角川春樹が狭いマンションの一室で立ち上げた角川春樹事務所からスタートする、映画業界殴り込みの痛快ドキュメンタリー。
閉鎖的な映画業界に出版社からの新参者として風穴を開け、大ヒットを連発。
映画業界からは大々的な宣伝手法で批判も浴びたが、映画と原作の本格的なメディアミックスは日本初の手法でした。
「読んでから見るか、見てから読むか」は名コピーとして今に残る。
「犬神家の一族」「戦国自衛隊」「人間の証明」「セーラー服と機関銃」「野生の証明」「復活の日」「時をかける少女」・・・。
横溝正史も森村誠一も、薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子、松田優作も角川映画あったればこそ世に出られたスターたちだ。
やがてこの手法も通じなくなり、映画は当たらなくなる。アニメに新天地をもとめ模索する角川春樹。減ってゆく動員数。
この本は角川春樹という一人の天才の栄枯盛衰を多彩な資料をもとに追いかけたドキュメントです。
「あの10年」を青春時代に経験した方は是非読むべし。思い出とともに映画が蘇り、また見たくなりますよ。
春樹氏は後に犯罪を犯し角川グループから追放され、まったく別の会社として角川春樹事務所を再興。いまだ、戦っています。
最後に、この本を「追放した側のKADOKAWA社」が出版しているという男気に感動です。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年 (単行本) 単行本 – 2014/2/21
1976年「犬神家の一族」から始まり、「セーラー服と機関銃」「時をかける少女」など日本映画の傑作を生んだ角川映画初期10年の歴史を発掘! 出版と映画のメディアミックスなど、日本映画を変えた秘密に迫る!
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川マガジンズ
- 発売日2014/2/21
- ISBN-104047319058
- ISBN-13978-4047319059
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
角川映画初期黄金期10年の歴史を発掘!出版と映画のメディアミックスで日本映画のスターシステム、配給システム、広告宣伝手法を一変させ、ミステリ、SF、アイドル映画の大ヒット作品を生み出してきた“角川映画”。いままで誰一人として語ってこなかった衝撃の10年間を書き尽くす!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中川/右介
1960年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。「クラシックジャーナル」編集長。出版社「アルファベータ」代表取締役。クラシック音楽の造詣の深さはもとより、歌舞伎、映画、歌謡曲などにも精通(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1960年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。「クラシックジャーナル」編集長。出版社「アルファベータ」代表取締役。クラシック音楽の造詣の深さはもとより、歌舞伎、映画、歌謡曲などにも精通(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.7
星5つ中の4.7
14 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2014年8月10日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2019年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
角川春樹氏が陣頭指揮をとって映画製作をしていた1976年の『犬神家の一族』から
最初の10年間の作品をカバーしています。
あくまでも角川映画の歴史を描き、作品評論の本ではありません。
製作秘話など大変興味深く、お勧めの一冊です。
角川春樹氏や関係者を持ち上げ過ぎの傾向があるので、マイナス1としました。
最初の10年間の作品をカバーしています。
あくまでも角川映画の歴史を描き、作品評論の本ではありません。
製作秘話など大変興味深く、お勧めの一冊です。
角川春樹氏や関係者を持ち上げ過ぎの傾向があるので、マイナス1としました。
