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観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書) (日本語) 新書 – 2017/7/19

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商品の説明

メディア掲載レビューほか

『応仁の乱』に続く歴史学のヒットは、30〜40代の若手研究者が支えている

〈観応(かんのう)の擾乱(じょうらん)〉とは、足利尊氏とその執事の高師直(こうのもろなお)、尊氏の弟で幕政を主導していた足利直義(ただよし)の対立によって起こった室町幕府の内部分裂のこと。いささかマイナーな歴史的トピックだが、著者はこれこそが初期室町幕府の制度・政策が確立されるにあたってもっとも重要な戦乱だったと述べる。最新の知見を駆使し、通説に丁寧な批判を加える内容は重厚。にもかかわらず、刊行から瞬く間にベストセラー入りを果たした。

「同じ中公新書の『応仁の乱』にヒットの下地を作ってもらえていた部分はやはりありますね。著者に企画を持ちかけたのは2015年の末頃でしたから、柳の下のどじょう扱いされると傷つきますが(笑)」(担当編集者の上林達也さん)

本書の著者や『応仁の乱』の呉座勇一さんもそうだが、今、30代・40代の歴史学の研究者は粒ぞろい。若い研究者はネットとの親和性も高く、優れた研究成果を精力的に共有、発信する。アカデミズムの盛り上がりが歴史好きのネット住民にも伝播し、出版業界も注目している状況だ。

「もともと歴史は読書好きのあいだで常に一定の需要のあるジャンルでしたが、今はヒット作の主戦場になりつつある感触ですね。とはいえ、きちんとした本を出そうと思えば、いきなり企画が増やせるものでもありません。これからも編集部としては、コツコツと良い企画をみなで探して行くつもりです」(上林さん)

評者:前田 久

(週刊文春 2017.09.14号掲載)

努力が報われる

観応の擾乱とは、室町時代の初期、幕府の内部で起きた武力抗争である。将軍足利尊氏とその弟である直義がぶつかった。

山川出版社の高校教科書『詳説日本史』では、次のように説明している。

「鎌倉幕府以来の法秩序を重んじる直義を支持する勢力と、尊氏の執事高師直を中心とする、武力による所領拡大を願う新興勢力との対立がやがて激しくなり、ここに相続問題もからんで、ついに1350(観応元)年に両派は武力対決に突入した」

尊氏派と直義派、さらに南朝勢力も加わり、まさに三つ巴の争いが1年半にわたって続いた。

亀田俊和著『観応の擾乱』はこの抗争についての本なのだが、なにゆえベストセラーに? だって、あまりにもマニアックな題材だもの。

書店の平台を見て納得した。同じく中公新書の『応仁の乱』(呉座勇一)と並べて売られている。『応仁の乱』は「地味すぎる大乱」などの自虐的コピーも効いて異例の大ヒットとなった。

2匹目のドジョウならぬ観応の擾乱は、知名度こそ応仁の乱に及ばないけれども、内乱の中身は面白い。というか、わかりやすい。

擾乱は第1幕と第2幕に分かれる。第1幕は直義派の圧勝。そこで尊氏は敗因を正確に分析したと著者は推測する。恩賞が十分でなかったから武士たちは直義派に寝返ったのだ、と。部下はちゃんと分け前をくれるボスについていく。この反省の元に戦った尊氏は第2幕に勝利。これを教訓に、室町幕府は「努力が報われる政権」を目指す。民進党の前原さんにオススメしたい。

評者:永江朗

(週刊朝日 掲載)

内容(「BOOK」データベースより)

観応の擾乱は、征夷大将軍・足利尊氏と、幕政を主導していた弟の直義との対立から起きた全国規模の内乱である。本書は、戦乱前夜の動きも踏まえて一三五〇年から五二年にかけての内乱を読み解く。一族、執事をも巻き込んだ争いは、日本の中世に何をもたらしたのか。その全貌を描き出す。

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