書評、持論、トピック(初版時)、リテラシー、等々まさに内田先生個人についてのメタメッセージか!? というのが読後直の印象でした。
細かくコラムになっているので、ちょっとした時間(トイレとか)で読み進められ、短時間に苦も無く500ページ読めてしまいました。これだけ多岐に書かれていると以前にどこかで読んだ部分も有りますが、それでも御自分の意見をしっかり持っていらっしゃるので何度読んでもぶれない心地よさが響きます。読者をリセットしてくれるような気がして先生の本はカウンセリング効果的な意味でも重宝しています。
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街場の読書論 Kindle版
本はなぜ必要か。どうすればもっと「伝わる」のか。強靱でしなやかな知性は、どのような読書から生まれるのか――。ブログ「内田樹の研究室」と、各媒体への寄稿記事より、「読書」と「表現」に関するものを厳選、大幅に加筆・改訂。21世紀とその先の生き抜くための、滋味たっぷり、笑って学べる読書エッセイ!
- 言語日本語
- 出版社太田出版
- 発売日2014/1/15
- ファイルサイズ878 KB
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
本はなぜ必要か。強靱でしなやかな知性は、どのような読書から生まれるのか。21世紀とその先を生き抜くための、滋味たっぷり、笑って学べる最強読書エッセイ。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者について
東京大学フランス文学科卒業。武道家。凱風館館長。専門はフランス現代思想、ユダヤ文化論、映画論。『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞。第三回伊丹十三賞受賞。 --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内田/樹
1950年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。神戸女学院大学文学部名誉教授。武道家。道場兼学塾である「凱風館」館長。専門はフランス現代思想、ユダヤ文化論、映画論、武道論など。著書に『私家版・ユダヤ文化論』で第六回小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞二〇一〇受賞。第三回伊丹十三賞受賞。近著に『呪いの時代』『日本の文脈』(中沢新一との共著)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
1950年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。神戸女学院大学文学部名誉教授。武道家。道場兼学塾である「凱風館」館長。専門はフランス現代思想、ユダヤ文化論、映画論、武道論など。著書に『私家版・ユダヤ文化論』で第六回小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞二〇一〇受賞。第三回伊丹十三賞受賞。近著に『呪いの時代』『日本の文脈』(中沢新一との共著)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B00HWSN0SM
- 出版社 : 太田出版 (2014/1/15)
- 発売日 : 2014/1/15
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 878 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 430ページ
- ページ番号ソース ISBN : 4778312880
- Amazon 売れ筋ランキング: - 311,972位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 5,246位哲学・思想 (Kindleストア)
- - 6,565位思想
- カスタマーレビュー:
著者について
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1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想。ブログ「内田樹の研究室」を拠点に武道(合気道六段)、ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小林秀雄賞受賞、『日本辺境論』(新潮新書)で第三回新書大賞を受賞。二〇一〇年七月より大阪市特別顧問に就任。近著に『沈む日本を愛せますか?』(高橋源一郎との共著、ロッキング・オン)、『もういちど村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)、『武道的思考』(筑摩選書)、『街場のマンガ論』(小学館)、『おせっかい教育論』(鷲田清一他との共著、140B)、『街場のメディア論』(光文社新書)、『若者よ、マルクスを読もう』(石川康宏との共著、かもがわ出版)などがある。