2014年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「序章 1975年」には翌年以降角川映画に関わることになる人々の昭和50年前後の状況が手際よくスケッチされていて、「うん、この人はなかなか頭のいい文章を書くなぁ」と思った。ところが・・・・・
本文が始まると「あれっ」と思った。薬師丸ひろ子はじめ角川3人娘のデビュー時の興味深いエピソードなど面白い部分もあるが、映画自体の中味がどこか薄くて、読む者を引きつける力が弱い。これは、原作、脚本、そして制作の事情を記すのであって個々の作品の批評・分析はしないと筆者も断っているので、言わば当たり前なのだが、それにしても・・・・・
そこで、思い当たるのが、角川映画とこの本の近似。魅惑的なキャッチで惹きつけておいて、いざ観てみると意外と平板なものが多い(という印象の)角川映画。TVスポットCMにひかれて映画館に見に行くと、「割と平凡」「ストーリー崩壊」「ストーリーなし」「これプロモーション・ビデオ?」と感じた人も多いはず。この本自体が角川映画的だと思った。
ただし、角川映画であれなんであれ、そんなに面白く上質なものばかり作れる訳がない。角川映画の中にも名作も駄作をあるということなだけですけどね。
蛇足ですが、1976年から1986年に十代の青春期が重なる人には、あの時代の雰囲気に懐かしく浸れる、素晴らしい本であることも間違いないですよ。
本文が始まると「あれっ」と思った。薬師丸ひろ子はじめ角川3人娘のデビュー時の興味深いエピソードなど面白い部分もあるが、映画自体の中味がどこか薄くて、読む者を引きつける力が弱い。これは、原作、脚本、そして制作の事情を記すのであって個々の作品の批評・分析はしないと筆者も断っているので、言わば当たり前なのだが、それにしても・・・・・
そこで、思い当たるのが、角川映画とこの本の近似。魅惑的なキャッチで惹きつけておいて、いざ観てみると意外と平板なものが多い(という印象の)角川映画。TVスポットCMにひかれて映画館に見に行くと、「割と平凡」「ストーリー崩壊」「ストーリーなし」「これプロモーション・ビデオ?」と感じた人も多いはず。この本自体が角川映画的だと思った。
ただし、角川映画であれなんであれ、そんなに面白く上質なものばかり作れる訳がない。角川映画の中にも名作も駄作をあるということなだけですけどね。
蛇足ですが、1976年から1986年に十代の青春期が重なる人には、あの時代の雰囲気に懐かしく浸れる、素晴らしい本であることも間違いないですよ。
2014年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思うに角川春樹は観客の代弁者だったのかもしれません。
面白い映画を観たいという多くの観客の。
横溝正史の素晴らしさを文学史に刻み込む嚆矢が「犬神家の一族」。
大藪春彦の世界を完全映像化した「蘇える金狼」。
ハリウッドでさえもためらうほどのワールドワイドな「復活の日」。
喜劇映画史に燦然と輝く「蒲田行進曲」。
風太郎忍法帖の最高傑作「魔界転生」。
「こんな映画が観たかった!」
各映画会社間のハードルをひらりと飛び越えた角川映画のきらめきがここにあります。
全巻買い求めたはずの「バラエティ」。家人の不手際で失ってしまったのが痛恨の極み。
面白い映画を観たいという多くの観客の。
横溝正史の素晴らしさを文学史に刻み込む嚆矢が「犬神家の一族」。
大藪春彦の世界を完全映像化した「蘇える金狼」。
ハリウッドでさえもためらうほどのワールドワイドな「復活の日」。
喜劇映画史に燦然と輝く「蒲田行進曲」。
風太郎忍法帖の最高傑作「魔界転生」。
「こんな映画が観たかった!」
各映画会社間のハードルをひらりと飛び越えた角川映画のきらめきがここにあります。
全巻買い求めたはずの「バラエティ」。家人の不手際で失ってしまったのが痛恨の極み。
2014年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
我々の世代にとって凄い本です。全部リアルタイムで見てます。懐かしい!これは、もう、無条件で買いです。データもエピソードも、充実してます。それにしても、薬師丸ひろ子や原田知世や大林宣彦、深作欣二らの、生涯の最高傑作ができた中心に、角川春樹氏が常にいたのですね。その偉業に、あらためて感服しました。ちなみに私も「バラエティ」、ほぼ全巻持ってます(引っ越すときも捨てられない)。
