的な一冊となるでしょう。