裁判所の正体:法服を着た役人たち (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2017/5/18
瀬木 比呂志
(著)
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本の長さ368ページ
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言語日本語
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出版社新潮社
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発売日2017/5/18
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寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
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ISBN-104104405035
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ISBN-13978-4104405039
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
権力の番人と化す
日本は三権分立の国だと子どもの頃に教えられ、そう信じて半世紀ほど生きてきた。判決に何度か首を傾げても、その前提は崩れなかった。しかし、元裁判官の瀬木比呂志とジャーナリストの清水潔の対談をまとめた『裁判所の正体』を読んだ私は今、暗澹とした気分になっている。
清水が聞き役となって進む二人のやりとりは、前半、裁判官の日常や裁判所の仕組みについて言及する。そこでは、〈裁判所の強固なヒエラルキー〉や〈裁判官が統制される三つの理由〉などが紹介され、後半のテーマである司法の闇や最高裁と権力の問題の伏線となっている。たとえば、裁判官が統制されるのは、(1)彼らが隔離された「精神的な収容所」にいて価値観がおかしくなり、(2)司法試験に通った「期」を中心に競争させられ、(3)任地がすごく広いために「判決と出世」を天秤にかけられるからと瀬木は指摘する。
こんなのはほんの一部で、数ページ読むたびに、いかに自分が裁判所や裁判官について無知だったか思い知る。そして、最高裁が「権力補完機構」に堕しているとわかるあたりでは溜息をつき、最高裁と法務省の間に人事交流があると知って愕然とした。この本の副題にある〈法服を着た役人たち〉は「統治と支配」を金科玉条とし、権力の番人と化していたのだ。一票の格差裁判で、「違憲状態」というわけのわからない判決が出る背景もここにある。
権力のもう一つの監視役であるメディアの怠慢もあるが、裁判所や司法の正体を知らないことは恐ろしいと切実に思う。歪んでしまったこの国の三権分立の内実を知るためにも、この本をお勧めする。
評者:長薗安浩
(週刊朝日 掲載)出版社からのコメント
瀬木さんと私は和室のこたつで向き合った。
しかし聞きたいことはあまりに膨大だった。
お茶を啜りながらのやりとりは三日間にも及ぶ。計一八時間。
当初、私が頭の中で描いていた元裁判官と記者の「対談」と
いう目論見は脆くも崩壊した。私は夢中になってひたすら話
を聞くという単なる取材者となった。水面の波紋のごとく聞
きたいことはただ広がっていった。
最高裁の真の権限とは。冤罪が起こりうる構造、国策捜査、
原発訴訟や憲法訴訟の裏に大きく広がる闇、そしてスラップ
訴訟とは……。まさに私の知らない世界のオンパレードだっ
たからである。瀬木さんは司法ド素人の私に丁寧に説明を繰
り返してくれた。
この取材以降、私の裁判への見方は大きく変わった。
法服姿で壇上に立つその人たちの日常や環境を少しだけ想像
できるようになり、そしてまた司法の裏に封じ込まれている、
恐ろしい現実をも知ることができたからだ。
私にとってもっとも衝撃だったことは、これまで盲信してい
た「三権分立」というものが極めて危うげなものであったと
いうことだ。そしてまた法務省や裁判所の正体とは……。
と、まあ冒頭からグダグダ感想を並べても仕方あるまい。本
書には裁判と裁判官の知られざる世界をページの許す限り詰
め込んでみた。もちろん瀬木さん一人に対する取材だけで、
裁判所や裁判官の全てを知ったつもりになっているわけでは
ない。しかしそれでも伺ったその内容には唸らざるを得ない。
とにかくめくっていって頂ければ幸いだ。
そこには必ず驚きがあるはずだ。
2017年4月17日 清水 潔
内容(「BOOK」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1954(昭和29)年、愛知県生れ。東京大学法学部卒。1979年より裁判官。東京地裁、最高裁等に勤務。米留学。2012(平成24)年、明治大学法科大学院教授に転身。2017年度中は滞米在外研究。『ニッポンの裁判』で第2回城山三郎賞を受賞
清水/潔
1958(昭和33)年、東京都生れ。ジャーナリスト。新潮社「FOCUS」編集部を経て、日本テレビ報道局記者・解説委員。2014(平成26)年、『殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』で新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2017/5/18)
- 発売日 : 2017/5/18
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 368ページ
- ISBN-10 : 4104405035
- ISBN-13 : 978-4104405039
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
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上位レビュー、対象国: 日本
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本書では触れられていないが,最高裁判事の国民審査をもっと実効あるものに改革することも重要なのではないか.×をつけなければ自動的に信認したことになるという現行制度は,どう考えてもズルすぎる.