2014年3月8日に日本でレビュー済み
私自身は角川映画の熱心なファンだったわけではないが、
角川三人娘の一人・渡辺典子が好きで、彼女が出る映画は見ていた。
そのレベルの観客だった私でも、一気に読んでしまう傑作だった。
本書を読んで、初めて知ったことも多い。
生まれた年のせいかもしれないが、
角川書店が文庫ブームをしかけたことを初めて知った。
出版社で初めて、映画に本格的に参入し、メディアミックスを成功させたことは知っていた。
しかし、角川の成功を受けて、フジテレビが参入したことは知らなかった。
今、映画界に、テレビ局の存在はとても大きいが、
これは角川書店、正確には角川春樹氏の影響によるものだったのだ。
もちろん、多くの出版社が映画事業に出資しているが、
これも角川春樹氏の流れをくんでいると言ってもよいだろう。
角川春樹氏が逮捕されたとき、奇行の数々も報じられた。
それを否定するつもりも、彼を擁護するつもりもないが、
彼の業績は本当に大きかったのだとよくわかる。
横溝正史や森村誠一をはじめとする作家の再発見、発掘。
角川三人娘や野村宏伸ら俳優の発掘、プロモーション。
実写映画やアニメ映画の製作。
これらを社長自ら率先して行っている。
もちろん、映画などは、思い入れのある作品とそうでない作品とで
かなり力の入れ方には差があったようだが。
一代の、ある種の天才、革命児・角川春樹氏のことがよくわかる本である。
しかし、今のKADOKAWAグループと角川春樹氏が仲がよいわけもなく、
本書は春樹氏には取材できていないことと思う。
誰かがインタビューのうえ、評伝でも書いてほしいものだ。
もちろん、この本でわかることも多いのだが。
しかし、この本は読み物としても十二分に面白いし、
角川映画の時代をきちっとおさえた本だと思う。
資料も充実している。
本文中に写真がたくさん使われているのもよい。
権利処理が大変であることがあとがきに書かれている。
著者や関係者の労に拍手を送りたい。
この本の著者がクラッシック音楽や歌舞伎に詳しい人だとは知っていたが、
映画にも精通していたとは。映画について書ける人として、春日太一氏だけではく、こういう人もいたか。
うれしい発見である。次も映画の本を書いてもらいたいものだ。
角川三人娘の一人・渡辺典子が好きで、彼女が出る映画は見ていた。
そのレベルの観客だった私でも、一気に読んでしまう傑作だった。
本書を読んで、初めて知ったことも多い。
生まれた年のせいかもしれないが、
角川書店が文庫ブームをしかけたことを初めて知った。
出版社で初めて、映画に本格的に参入し、メディアミックスを成功させたことは知っていた。
しかし、角川の成功を受けて、フジテレビが参入したことは知らなかった。
今、映画界に、テレビ局の存在はとても大きいが、
これは角川書店、正確には角川春樹氏の影響によるものだったのだ。
もちろん、多くの出版社が映画事業に出資しているが、
これも角川春樹氏の流れをくんでいると言ってもよいだろう。
角川春樹氏が逮捕されたとき、奇行の数々も報じられた。
それを否定するつもりも、彼を擁護するつもりもないが、
彼の業績は本当に大きかったのだとよくわかる。
横溝正史や森村誠一をはじめとする作家の再発見、発掘。
角川三人娘や野村宏伸ら俳優の発掘、プロモーション。
実写映画やアニメ映画の製作。
これらを社長自ら率先して行っている。
もちろん、映画などは、思い入れのある作品とそうでない作品とで
かなり力の入れ方には差があったようだが。
一代の、ある種の天才、革命児・角川春樹氏のことがよくわかる本である。
しかし、今のKADOKAWAグループと角川春樹氏が仲がよいわけもなく、
本書は春樹氏には取材できていないことと思う。
誰かがインタビューのうえ、評伝でも書いてほしいものだ。
もちろん、この本でわかることも多いのだが。
しかし、この本は読み物としても十二分に面白いし、
角川映画の時代をきちっとおさえた本だと思う。
資料も充実している。
本文中に写真がたくさん使われているのもよい。
権利処理が大変であることがあとがきに書かれている。
著者や関係者の労に拍手を送りたい。
この本の著者がクラッシック音楽や歌舞伎に詳しい人だとは知っていたが、
映画にも精通していたとは。映画について書ける人として、春日太一氏だけではく、こういう人もいたか。
うれしい発見である。次も映画の本を書いてもらいたいものだ。
2014年8月30日に日本でレビュー済み
1970年代後半、日本映画が斜陽期を迎える中、突如として出現して映画界に大旋風を巻き起こした角川映画!
