吉田茂以下 麻生太郎まで32人の歴代総理大臣の「正体」です。
評者の興味を持った点のみ書き出します。
田中角栄首相:道路三法(道路法、ガソリン税法、有料道路法)により道路がよくなり日本は自動車王国になった。後にロッキード裁判で被告人になるが、この裁判は被告側の反対尋問が行われない形で進められた日本裁判史上の汚辱である。
三木武夫首相:クリーン三木と言われたが、実態は彼以降、政界は腐食した。
福田赳夫首相:昭和52年ダッカ日航機ハイジャック事件で 犯人側に屈服して、以後世界からは日本はテロリストに屈服する国である、との評価を受けることになった。
宮澤喜一首相:平成4年、天安門事件で苦境に立つ中国へ両陛下の訪中を企画して、(これは中国にとっては朝貢と考えられるため)以後、中国は日本を下に観て威張るようになった。
中曽根康弘首相:靖国の公式参拝を断念し、以後、この問題は常に中国が日本を威嚇するカードになってしまった。サンフランシスコ条約では極東裁判について「諸判決を受諾した」のであるが、外務省は誤訳して「極東裁判を受諾した」としたため、以後、他国から日本は常時文句を付けられる原因となった。この「誤訳解釈」を公言していた当時の後藤田官房長官、小和田条約局長、を咎めなかった中曽根首相は国益を大きく損ねた責任者である。
橋本龍太郎首相:中国のハニートラップにかかり中国から26億円のODAをむしり取られた。
どうも、立派な首相はあまり居なかったようで、読んで哀しい気持ちになりました。
彼らの犯した失敗をシッカリ訂正できるような器量の首相が出れば、日本は立派な国になるはずです。
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裸の総理たち32人の正体 単行本 – 2010/1/8
■著者が生きてきた時代の総理32人のリーダーシップ
鈴木貫太郎から鳩山由紀夫まで、戦後には32人の総理が誕生しています。
彼らはなぜ宰相になれたのか。
その正体を行動、性格、血、時代、
また、総理としての功績や失墜の原因など
評論家としての評価を与え、彼らのリーダーシップに採点を加えていきます。
たとえば、第45、48、49、50、51代の
内閣総理大臣を務めた吉田茂は、
何より強運の持ち主でした。
東久邇宮稔彦内閣時には、重光外相が
「一億総懺悔」に反発して辞めたために外相となり、
首相になれたのも前首相・鳩山一郎がGHQにより
公職追放に処されたためでした。
しかも、歴代総理の中で5代も総理を務めました。
では、強運だけでリーダーを勝ち取ったのか。
彼が「ワンマン首相」と呼ばれた理由は、
彼のしたたかさにありました。
総理を引き受けるときに出した3つの条件や、
マッカーサーを後ろ盾に議会を掌握する手腕など、
決して秀才タイプでなかった彼が武器にしたものだったのです。
第64、65代の内閣総理大臣、田中角栄は、
池田、佐藤と長期政権が続いていた厭世ムードから
世の中の期待を背負って生まれた総理でした。
それまで、官僚出身の総理が続いていた中で、
高等小学校卒を売りにしていた田中角栄は、
国民にとって非常に新鮮でした。
彼は知識量、実行力が優れているため、
「コンピュータ付きブルドーザー」と言われました。
彼が引っ下げた「日本列島改造論」は、
高速道路や新幹線で日本列島をつなぎ、
地方の工業化を促進、過疎や公害の問題の解決を図りました。
当時、「日本列島改造問題懇親会」という機関では、
定員75名のところ90名の財界人が押しかけました。
また、田中角栄は金脈と人脈を掌握した政治を行ったことでも有名。
それが世の反発を買い、女性スキャンダルが追及されました。
退陣後、ロッキード事件に見舞われますが、
著者は犯罪の事実ではなく、
「被告側の「反対尋問を許さない」という裁判のあり方について
批判し、「ロッキード裁判批判論」を展開したのです。
第87、88、89の内閣総理大臣、小泉純一郎は、
新しい政治のあり方を示した首相でした。
彼は派閥を持たず、「変人」と言われたように、
食事はほとんど一人、議員たちと会食をすることもほとんどない。
しかし、一人であるためカネを集める必要もない。
国民の人気を集めて総理の座についた新しいタイプの人物でした。
彼の掲げた「郵政民営化論」は、
官僚支配から脱するための持論で、アメリカの陰謀ではなかったと
評する著者は、国民に信を問うとして衆議院を解散、
選挙では自民党の反対勢力を公認せず、刺客を放ち、
