「行動経済学(経済は感情で動いている)」を読んだ。
この本によれば、人は損得勘定だけではなく、直感や感情も含めて選好しているのだという。
行動経済学の理論、効果には次のものがある。
1.ヒューリスティクス
人は、意思決定にヒューリスティクス(直感)を使用する。
ヒューリスティクスには、一定のバイアス(偏り)が含まれる。
ヒューリスティクスには、次の代表的な例がある。
利用可能性 ・・・ 知っているもの、イメージしやすもの、具体的なものを優先して判断材料にする。
代表性 ・・・ 一部の典型的な事象を、あたかも全体の事象として判断材料にする。「リンダ問題」
アンカリング ・・・ 初見の情報を基準とし、それに調整したものを判断材料にする。
2.プロスペクト理論
人は絶対値ではなく、相対的な変化に反応する。
例えば、年収100万円の人が300万円になれば喜ぶし、年収500万円の人が300万円になれば悲しむ。同じ300万円なのに。
プロスペクト理論には次の特徴がある。
参照点依存性 ・・・ 参照点からの移動が価値をもたらす。
感応度逓減性 ・・・ 小さな変化は大きな感応度をもたらし、大きな変化は小さな感応度をもたらす。
損失回避性 ・・・ 損失は、利得よりも強く評価される。
最後の損失回避性によってもたらされる行動の変化には次の3つがある。
確実性効果 ・・・ 人は確実なことを特に重視する。
保有効果 ・・・ 人は所有しているモノや状態を、相場よりも高く評価する。
現状維持バイアス ・・・ 人は現在の状態から変わることを回避する傾向にある。
3.フレーミング効果
人はまったく同じ内容を見ても、状況や理由によって違うように受け取る。
例えば、同じ金額でも「2割引」と「1万円の値引き」では、売れ行きが違ってくる。
フレーミング効果には、次のものがある。
初期値効果 ・・・ デフォルトがあたかも良い判断のように選択される。
貨幣錯覚 ・・・ 実質値ではなく、名目値(時価)に基づいて判断される。
サンクコスト効果 ・・・ すでに払ってしまったコストは、将来の意思決定に強く影響する。
極端の回避効果 ・・・ 梅松竹があれば、真ん中が選ばれる。
選択肢の矛盾 ・・・ 選択肢は増えるほど、売上は落ちる。
ほか、時間選好や社会的選好についても本書に記載されている。
全397ページと読み応えがあり、行動経済学が1冊で構造的にまとまっている。
難しい言葉も多いので、中級者以上にオススメしたい。
購入オプション
| 紙の本の価格: | ¥1,045 |
| 割引: | ¥ 110 (11%) |
|
|
|
| Kindle 価格: |
¥935
(税込) |
|
獲得ポイント:
|
9ポイント
(1%)
|
行動経済学~経済は「感情」で動いている~ (光文社新書) Kindle版
-
言語日本語
-
出版社光文社
-
発売日2006/5/20
-
ファイルサイズ2649 KB
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣ハンス・ロスリングKindle版
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」Kindle版
投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識 (日本経済新聞出版)ハワード・マークスKindle版
行動経済学の使い方 (岩波新書)Kindle版
実践 行動経済学Kindle版
行動経済学まんが ヘンテコノミクスKindle版
商品の説明
出版社からのコメント
■推論してみよう。一番「合理的」な金額はいくらか?
問題:あなたは1000円渡され、見知らぬ誰かと分けるようにと言われた。自分の分として全額手元に置いてもいいし、一部を自分で取り、残りを相手に渡してもよい。ただし相手には拒否権があり、相手がその額を受領したらあなたの提案どおりに分配されるが、相手がそれを拒否したら2人とも一銭ももらえないとする。あなたなら相手にいくら渡すと提案するだろうか?(第1章より、解説は53頁) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
問題:あなたは1000円渡され、見知らぬ誰かと分けるようにと言われた。自分の分として全額手元に置いてもいいし、一部を自分で取り、残りを相手に渡してもよい。ただし相手には拒否権があり、相手がその額を受領したらあなたの提案どおりに分配されるが、相手がそれを拒否したら2人とも一銭ももらえないとする。あなたなら相手にいくら渡すと提案するだろうか?(第1章より、解説は53頁) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
「経済人」という特別の人々をご存知だろうか?禁煙や禁酒やダイエットに失敗するなんてことはありえない。しょっちゅう電車の中に傘を忘れたり、ダブルブッキングをして友人を不愉快な気持ちにさせたり、当たるはずのない宝くじに大金を投じたりはしない。経済活動を行なっている人、つまりわれわれすべてがこのような人物であるという想定の下で、標準的経済学は構築されている。感情などに振り回されない、超合理的な経済人を扱う経済学は、どこか現実にそぐわない。感情、直感、記憶など、心のはたらきを重視し、私たちの現実により即した経済学を再構築しようとする新しい学問、「行動経済学」の基礎を、詳しく解説。
--このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
著者について
著者・友野典男