当時としては常識はずれの大量のTVスポット(CM宣伝)や映像・出版・音楽のメディアミックス展開、現在では当たり前とされている事が当時としては異例であり、それまでの映画の慣習にとらわれない角川映画は異端の存在であったが、当時10~20代のヤングジェネレーションにとっては、“角川映画”はまさに彼らにとっての文化の中心であり、洗礼を受けていた事がよくわかる。
本書はまさにその世代にそうした時代を体感した証言者ともいうべき著者・中川右介氏が自身の青春期である10代半ばから社会人となった20代半ばまでの角川映画とともに過ごした10年間の想い出とともに当時の舞台裏を詳細に描いた角川映画初期黄金期である衝撃の10年間(1976-1986)を書き記した内容となっている。
角川映画といえば現在もその称号は残っているもののかつてのイメージとは大きく変わっており(かつては角川書店刊行の小説を原作とした映像作品が主であったが現在はそれにとらわれることなく映像自体が独自の路線を築いている)、角川映画を語るうえで一般には大きく3つに分けられる。
・ 角川グループの総帥であった角川春樹時代『犬神家の一族』『セーラー服と機関銃』
・ 春樹氏が去った後の新生角川映画時代『失楽園』『リング』『新世紀エヴァンゲリヲン』
・ 大映と日本ヘラルド映画を吸収して以降の現在の角川映画(KADOKAWA)『時をかける少女』〈2006〉『沈まぬ太陽』
本書では角川春樹時代のしかも初期黄金期である1976-1986年の10年の活動期に焦点をあてており、その着眼点は理解できる。1986年当時、角川映画の10周年を記念して刊行された『角川映画大全集』(本書の主要参考文献としてカラー頁にも紹介されており、内容も本書と同じ1976-86までの角川映画全作品の紹介や特集が組まれているまさに永久保存版!)がまさに当時の角川映画ならぬ角川“栄華”を象徴しており、この本を所有していた私自身も角川映画を語るには記念すべき第一作『犬神家の一族』が公開された1976年から10周年を迎えた1986年までを“真の「角川映画」であると考えている(本書もそうだが基本的には1986年までの区分を10周年記念作品である『キャバレー』/『彼のオートバイ、彼女の島』までと線引きしているが個人的には角川アニメ『火の鳥 鳳凰編』『時空の旅人』も黄金時代に含みたい。
本書では角川映画誕生となる前夜から『犬神家の一族』から『復活の日』までの大作主義、そして『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』といったアイドル路線を中心としたプログラムピクチャー(2本立て)志向など当時の角川映画の舞台裏を時系列に描いている。
私自身、著者のようなリアルタイムの世代ではないものの80年代に角川映画のTVCMは少なからず印象的であったし、何より角川映画の魅力にはまったのは90年代以降だった。当時たまたまVHSで録画していた『 野性の証明 』を何も知らずに何気に見ていたが冒頭の特殊工作部隊の訓練シーンやテロリストを撃退する場面、OPの山岳行動訓練の凄惨な場面も凄かったがクライマックスの戦車やヘリを大量に投入した物凄いスケール感に度肝を抜かれました(当時は分からなかったが後にあの場面を撮るために5億円を投入して米軍の撮影協力を得てアメリカでの一大ロケーションを敢行!)。そこから角川映画の魅力にとりつかれて当時発足したばかりのレンタルビデオ店へ行ってこの初期黄金時代の作品を借りて見ていました。
・ 後に『エヴァンゲリヲン』にも影響を与えた黒画面に白文字の明朝体のロジックと名曲「愛のバラード」のOP、そして佐清(スケキヨ)のゴムマスクや湖上での逆さ足が一際印象に残った『 犬神家の一族 』
・ 東京-ニューヨークを結ぶ母子の壮大な物語もそうだが個人的には『ブリット』『フレンチコネクション』ばりのカーチェイス(岩城滉一氏が運転していたムスタングは当時の憧れのアメ車だった)が凄かった『 人間の証明 』