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カスタマーレビュー
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2015年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結論から言えば、タイトル通りの「読書論」だと思っていたので、はじめに読んだときは肩透かしをくらった印象。「本を読む」とはどのようなことか、どのようにしてなされるべきか、などといったお話はないからです。著者の体系的な読書遍歴なども期待もしていたのだけれど、そうした内容もありません。
本や著作権にまつわる時事ネタの評論、そのとき読んだ本についての感想や解説、本にまつわる身辺雑記がメイン。自身のブログの記事を集めたもので、統一感もほとんどありません。
それでも「読書する」さいの、つまりメッセージの受け手としての心構えはともかく、メッセージの出し手の心構えについては、おおいに参考になりました。著者の本がなぜ「売れている」のか、なぜ多くの人に読まれるのか、なぜ人の心に言葉を届けられるのか。そうしたことがあるていど理解できる内容にはなっています。
たとえば本書では、メッセージの中身よりもメッセージの発信の仕方の方が大事なんだ、と繰り返し述べられています。また、「クリシェと割れた言葉」というエッセイでは、町田康の文体が既存の制度に縛られず、「愉悦と力」を生み出していることが語られます。著者がつねにメッセージの受け手の顔を想像し、制度から離れて自らの文体を磨いたからこそ、著者の文章が読者に「愉悦」をもたらす「力」を持っているのだと理解できました。
「読書論」を期待している方や体系的なものを期待している方にはすすめられないけれど、ちょっとした評論や雑記からでも著者独自のハッとするような視点がうかがえるでしょう。ひとつひとつの記事は短くて読みやすいので、ほどほどに中身はあるけど軽い読み物が読みたい人にはオススメできます。
本や著作権にまつわる時事ネタの評論、そのとき読んだ本についての感想や解説、本にまつわる身辺雑記がメイン。自身のブログの記事を集めたもので、統一感もほとんどありません。
それでも「読書する」さいの、つまりメッセージの受け手としての心構えはともかく、メッセージの出し手の心構えについては、おおいに参考になりました。著者の本がなぜ「売れている」のか、なぜ多くの人に読まれるのか、なぜ人の心に言葉を届けられるのか。そうしたことがあるていど理解できる内容にはなっています。
たとえば本書では、メッセージの中身よりもメッセージの発信の仕方の方が大事なんだ、と繰り返し述べられています。また、「クリシェと割れた言葉」というエッセイでは、町田康の文体が既存の制度に縛られず、「愉悦と力」を生み出していることが語られます。著者がつねにメッセージの受け手の顔を想像し、制度から離れて自らの文体を磨いたからこそ、著者の文章が読者に「愉悦」をもたらす「力」を持っているのだと理解できました。
「読書論」を期待している方や体系的なものを期待している方にはすすめられないけれど、ちょっとした評論や雑記からでも著者独自のハッとするような視点がうかがえるでしょう。ひとつひとつの記事は短くて読みやすいので、ほどほどに中身はあるけど軽い読み物が読みたい人にはオススメできます。
殿堂入りベスト50レビュアー
著者のエッセーは書評サイズ。この短い文章に内田流読書術のエッセンスが詰まっている。難波江和英の『恋するJポッブ』は、Jポップの恋愛詩を欠如する愛の埋め合わせとして批判する。ここを読んだ読者は、レヴィナスの思想を知らなければ著者の主張が分からないかも知れない。レヴィナスについては著者の出世作『レヴィナスと愛の現象学』である程度述べられているが、ここでは、物質的なものは自己にとって欠如を補う糧を意味するが、自己と他者の関係は互いに異質なもの、自己にとって他者の存在は無限であり、至高のものだ。自己にとって他者とは神にも等しい超越者であり、顔をでもって自己に何かを訴え、無条件に尊重・歓待すべき存在者である。このようにレヴィナスの他者を捉えるなら、愛とは自己の愛情の欠如を埋めるものではなく、愛し合うものでもなく、ひたすら自己の方から相手を愛することであると言える。その思いが相手に通じるかどうかは分からない。そもそも恋愛において男女は互いに異質な他者であるから。このように見ると、内田氏にとって難波江氏の「やさしさ」とは、自分の方から読者(他者)を歓待することを意味し、内田氏は他者からの求めに応ずると言う。自発的か否かの差異はあるが、他者を歓待することは同じである。要するに、内田氏はレヴィナスの思想を借りて難波江氏の恋愛論を語るのである。マルクスの『背本論』では、イギリス労働者階級(現代日本で言えば中学生)の貧困と労働疎外を文学的に捉えよと主張する。