1954年埼玉県生まれ。早稲田大学商学部卒、同大学院経済学研究科博士後期課程退学。明治大学短期大学教授を経て、2004年より明治大学情報コミュニケーション学部教授、同大学院グローバル・ビジネス研究科講師。専攻は行動経済学、ミクロ経済学。主な著書に、『経済学の諸相』(共著、学文社)、『経済学の論理と数理』(共著、早稲田大学出版部)、『経済学の世界』(共著、八千代出版)他がある。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
1954年埼玉県生まれ。早稲田大学商学部卒、同大学院経済学研究科博士後期課程退学。明治大学短期大学教授を経て、2004年より明治大学情報コミュニケーション学部教授、同大学院グローバル・ビジネス研究科講師。専攻は行動経済学、ミクロ経済学。主な著書に、『経済学の諸相』(共著、学文社)、『経済学の論理と数理』(共著、早稲田大学出版部)、『経済学の世界』(共著、八千代出版)他がある。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
友野/典男
1954年埼玉県生まれ。早稲田大学商学部卒、同大学院経済学研究科博士後期課程退学。明治大学短期大学教授を経て、2004年より明治大学情報コミュニケーション学部教授、同大学院グローバル・ビジネス研究科講師。専攻は行動経済学、ミクロ経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
1954年埼玉県生まれ。早稲田大学商学部卒、同大学院経済学研究科博士後期課程退学。明治大学短期大学教授を経て、2004年より明治大学情報コミュニケーション学部教授、同大学院グローバル・ビジネス研究科講師。専攻は行動経済学、ミクロ経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B00GU4R8M8
- 出版社 : 光文社 (2006/5/20)
- 発売日 : 2006/5/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2649 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 395ページ
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 69,109位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 551位光文社新書
- - 8,978位ビジネス・経済 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.7
星5つ中の3.7
110 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年4月7日に日本でレビュー済み
違反を報告
Amazonで購入
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2009年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
標準的経済学において置かれている「人間は経済的・物質的効用を最大化するために合理的にしか行動しない」という前提に対し、「そんなことないよね、日々の行動を見てみれば、そんなに合理的に意思決定してないよね」という一石を投じ、何故人々がそのような「非」合理的な行動を取るのかを分析・解説する。
尚、標準的経済学を否定しているわけではなくむしろ補強する内容であり、交渉や人事制度の設計、(容易に純粋なゲーム理論をあてはめてしまいがちな)事業上の意思決定等、ビジネスの分野に対して示唆するものは非常に大きい。
入門書とは言えどもアカデミックな内容なのでそれなりに難しいが、数多くの面白い結果を伴う実験が紹介され、それを読むだけでも行動経済学が標準的経済学に対して投げかけている問題意識を身近に感じることができる。伝統的な経済学・経営学等を一通り勉強した後の方が学びは多いとは思うものの、左記理由により学問として経済学を学んだことが無い人でも面白く読めるのではないでしょうか。
尚、標準的経済学を否定しているわけではなくむしろ補強する内容であり、交渉や人事制度の設計、(容易に純粋なゲーム理論をあてはめてしまいがちな)事業上の意思決定等、ビジネスの分野に対して示唆するものは非常に大きい。
入門書とは言えどもアカデミックな内容なのでそれなりに難しいが、数多くの面白い結果を伴う実験が紹介され、それを読むだけでも行動経済学が標準的経済学に対して投げかけている問題意識を身近に感じることができる。伝統的な経済学・経営学等を一通り勉強した後の方が学びは多いとは思うものの、左記理由により学問として経済学を学んだことが無い人でも面白く読めるのではないでしょうか。
2008年5月17日に日本でレビュー済み
はじめに、この友野典男・明大教授(当書刊行時)の著書は、“新書版”ながら397頁に上り、サクッと読むには、少々しんどかった、というのが私の偽わざる感想だ。特に、第9章「理性と感情のダンス」となると、「感情の働き」や「脳神経科学の方法によって探究しようとする『神経経済学』」(本書P.324)、あるいは「進化の力」といった課題を展開するのだけれども、これらの内容を詳細に論述するだけで、優に1冊の“新書”が書けるのではないだろうか。実に「勿体ない」ような気がする…。
さらに、もう少し第9章を眺めると、「より良い意志決定のために重要な役割を果たしているのは感情だということが、最近の心理学や脳神経科学の発展により明らかにされつつある」(同P.324)みたいだ。そして、私に関しては、標準的経済学が想定する「経済人(ホモ・エコノミカス)」―「感情に左右されず、もっぱら勘定」で動き、「市場は重視するが、私情や詩情には無縁」で、「金銭に触れるのは好きだが、人の琴線に触れることには興味がない」(同P.325)人間―を演じ切れそうもない。