・ 自衛隊の協力が得られなかった事から自前で戦車を作り、ヘリを調達して川中島の戦いに戦車とヘリを投入する自衛隊員VS武田信玄率いる二万の軍勢の戦いが見ものだった『 戦国自衛隊 』
・ 映画史上初の南極ロケを敢行し、オリビア・ハッセーを始めとするハリウッドスターを総出演させ、氷海から潜水艦が浮かび上がるシーンや潜水艦同士の戦闘シーン、ホワイトハウスや大統領が登場するなど全ての面においてスケールを圧倒していた『 復活の日 』
そしてもうひとつの特徴であるアイドル路線の角川映画
・ 長回しや「カ・イ・カ・ン…」の名台詞など初々しくも一本気な女子高生がヤクザの組長となって奮闘する空前の大ヒットとなった薬師丸ひろ子主演『 セーラー服と機関銃 』
・ 透き通った神秘性の漂う少女・原田知世の瑞々しさが印象に残る尾道を舞台にしたSFジュブナイル『 時をかける少女 』
・ 真田広之の相手役に選ばれ、異なる三役を見事に演じて見せて後に数多く角川映画の主題歌を歌うこととなった渡辺典子のデビュー作『 伊賀忍法帖 』
さらに角川映画はアニメに関しても、初のアニメ作品となる『 幻魔大戦 』では後に『AKIRA』で世界中のクリエイターに影響を与える漫画家・大友克洋がキャラクターデザインを担当したり、絵物語作家・山川惣司を復活させた『少年ケニヤ』(当時『風の谷のナウシカ』と公開時期が同じで歌番組でよく安田成美と渡辺典子が主題歌を歌っていたのが印象に残っている)、幕末を舞台に海賊キャプテン・キッドにまつわる財宝の謎を巡って日本-アメリカ(西部劇)を駆け巡る壮大な冒険時代劇『カムイの剣』、手塚治虫原作で大仏建立が行われた奈良時代を舞台に2人の彫物師の数奇な運命を描いた『火の鳥 鳳凰編』、過去へのタイムスリップに巻き込まれた若者たちの姿を描いた『時空の旅人』(萩尾望都『ポーの一族』のキャラクターデザインや竹内まりやの主題歌は秀逸!)など当時のアニメ作品と比べても一線を画し、常に何事にも挑戦的な姿勢で映画を作り続けていた事がよくわかる。
他にも戦後の金融社会での完全犯罪を目論む男たちの野望を描いた『白昼の死角』、松田優作主演によるハードボイルド路線『蘇える金狼』『野獣死すべし』、レースに命を賭ける若きライダーの世界を描いた『汚れた英雄』、豪華キャストによるSF時代劇『魔界転生』『里見八犬伝』、金田一シリーズ最後の長編小説の映画化『悪霊島』、あらゆる賞を総なめにした『蒲田行進曲』、最後の志穂美悦子主演作品『二代目はクリスチャン』、敗戦直後の東京で麻雀に命をかける生き様を描いた『麻雀放浪記』、女優に開眼した薬師丸ひろ子の記念すべき代表作『Wの悲劇』などお気に入りだし、同時代を体感した人にとってはどれも思い入れのある作品ぞろいだろう。
主題歌に関しても今みたいな(主題歌と作品が一致していない)安易なタイアップ曲ではなく、その映画に沿った内容の名曲ぞろいで『愛のバラード』『人間の証明のテーマ』『戦士の休息』『蘇える金狼のテーマ』『戦国自衛隊のテーマ』『セーラー服と機関銃』『汚れた英雄』『時をかける少女』『里見八犬伝』『少年ケニヤ』『Wの悲劇』など個人的には大のお気に入りだし、当時の主題歌を聞けばその作品も思い出す人は大勢いるはず…(またキャッチコピーのセンスのよさも当時の角川映画の特徴だった)。
それだけにこの当時の角川映画の影響力は大きかったし、著者自身も1986年までの出来事については思い入れもあるせいか詳細に描いているがそれ以降(1987~)の角川映画については大略的に紹介され、著者自身当時はすでに社会人になっていたので角川映画から自然と距離が離れていき自然に卒業した事を述べているが、それ以降の角川映画がかつての角川映画でなくなった事は明らかだ。