実に痛快な政治
鈴木貫太郎から鳩山由紀夫まで、戦後には32人の総理が誕生しています。
彼らはなぜ宰相になれたのか。
その正体を行動、性格、血、時代、
また、総理としての功績や失墜の原因など
評論家としての評価を与え、彼らのリーダーシップに採点を加えていきます。
たとえば、第45、48、49、50、51代の
内閣総理大臣を務めた吉田茂は、
何より強運の持ち主でした。
東久邇宮稔彦内閣時には、重光外相が
「一億総懺悔」に反発して辞めたために外相となり、
首相になれたのも前首相・鳩山一郎がGHQにより
公職追放に処されたためでした。
しかも、歴代総理の中で5代も総理を務めました。
では、強運だけでリーダーを勝ち取ったのか。
彼が「ワンマン首相」と呼ばれた理由は、
彼のしたたかさにありました。
総理を引き受けるときに出した3つの条件や、
マッカーサーを後ろ盾に議会を掌握する手腕など、
決して秀才タイプでなかった彼が武器にしたものだったのです。
第64、65代の内閣総理大臣、田中角栄は、
池田、佐藤と長期政権が続いていた厭世ムードから
世の中の期待を背負って生まれた総理でした。
それまで、官僚出身の総理が続いていた中で、
高等小学校卒を売りにしていた田中角栄は、
国民にとって非常に新鮮でした。
彼は知識量、実行力が優れているため、
「コンピュータ付きブルドーザー」と言われました。
彼が引っ下げた「日本列島改造論」は、
高速道路や新幹線で日本列島をつなぎ、
地方の工業化を促進、過疎や公害の問題の解決を図りました。
当時、「日本列島改造問題懇親会」という機関では、
定員75名のところ90名の財界人が押しかけました。
また、田中角栄は金脈と人脈を掌握した政治を行ったことでも有名。
それが世の反発を買い、女性スキャンダルが追及されました。
退陣後、ロッキード事件に見舞われますが、
著者は犯罪の事実ではなく、
「被告側の「反対尋問を許さない」という裁判のあり方について
批判し、「ロッキード裁判批判論」を展開したのです。
第87、88、89の内閣総理大臣、小泉純一郎は、
新しい政治のあり方を示した首相でした。
彼は派閥を持たず、「変人」と言われたように、
食事はほとんど一人、議員たちと会食をすることもほとんどない。
しかし、一人であるためカネを集める必要もない。
国民の人気を集めて総理の座についた新しいタイプの人物でした。
彼の掲げた「郵政民営化論」は、
官僚支配から脱するための持論で、アメリカの陰謀ではなかったと
評する著者は、国民に信を問うとして衆議院を解散、
選挙では自民党の反対勢力を公認せず、刺客を放ち、
実に痛快な政治
- 本の長さ456ページ
- 出版社フォレスト出版
- 発売日2010/1/8
- ISBN-10489451916X
- ISBN-13978-4894519169
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
鈴木貫太郎から鳩山由紀夫まで。なぜ彼らはトップリーダーになれたのか!?経営者・管理職必読。
著者について
評論家。上智大学名誉教授。 1930年生まれ。1955年上智大学大学院修士課程修了。ドイツのミュンスター大学、イギリスのオックスフォード大学に留学。ミュンスター大学哲学博士(1958年)、同大学名誉哲学博士(1944年)。歴史、文明、社会など幅広い分野において、深い学識に裏打ちされた鋭い評論を展開し続けている。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。『知的生活の方法』『封印の近現代史』『昭和史 松本清張と私』など歴史・政治・古典・人生論などの著者多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
渡部/昇一
評論家。上智大学名誉教授。1930年生まれ。1955年上智大学大学院修士課程修了。ドイツのミュンスター大学、イギリスのオックスフォード大学に留学。ミュンスター大学哲学博士(1958年)、同大学名誉哲学博士(1994年)。歴史、文明、社会など幅広い分野において、深い学識に裏打ちされた鋭い評論を展開し続けている。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。歴史・政治・古典・人生論などの著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
