週刊朝日1989年12月1日〜1990年8月31日号に連載
車はじめ/光る温室/三人の迎え人/ハイネと”オランダ人”/飛ぶオランダ人/名より実/流入者と自由/都市物語/鰊学校/慈愛号/商人紳士たち/レンブラントの家/ウナギの棲家/司教領だった村/パーンアッカー博士/三国瞥見/コロッケ/ユダヤの街/ルーベンスの家/「フランダースの犬」のあとがき/ベルギーのユーモア/「地獄への第一歩の水門」港/ドン・キホーテ/ピョートルが見たもの/星型の都市/縁なす要塞/入念村にゆくまで/ゴッホの前半生/ブラバント弁/ヒースの原/愛と理解/変わった人/魂とかたち/日蘭交渉史・私記/「事実」への出発/シーボルトの栃の実/最後のオランダ人教師
オランダといえば南蛮貿易・・ではありません 南蛮はスペインとポルトガル人
出島にいたオランダ人は紅毛といわれてました
いまでこそヨーローッパで最も平均身長が高い(羨ましい)国ですが、背が高くなったのは東インド会社を創立して国が潤ってからだそうだ
金にうるさい、けちなどからまだ貿易発展途上だった英仏からはうとまれていたために、Dutchという言葉の慣用句が多いらしい
国土もせまく、干拓地でのチューリップの球根栽培と、酪農の国、低湿地からの排水のために風車が使われていた
司馬はオランダでは絵画を主題とした
光と影を巧みにあやつるレンブラントとルーベンス そして全く対照的なゴッホ
写真の登場が前者とかさなるが、写実主義は写真の登場とともに、衰退していくというのもうなづける
ゴッホは生前は全く見向きもされず弟の仕送りで生活していたという
その弟との書簡が、主題となっている
ゴッホは日本の浮世絵にも影響を受けたのは有名である
そして江戸後期のオランダ医学に話がそれ、シーボルトに軽く触れている
もう少し深読みを期待したが、シーボルトについてはあっさりしている
明治期になりドイツ医学を翻訳しただけのオランダ医学から、ドイツ医学尊重に至る過程、そして大学東校から東大医学部へ創立の
過程など、紙面の関係かあっさりしすぎているの印象的であった
1990年7月14日須田剋太氏が亡くなり、挿絵はこの巻が最後となったことを付け加えておく
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街道をゆく 35 オランダ紀行 Kindle版
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言語日本語
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出版社朝日新聞出版
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発売日2009/4/30
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ファイルサイズ2317 KB
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商品の説明
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
司馬/遼太郎
1923年大阪府生まれ。大阪外事専門学校(現大阪外国語大学)蒙古科卒業。60年『梟の城』で直木賞受賞。75年芸術院恩賜賞受賞。93年文化勲章受章。96年死去。主な作品に『国盗り物語』(菊池寛賞)、『世に棲む日日』(吉川英治文学賞)、『ひとびとの跫音』(読売文学賞)、『韃靼疾風録』(大佛次郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1923年大阪府生まれ。大阪外事専門学校(現大阪外国語大学)蒙古科卒業。60年『梟の城』で直木賞受賞。75年芸術院恩賜賞受賞。93年文化勲章受章。96年死去。主な作品に『国盗り物語』(菊池寛賞)、『世に棲む日日』(吉川英治文学賞)、『ひとびとの跫音』(読売文学賞)、『韃靼疾風録』(大佛次郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
内容(「BOOK」データベースより)
ときあたかも1980年代末の土地バブルに踊る日本をあとに、「国民が国土を創造した」オランダを訪ねる。鎖国時代の日本にとって、暗箱にあいた針穴から射しこむほどのかすかな外光がオランダだったと著者はいい、プロテスタント精神の発露たる商業活動が育てた自律的、合理的な国民性をゆく先々で実感する。さらに、レンブラントやゴッホの絵画への著者の深い理解が共感を呼ぶ。
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B00SSOGWPC
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2009/4/30)
- 発売日 : 2009/4/30
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2317 KB
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2014年3月12日に日本でレビュー済み
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2018年6月13日に日本でレビュー済み
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幕末に日本がオランダから受けた影響ははかりしれない。レンブラントは出てくるが、フェルメールは論じていない。このあたたりが司馬遼太郎の限界か?