私自身、VHSで見直していた世代にとっては、初期黄金期の作品群はエネルギッシュな作品が多かったのにそれ以降の作品にはそのパワーが感じられなかった。
理由としては薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子といった角川娘三姉妹が角川を離れた事やスタッフに関しても大林宣彦、深作欣二、佐藤純彌、村川透、斎藤光正といった初期黄金時代を支えたベテラン監督たちや相米慎二、根岸吉太郎、井筒和幸、森田芳光いった新人監督たちとこれ以降仕事をする事はなかったし、何よりも一番の大きな要因はプロデューサーである角川春樹氏自身によるものだろう。角川春樹氏の神がかり的な発言が出てくるようになったのは何も最初からではなく、映画業界で実績を重ねるうちにこうした発言が出てくるようになったのは本書を読めばよくわかったし(おそらく『幻魔大戦』の頃あたりだと思う)、何より彼自身が映画監督業にのめり込むほどそれに反比例するように角川映画が衰退していき、その象徴が製作費50億円の超大作『 天と地と 』だろう。自身を客観視して物事をみつめることができなくなった当時の角川春樹の産物ともいえる作品だが、そうした観点からもその頃の角川映画の衰退ぶりは明らかだったし、この頃の作品も明らかに(初期黄金時代の作品とは)別物に思えた。
そうした見地からもこの初期黄金時代の角川映画はまさにV9時代のジャイアンツのように特別な存在なのだ。その意味でも当時を知る者にとっては当時の雰囲気を味わえる懐かしい内容でもあり、リアルタイムではなかった世代にとっても本書を読んでみてもし当時の作品に興味を持ったら是非とも鑑賞してもらいたい。
手始めに上記に挙げた『犬神家の一族』から『復活の日』までの5作品を観るだけでも当時の角川映画の勢いがどのくらい凄かったかを体感できると思うからだ。現在の日本映画にはないあの圧倒的なエネルギーとパワーを是非とも体感してもらいたい!
当時としては常識はずれの大量のTVスポット(CM宣伝)や映像・出版・音楽のメディアミックス展開、現在では当たり前とされている事が当時としては異例であり、それまでの映画の慣習にとらわれない角川映画は異端の存在であったが、当時10~20代のヤングジェネレーションにとっては、“角川映画”はまさに彼らにとっての文化の中心であり、洗礼を受けていた事がよくわかる。
本書はまさにその世代にそうした時代を体感した証言者ともいうべき著者・中川右介氏が自身の青春期である10代半ばから社会人となった20代半ばまでの角川映画とともに過ごした10年間の想い出とともに当時の舞台裏を詳細に描いた角川映画初期黄金期である衝撃の10年間(1976-1986)を書き記した内容となっている。
角川映画といえば現在もその称号は残っているもののかつてのイメージとは大きく変わっており(かつては角川書店刊行の小説を原作とした映像作品が主であったが現在はそれにとらわれることなく映像自体が独自の路線を築いている)、角川映画を語るうえで一般には大きく3つに分けられる。
・ 角川グループの総帥であった角川春樹時代『犬神家の一族』『セーラー服と機関銃』
・ 春樹氏が去った後の新生角川映画時代『失楽園』『リング』『新世紀エヴァンゲリヲン』
・ 大映と日本ヘラルド映画を吸収して以降の現在の角川映画(KADOKAWA)『時をかける少女』〈2006〉『沈まぬ太陽』
本書では角川春樹時代のしかも初期黄金期である1976-1986年の10年の活動期に焦点をあてており、その着眼点は理解できる。1986年当時、角川映画の10周年を記念して刊行された『角川映画大全集』(本書の主要参考文献としてカラー頁にも紹介されており、内容も本書と同じ1976-86までの角川映画全作品の紹介や特集が組まれているまさに永久保存版!)がまさに当時の角川映画ならぬ角川“栄華”を象徴しており、この本を所有していた私自身も角川映画を語るには記念すべき第一作『犬神家の一族』が公開された1976年から10周年を迎えた1986年までを“真の「角川映画」であると考えている(本書もそうだが基本的には1986年までの区分を10周年記念作品である『キャバレー』/『彼のオートバイ、彼女の島』までと線引きしているが個人的には角川アニメ『火の鳥 鳳凰編』『時空の旅人』も黄金時代に含みたい。