今年春に上映された「マルクス・エンゲルス(原題は青年マルクス)」は、青年マルクスとエンゲルスが無政府主義者プルードンのサークルから決別するのは、プルードンには資本主義の矛盾(労働疎外)が生まれる原因についての理論的考察が欠けていたからであった。マルクス・エンゲルスが求めていたのは社会主義の「科学」(科学的社会主義)であった。『資本論』は内田氏の言うように「文学」的に表現されるべきものである以上に、科学的に分析されるべきものである。この点において労働者階級の貧困と労働疎外を文学作品で訴えても根本的な問題解決にはならないのである。いろいろあるが、内田氏の読書術はとてもユニークで学ぶべきことが多い。著者の驚異的な博識と強靭な知性は広範な読書で培われたものだ。リベラルアーツとは、内田氏が読書で身に付けたような幅広い教養のことを言うのである。お勧めの一冊だ。著者の文春文庫『レヴィナスと愛の現象学』で予告されたレヴィナスから論じる身体論の刊行を心待ちにしたい。
2020年1月27日に日本でレビュー済み
本書は内田樹さんの短編エッセイを纏めたもの。いつものように、平易ながら味わい深いコメントの数々。また、内田さんの本の読み方から、博覧強記の秘訣もよくわかる。読みながら考え、アウトプットしていく、そのサイクルがとても短い。重度の活字中毒ぶりや、好奇心の強さは幼い頃からの性格のようだ。
本書でとりわけ印象に残ったのは以下の点。
⚫︎学ぶ力は他人と比べるものではなく、個人的な無能の自覚とは、学ぶ事に対する激しい意欲を意味する。間違いなく日本人は学ぶ事については一種の民族的才能を賦与されている。それが創造できないことの代価であっても、優れた能力であることに変わりはない。もの。
⚫︎学ぶことに対しどれくらい集中し、夢中になれるか、その強度や深度を評するためにこそ学力という言葉を用いるべき。時間的変化を点検したときに初めて自分の身に何かが起きていることがわかる。もし力が伸びているなら、それは今の生き方が正しいということであり、力が落ちていれば、それは今の生き方のどこかに問題があるということ。
⚫︎もし歴史を動かす本当に大きな出来事があつたとしたら、それは出来事としては出来しないだろう。最も巨大な人間的努力、最も精密な人間的巧知は、起こっても良かったはずの災厄が起こらなかったという形で達成される。
起きていないことを想像して、なぜそうならなかったのかを考える。そうした思考回路は普段あまりないが、思考の幅を広げる上で有意義な方法だろう。
本書でとりわけ印象に残ったのは以下の点。
⚫︎学ぶ力は他人と比べるものではなく、個人的な無能の自覚とは、学ぶ事に対する激しい意欲を意味する。間違いなく日本人は学ぶ事については一種の民族的才能を賦与されている。それが創造できないことの代価であっても、優れた能力であることに変わりはない。もの。
⚫︎学ぶことに対しどれくらい集中し、夢中になれるか、その強度や深度を評するためにこそ学力という言葉を用いるべき。時間的変化を点検したときに初めて自分の身に何かが起きていることがわかる。もし力が伸びているなら、それは今の生き方が正しいということであり、力が落ちていれば、それは今の生き方のどこかに問題があるということ。
⚫︎もし歴史を動かす本当に大きな出来事があつたとしたら、それは出来事としては出来しないだろう。最も巨大な人間的努力、最も精密な人間的巧知は、起こっても良かったはずの災厄が起こらなかったという形で達成される。
起きていないことを想像して、なぜそうならなかったのかを考える。そうした思考回路は普段あまりないが、思考の幅を広げる上で有意義な方法だろう。
2017年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この人は東大仏文の卒業だ。152pの「追悼レヴィ=ストロース」で、この人は
「アルベール・カミユ、ジャン=ポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーヴォワー
ル、モーリス・メルロー・ポンティ、モーリス・ブランショ、ジョルジュ・バタイ
ユ、ジャック・ラカン、ミシュエル・フーコー、ロラン・バルト、レイモン・アロ
ン、エマニュエル・レヴィナス・・(中略)フランスの知的エリートたちは『自分
たちがフランスの知性の精髄』だという自覚をもっていた」と称揚している。そし
て彼らは「フランスが世界に差し出す『知的贈り物』のクオリティに直結すること
を自覚していた」と付け加えている。いやはや、まさしくこの人にとってフランス
現代思想は「おフランス」なのだ。
さて、本当に世界は彼らから「知性の真髄」を受け取っていたのだろうか。話は
代わるが、当時わが国ではシャンソンが音楽界で特別な地位にあった。ジュリエッ
ト・グレコがサルトルの実存主義にかぶれて黒シャツを着用、わが国でも「おフラ
ンス」のシャンソン青年たちが(おかまが多かったが)黒シャツを着用して実存主
義者を気取った。しかしながらシャンソンは、音楽的には、旋律は、えてして平板、