評論家。上智大学名誉教授。1930年生まれ。1955年上智大学大学院修士課程修了。ドイツのミュンスター大学、イギリスのオックスフォード大学に留学。ミュンスター大学哲学博士(1958年)、同大学名誉哲学博士(1994年)。歴史、文明、社会など幅広い分野において、深い学識に裏打ちされた鋭い評論を展開し続けている。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。歴史・政治・古典・人生論などの著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : フォレスト出版 (2010/1/8)
- 発売日 : 2010/1/8
- 単行本 : 456ページ
- ISBN-10 : 489451916X
- ISBN-13 : 978-4894519169
- Amazon 売れ筋ランキング: - 709,169位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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2021年6月3日に日本でレビュー済み
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役に立った
2010年6月1日に日本でレビュー済み
良書である。
渡部昇一氏が生きてきた時代の戦後の首相たちを
評論したものであるが、
氏ならではの博識な見解が
平易にわかりやすく語られている。
人物評とリーダーとしての統率力が
見事に描かれており、
保守派の渡部氏に偏らない人物評に好感が持てる。
32人の首相を見ていくと、
概してリーダーたる人物が日本には少ないことだ。
とくに、近年目まぐるしく変わる総理は、
渡部氏の言うように、総理になってはいけなかった人物も
見受けられる。
鳩山内閣については、氏も各メディアで論じているが、
戦前の近衛内閣のように、国を傾ける進路をとった
内閣として危惧している。
私たちがこれからの次代のリーダーを
見る目は、過去を知ることで養われる。
政界が分裂してきた今、
各党首を冷静に見つめるためにも、
参考になる一冊だ。
渡部昇一氏が生きてきた時代の戦後の首相たちを
評論したものであるが、
氏ならではの博識な見解が
平易にわかりやすく語られている。
人物評とリーダーとしての統率力が
見事に描かれており、
保守派の渡部氏に偏らない人物評に好感が持てる。
32人の首相を見ていくと、
概してリーダーたる人物が日本には少ないことだ。
とくに、近年目まぐるしく変わる総理は、
渡部氏の言うように、総理になってはいけなかった人物も
見受けられる。
鳩山内閣については、氏も各メディアで論じているが、
戦前の近衛内閣のように、国を傾ける進路をとった
内閣として危惧している。
私たちがこれからの次代のリーダーを
見る目は、過去を知ることで養われる。
政界が分裂してきた今、
各党首を冷静に見つめるためにも、
参考になる一冊だ。
2010年12月28日に日本でレビュー済み
渡部氏は明らかに保守だが石橋、三木など左派でも気骨のある人物は一定の評価をするなど脱イデオロギー的で読みやすい。著者独特の視点で政策や人物を評価しており、それでいて捻った所がないので素直に納得できる。小泉首相をこれほど率直に評価している文章も始めて見た。
「まえがき」にも書いているが、自民党が「普通の国民」としても感覚を失った結果野党に転落したという説には共感する。その集大成が麻生内閣で、国民が支持する大臣や高官を次々に首を切る様はまさに末期症状だった。本書は一冊で32人の総理を扱うのでかなり簡素化されている部分も多いが、自民党の左傾化の経緯はかなり詳しく書いてある。またオビにもある通りリーダー論も詳しい。通史としては分量不足だがその辺りに的を絞って読めばかなり楽しめる。
「まえがき」にも書いているが、自民党が「普通の国民」としても感覚を失った結果野党に転落したという説には共感する。その集大成が麻生内閣で、国民が支持する大臣や高官を次々に首を切る様はまさに末期症状だった。本書は一冊で32人の総理を扱うのでかなり簡素化されている部分も多いが、自民党の左傾化の経緯はかなり詳しく書いてある。またオビにもある通りリーダー論も詳しい。通史としては分量不足だがその辺りに的を絞って読めばかなり楽しめる。