本書では角川映画誕生となる前夜から『犬神家の一族』から『復活の日』までの大作主義、そして『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』といったアイドル路線を中心としたプログラムピクチャー(2本立て)志向など当時の角川映画の舞台裏を時系列に描いている。
私自身、著者のようなリアルタイムの世代ではないものの80年代に角川映画のTVCMは少なからず印象的であったし、何より角川映画の魅力にはまったのは90年代以降だった。当時たまたまVHSで録画していた『 野性の証明 』を何も知らずに何気に見ていたが冒頭の特殊工作部隊の訓練シーンやテロリストを撃退する場面、OPの山岳行動訓練の凄惨な場面も凄かったがクライマックスの戦車やヘリを大量に投入した物凄いスケール感に度肝を抜かれました(当時は分からなかったが後にあの場面を撮るために5億円を投入して米軍の撮影協力を得てアメリカでの一大ロケーションを敢行!)。そこから角川映画の魅力にとりつかれて当時発足したばかりのレンタルビデオ店へ行ってこの初期黄金時代の作品を借りて見ていました。
・ 後に『エヴァンゲリヲン』にも影響を与えた黒画面に白文字の明朝体のロジックと名曲「愛のバラード」のOP、そして佐清(スケキヨ)のゴムマスクや湖上での逆さ足が一際印象に残った『 犬神家の一族 』
・ 東京-ニューヨークを結ぶ母子の壮大な物語もそうだが個人的には『ブリット』『フレンチコネクション』ばりのカーチェイス(岩城滉一氏が運転していたムスタングは当時の憧れのアメ車だった)が凄かった『 人間の証明 』
・ 自衛隊の協力が得られなかった事から自前で戦車を作り、ヘリを調達して川中島の戦いに戦車とヘリを投入する自衛隊員VS武田信玄率いる二万の軍勢の戦いが見ものだった『 戦国自衛隊 』
・ 映画史上初の南極ロケを敢行し、オリビア・ハッセーを始めとするハリウッドスターを総出演させ、氷海から潜水艦が浮かび上がるシーンや潜水艦同士の戦闘シーン、ホワイトハウスや大統領が登場するなど全ての面においてスケールを圧倒していた『 復活の日 』
そしてもうひとつの特徴であるアイドル路線の角川映画
・ 長回しや「カ・イ・カ・ン…」の名台詞など初々しくも一本気な女子高生がヤクザの組長となって奮闘する空前の大ヒットとなった薬師丸ひろ子主演『 セーラー服と機関銃 』
・ 透き通った神秘性の漂う少女・原田知世の瑞々しさが印象に残る尾道を舞台にしたSFジュブナイル『 時をかける少女 』
・ 真田広之の相手役に選ばれ、異なる三役を見事に演じて見せて後に数多く角川映画の主題歌を歌うこととなった渡辺典子のデビュー作『 伊賀忍法帖 』
さらに角川映画はアニメに関しても、初のアニメ作品となる『 幻魔大戦 』では後に『AKIRA』で世界中のクリエイターに影響を与える漫画家・大友克洋がキャラクターデザインを担当したり、絵物語作家・山川惣司を復活させた『少年ケニヤ』(当時『風の谷のナウシカ』と公開時期が同じで歌番組でよく安田成美と渡辺典子が主題歌を歌っていたのが印象に残っている)、幕末を舞台に海賊キャプテン・キッドにまつわる財宝の謎を巡って日本-アメリカ(西部劇)を駆け巡る壮大な冒険時代劇『カムイの剣』、手塚治虫原作で大仏建立が行われた奈良時代を舞台に2人の彫物師の数奇な運命を描いた『火の鳥 鳳凰編』、過去へのタイムスリップに巻き込まれた若者たちの姿を描いた『時空の旅人』(萩尾望都『ポーの一族』のキャラクターデザインや竹内まりやの主題歌は秀逸!)など当時のアニメ作品と比べても一線を画し、常に何事にも挑戦的な姿勢で映画を作り続けていた事がよくわかる。