特にリズムにおいて魅力が少なく、要するに「語り」の音楽だった。日本人でシャ
ンソンを歌いたがる歌手は、声量もなく、リズム感にも欠ける、すなわち素人に毛
の生えた程度の人たちだった。有力政治家石井光次郎の娘であった石井好子がその
典型だった。だからこそ、シャンソンの寿命は短く、フランスにおいてさえも、ジ
ャズとロックに王座を追われ、パリには、いまや、シャンソンの常打ち小屋がない
という。
フランス人は商売が上手だ。カルチェやルイ・ヴィトンなどファッション製品、
絵画などのルーブル美術館、シャンソン、そして「フランス現代思想」、原価がた
だ同様のものを売って(見せて)外貨を稼ぎ「おフランス」文化の影響力をほかの
国に及ぼしている。しかしながら、上記のものを大量に買い、強い影響力を受ける
のは後進国だ。
この人(著者)は232pの「レヴィナスと愛の現象学」において「(レヴィナ
ス)の主著の翻訳が揃ったのは、英語版よりも日本語版のが早かった」と述べてい
る。そして加えて「(レヴィナスの著書には何が書いてあるかわからなかった。僕
自身もそうだった」と述べている。
わからないものを翻訳したり、解説したりして、学者ぶるのは、要するに「衒学」
そのものだ。高等数学や原子物理学じゃあるまいし、人文科学で主張、理論が「わ
からない」というのがどういう状況なのか、正直言って僕には理解できない。いま
でもそうだと思うが、男子が大学の文学部に入学すると言うと、昔のまともな親は
大反対した。就職ができないという実利的な意味からだけではなく、わけのわから
ぬ屁理屈をこねるという心配からだった。
フランス現代思想など、せめて私立女子大の講座に置くだけにして欲しい。まし
てや国費を使う国立大学に講座を置くなどとんでもない。到底学問とは言えず、加
えて世の中になーんにも役に立たないからだ。そして、日本はいまや「おフランス
」を崇めたてるべき後進国ではないからだ。
「アルベール・カミユ、ジャン=ポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーヴォワー
ル、モーリス・メルロー・ポンティ、モーリス・ブランショ、ジョルジュ・バタイ
ユ、ジャック・ラカン、ミシュエル・フーコー、ロラン・バルト、レイモン・アロ
ン、エマニュエル・レヴィナス・・(中略)フランスの知的エリートたちは『自分
たちがフランスの知性の精髄』だという自覚をもっていた」と称揚している。そし
て彼らは「フランスが世界に差し出す『知的贈り物』のクオリティに直結すること
を自覚していた」と付け加えている。いやはや、まさしくこの人にとってフランス
現代思想は「おフランス」なのだ。
さて、本当に世界は彼らから「知性の真髄」を受け取っていたのだろうか。話は
代わるが、当時わが国ではシャンソンが音楽界で特別な地位にあった。ジュリエッ
ト・グレコがサルトルの実存主義にかぶれて黒シャツを着用、わが国でも「おフラ
ンス」のシャンソン青年たちが(おかまが多かったが)黒シャツを着用して実存主
義者を気取った。しかしながらシャンソンは、音楽的には、旋律は、えてして平板、
特にリズムにおいて魅力が少なく、要するに「語り」の音楽だった。日本人でシャ
ンソンを歌いたがる歌手は、声量もなく、リズム感にも欠ける、すなわち素人に毛
の生えた程度の人たちだった。有力政治家石井光次郎の娘であった石井好子がその
典型だった。だからこそ、シャンソンの寿命は短く、フランスにおいてさえも、ジ
ャズとロックに王座を追われ、パリには、いまや、シャンソンの常打ち小屋がない
という。
フランス人は商売が上手だ。カルチェやルイ・ヴィトンなどファッション製品、
絵画などのルーブル美術館、シャンソン、そして「フランス現代思想」、原価がた
だ同様のものを売って(見せて)外貨を稼ぎ「おフランス」文化の影響力をほかの
国に及ぼしている。しかしながら、上記のものを大量に買い、強い影響力を受ける
のは後進国だ。
この人(著者)は232pの「レヴィナスと愛の現象学」において「(レヴィナ
ス)の主著の翻訳が揃ったのは、英語版よりも日本語版のが早かった」と述べてい
る。そして加えて「(レヴィナスの著書には何が書いてあるかわからなかった。僕
自身もそうだった」と述べている。
わからないものを翻訳したり、解説したりして、学者ぶるのは、要するに「衒学」
そのものだ。高等数学や原子物理学じゃあるまいし、人文科学で主張、理論が「わ
からない」というのがどういう状況なのか、正直言って僕には理解できない。いま
でもそうだと思うが、男子が大学の文学部に入学すると言うと、昔のまともな親は
大反対した。就職ができないという実利的な意味からだけではなく、わけのわから
ぬ屁理屈をこねるという心配からだった。
フランス現代思想など、せめて私立女子大の講座に置くだけにして欲しい。まし
てや国費を使う国立大学に講座を置くなどとんでもない。到底学問とは言えず、加
えて世の中になーんにも役に立たないからだ。そして、日本はいまや「おフランス
」を崇めたてるべき後進国ではないからだ。





