本書は、最近、現代思想を取り上げた書物を読んで、そこに第一人者として、ソシュールとが取り上げられていました。
その中で、言語学に興味をひかれ、手軽に読めるものはないか、と探ったところ、本書に辿り着きました。
私が、高校生だったのは、80年代初頭でしたが、ソシュールを学んだ記憶はありません。
大学生になってから、フーコーやラカンなどとともに、現代の哲学に直接的な影響を与えている思想家として、名前を知っている程度でした。
因みに、大学生の頃、浅田彰の「構造と力」が哲学書としては珍しくベストセラーになって、今も、自宅の書棚に並べてあります。
この著書は、ポスト構造主義の詳細な解析ですが、思えば、構造主義の先駆的な存在が、ソシュールだった訳ですよね。
本書は、ソシュール研究の第一人者である著者が、1982年に出版した「フランス語とフランス人気質」に収録されていた二つの論文「言葉と文化」「言葉とは何か」を抜粋して、著者の没後1994年に出版された単行本が原著です。
その後、2001年の改訂版を経て、出版社を変えて、文庫として2008年に出版されたのが本書ということです。
内容は、ソシュールの展開した言語学の理論を中心に、「言葉」という概念が、現代思想でどのように解釈されているかを、平易な説明で解説したものです。
私の印象としては、思っていたよりも読み易い、ということでした。
分量的にも、本文そのものは150ページ程度、後半の解説を含めても、200ページ程度なので、高校生以上の読解力があれば、それほどの日数をかけないでも読破は可能と思われます。
解説のあとには、関連書物として、本書を読んだら次のステップとして、とオススメ本がありますので、本書が気に入ったなら、そちらを読み進めてみるのも良いかと思います。
私も、興味をひかれるものがあれば、読んでみたいと感じています。
本書は、世評どおりの良書として、オススメします。
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