他にも戦後の金融社会での完全犯罪を目論む男たちの野望を描いた『白昼の死角』、松田優作主演によるハードボイルド路線『蘇える金狼』『野獣死すべし』、レースに命を賭ける若きライダーの世界を描いた『汚れた英雄』、豪華キャストによるSF時代劇『魔界転生』『里見八犬伝』、金田一シリーズ最後の長編小説の映画化『悪霊島』、あらゆる賞を総なめにした『蒲田行進曲』、最後の志穂美悦子主演作品『二代目はクリスチャン』、敗戦直後の東京で麻雀に命をかける生き様を描いた『麻雀放浪記』、女優に開眼した薬師丸ひろ子の記念すべき代表作『Wの悲劇』などお気に入りだし、同時代を体感した人にとってはどれも思い入れのある作品ぞろいだろう。
主題歌に関しても今みたいな(主題歌と作品が一致していない)安易なタイアップ曲ではなく、その映画に沿った内容の名曲ぞろいで『愛のバラード』『人間の証明のテーマ』『戦士の休息』『蘇える金狼のテーマ』『戦国自衛隊のテーマ』『セーラー服と機関銃』『汚れた英雄』『時をかける少女』『里見八犬伝』『少年ケニヤ』『Wの悲劇』など個人的には大のお気に入りだし、当時の主題歌を聞けばその作品も思い出す人は大勢いるはず…(またキャッチコピーのセンスのよさも当時の角川映画の特徴だった)。
それだけにこの当時の角川映画の影響力は大きかったし、著者自身も1986年までの出来事については思い入れもあるせいか詳細に描いているがそれ以降(1987~)の角川映画については大略的に紹介され、著者自身当時はすでに社会人になっていたので角川映画から自然と距離が離れていき自然に卒業した事を述べているが、それ以降の角川映画がかつての角川映画でなくなった事は明らかだ。
私自身、VHSで見直していた世代にとっては、初期黄金期の作品群はエネルギッシュな作品が多かったのにそれ以降の作品にはそのパワーが感じられなかった。
理由としては薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子といった角川娘三姉妹が角川を離れた事やスタッフに関しても大林宣彦、深作欣二、佐藤純彌、村川透、斎藤光正といった初期黄金時代を支えたベテラン監督たちや相米慎二、根岸吉太郎、井筒和幸、森田芳光いった新人監督たちとこれ以降仕事をする事はなかったし、何よりも一番の大きな要因はプロデューサーである角川春樹氏自身によるものだろう。角川春樹氏の神がかり的な発言が出てくるようになったのは何も最初からではなく、映画業界で実績を重ねるうちにこうした発言が出てくるようになったのは本書を読めばよくわかったし(おそらく『幻魔大戦』の頃あたりだと思う)、何より彼自身が映画監督業にのめり込むほどそれに反比例するように角川映画が衰退していき、その象徴が製作費50億円の超大作『 天と地と 』だろう。自身を客観視して物事をみつめることができなくなった当時の角川春樹の産物ともいえる作品だが、そうした観点からもその頃の角川映画の衰退ぶりは明らかだったし、この頃の作品も明らかに(初期黄金時代の作品とは)別物に思えた。
そうした見地からもこの初期黄金時代の角川映画はまさにV9時代のジャイアンツのように特別な存在なのだ。その意味でも当時を知る者にとっては当時の雰囲気を味わえる懐かしい内容でもあり、リアルタイムではなかった世代にとっても本書を読んでみてもし当時の作品に興味を持ったら是非とも鑑賞してもらいたい。
手始めに上記に挙げた『犬神家の一族』から『復活の日』までの5作品を観るだけでも当時の角川映画の勢いがどのくらい凄かったかを体感できると思うからだ。現在の日本映画にはないあの圧倒的なエネルギーとパワーを是非とも体感してもらいたい!