2007年8月19日に日本でレビュー済み
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仕事でオランダを訪れる度に、この国の頽廃感を感ぜずにはいられませんでしたが、鎖国中に日本と縁が深かったこの国のことをもっと知りたくて、本書を購入してみました。
まず最初に驚いたのが、司馬遼太郎氏の博識でした。ヨーロッパ社会のベースであるキリスト教(カトリック、プロテスタント、関係の深いユダヤ教)を切り口に、日本が鎖国中もオランダを受け入れた理由や江戸時代の識者達とオランダの関係、また天才画家達(ルーベンス、レンブラント、ゴッホ)の絵画表現のあり方とその時代のオランダを中心としたヨーロッパ諸国・パトロン・宗教との関係が多数の書籍や有識者のコメントを基に深く考察・説明されており、非常に感銘を受けました。
特に弟のテオとの書簡の訳書等を恐らく全て読破し、オランダのゴッホ美術館等でその絵を実際に目にした上で、ゴッホに対して、死後に評価されたことや自身の行い(画業)に絶対的な自信を持っていたこと等からイエスとの類似性を見出したところや、近代絵画の象徴的な祖であるセザンヌとゴッホにおいて、ゴッホには流派が存在せず、彼のような絵画には個人の精神史が付属せざるをえず、彼の場合にかぎって、絵と文学は不離と言わざるを得ないと評したところには、その非凡なる氏の感性に圧倒されました。
江戸時代前後のヨーロッパ(オランダ)史やオランダと日本の関係、上述の天才画家について深く考察されているので、それらに興味を持たれた方にはご一読をお薦め致します。
まず最初に驚いたのが、司馬遼太郎氏の博識でした。ヨーロッパ社会のベースであるキリスト教(カトリック、プロテスタント、関係の深いユダヤ教)を切り口に、日本が鎖国中もオランダを受け入れた理由や江戸時代の識者達とオランダの関係、また天才画家達(ルーベンス、レンブラント、ゴッホ)の絵画表現のあり方とその時代のオランダを中心としたヨーロッパ諸国・パトロン・宗教との関係が多数の書籍や有識者のコメントを基に深く考察・説明されており、非常に感銘を受けました。
特に弟のテオとの書簡の訳書等を恐らく全て読破し、オランダのゴッホ美術館等でその絵を実際に目にした上で、ゴッホに対して、死後に評価されたことや自身の行い(画業)に絶対的な自信を持っていたこと等からイエスとの類似性を見出したところや、近代絵画の象徴的な祖であるセザンヌとゴッホにおいて、ゴッホには流派が存在せず、彼のような絵画には個人の精神史が付属せざるをえず、彼の場合にかぎって、絵と文学は不離と言わざるを得ないと評したところには、その非凡なる氏の感性に圧倒されました。
江戸時代前後のヨーロッパ(オランダ)史やオランダと日本の関係、上述の天才画家について深く考察されているので、それらに興味を持たれた方にはご一読をお薦め致します。
殿堂入りベスト500レビュアー
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司馬氏の小説が、主な舞台にしている江戸時代から幕末にかけて、徳川幕府は鎖国していたが、唯一、
長崎の出島を通して海外に開いていた窓が、オランダへ向けてのものだった。
だから司馬氏はオランダに対して特別な思いを抱いていた。
幕府は、オランダが造った船を買い上げ「咸臨丸」と名づけ、勝海舟らを乗せて海外に渡らせた。
そのオランダを訪れた司馬氏の心境は晴れやかで、筆致は明るく、幸福感に包まれている。
『南蛮への道』では、いくつかの歴史的事実を調べながら、最初は歴史小説家らしく実証的な裏付けを求めるが、
最後には「そんなことはどうでもいい」と叫ぶように書き、空想力を奔走させる。
『オランダ紀行』で氏は、ゴッホゆかりのニューネン村へ向かうのだが、たどり着いてしまうと、そこでの印象記は
ほとんどなく、ゴッホについての文章も減少し、日本史関連の記述となる。それが巻末にかけての11章のすべてを
かけて行われる。これは彼の初期忍豪小説で、クライマックスになると、それまで高まっていた物語性を
打ち消すような展開を迎えていたことを思い出させる。
日本文学大賞を受賞した『南蛮への道』でもそうだが、司馬氏の紀行エッセイには、一種不思議な趣がある。
ともあれオランダの光というのは特別らしく、それをテーマにしたドキュメンタリー映画も作られたくらいで、
この本から受ける印象は、それに似た明るさにつつまれている。
長崎の出島を通して海外に開いていた窓が、オランダへ向けてのものだった。
だから司馬氏はオランダに対して特別な思いを抱いていた。
幕府は、オランダが造った船を買い上げ「咸臨丸」と名づけ、勝海舟らを乗せて海外に渡らせた。
そのオランダを訪れた司馬氏の心境は晴れやかで、筆致は明るく、幸福感に包まれている。
『南蛮への道』では、いくつかの歴史的事実を調べながら、最初は歴史小説家らしく実証的な裏付けを求めるが、
最後には「そんなことはどうでもいい」と叫ぶように書き、空想力を奔走させる。
『オランダ紀行』で氏は、ゴッホゆかりのニューネン村へ向かうのだが、たどり着いてしまうと、そこでの印象記は
ほとんどなく、ゴッホについての文章も減少し、日本史関連の記述となる。それが巻末にかけての11章のすべてを
かけて行われる。これは彼の初期忍豪小説で、クライマックスになると、それまで高まっていた物語性を
打ち消すような展開を迎えていたことを思い出させる。
日本文学大賞を受賞した『南蛮への道』でもそうだが、司馬氏の紀行エッセイには、一種不思議な趣がある。
ともあれオランダの光というのは特別らしく、それをテーマにしたドキュメンタリー映画も作られたくらいで、
この本から受ける印象は、それに似た明るさにつつまれている。
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