ところで、年金の問題について、たとえば「個人が自分で貯蓄すれば十分だし、無年金者を防ぐには民間の年金に強制加入させればよい」といった論調がある。すなわち経済教科書的な人間、つまり自分の将来を確実に予見し、未来の消費行動等を計算しうる“超合理的な経済人”であれば、せっせと蓄財に励むのだろう。しかし、本書にある「現在志向バイアス」をもち、「時間非整合的な行動」をとる“生身の人間”に、それは殆ど無理というものだ。だからこそ、公的年金制度とその財源調達手段の議論が必要なのである。
Amazonで購入
はじめに、この友野典男・明大教授(当書刊行時)の著書は、“新書版”ながら397頁に上り、サクッと読むには、少々しんどかった、というのが私の偽わざる感想だ。特に、第9章「理性と感情のダンス」となると、「感情の働き」や「脳神経科学の方法によって探究しようとする『神経経済学』」(本書P.324)、あるいは「進化の力」といった課題を展開するのだけれども、これらの内容を詳細に論述するだけで、優に1冊の“新書”が書けるのではないだろうか。実に「勿体ない」ような気がする…。
さらに、もう少し第9章を眺めると、「より良い意志決定のために重要な役割を果たしているのは感情だということが、最近の心理学や脳神経科学の発展により明らかにされつつある」(同P.324)みたいだ。そして、私に関しては、標準的経済学が想定する「経済人(ホモ・エコノミカス)」―「感情に左右されず、もっぱら勘定」で動き、「市場は重視するが、私情や詩情には無縁」で、「金銭に触れるのは好きだが、人の琴線に触れることには興味がない」(同P.325)人間―を演じ切れそうもない。
ところで、年金の問題について、たとえば「個人が自分で貯蓄すれば十分だし、無年金者を防ぐには民間の年金に強制加入させればよい」といった論調がある。すなわち経済教科書的な人間、つまり自分の将来を確実に予見し、未来の消費行動等を計算しうる“超合理的な経済人”であれば、せっせと蓄財に励むのだろう。しかし、本書にある「現在志向バイアス」をもち、「時間非整合的な行動」をとる“生身の人間”に、それは殆ど無理というものだ。だからこそ、公的年金制度とその財源調達手段の議論が必要なのである。
VINEメンバー
Amazonで購入
人間は合理的に行動できるのか?
経済学的な理論に従って人間は行動するのか?
そもそも利益とは金銭的な利益だけなのか?
現実世界の人間は理論や原理原則通りには行動しない。では、経済学の理論は無意味なのか?そうではないだろう。すべての現象が一見、物理の法則のみに従っていないようには見えるが、さまざまな条件や環境の組み合わせによって原則を無視しているように見えるだけだ。経済学は実際の現象と理論を結ぶ架け橋がより見えにくいために実社会の振る舞いとはかけ離れているように見えるのかもしれない。
人間が動かす実社会の経済的行動を理解するための有益なツールとなり得るのが行動経済学であろう。
なぜ一見合理的でない行動をするのか、より長期に、より広い視野で、また別の側面から考え、従来の経済学の理論をさらに充実し、補強させるのが行動経済学である。決してこれまでの経済学を否定するものではなく、これまでの取り組みではカバーしきれなかった分野を補充するのが行動経済学であることが本書により理解できた。
ただ、行動経済学を網羅しようとする心意気は買うが、確証ごとのつながりが見えにくく、かえって全体像がとらえにくくなってしまった感もある。また、経済学の素養がないままに読むと何が言いたいのかよくわからない部分も多い。経済学の初学者あたりが対象となろうか。
個人的には経済学を学ぶと利己的になってしまうのか?という疑問や自閉症者が経済人的な振る舞いを見せたという実験結果が面白かった。
損失回避性や現在試行バイアスなどは組織を運営する上では不可欠の視点かもしれない。公共財ゲームは有名であるが、これほど多くのバリエーションの実験がなされているとは思ってもいなかった。利他性も完全に自己の利益を排除した行動は見られないというのも納得である。本当の意味での利益
とは何かを考えるにはよい題材であろう。狭い意味での経済にとどまらず、人間や社会の本質や行動について考察し、理解するために行動経済学は今後ますます影響力を強めていくだろうと感じた次第である。
経済学的な理論に従って人間は行動するのか?
そもそも利益とは金銭的な利益だけなのか?
現実世界の人間は理論や原理原則通りには行動しない。では、経済学の理論は無意味なのか?そうではないだろう。すべての現象が一見、物理の法則のみに従っていないようには見えるが、さまざまな条件や環境の組み合わせによって原則を無視しているように見えるだけだ。経済学は実際の現象と理論を結ぶ架け橋がより見えにくいために実社会の振る舞いとはかけ離れているように見えるのかもしれない。
人間が動かす実社会の経済的行動を理解するための有益なツールとなり得るのが行動経済学であろう。
なぜ一見合理的でない行動をするのか、より長期に、より広い視野で、また別の側面から考え、従来の経済学の理論をさらに充実し、補強させるのが行動経済学である。決してこれまでの経済学を否定するものではなく、これまでの取り組みではカバーしきれなかった分野を補充するのが行動経済学であることが本書により理解できた。
ただ、行動経済学を網羅しようとする心意気は買うが、確証ごとのつながりが見えにくく、かえって全体像がとらえにくくなってしまった感もある。また、経済学の素養がないままに読むと何が言いたいのかよくわからない部分も多い。経済学の初学者あたりが対象となろうか。
個人的には経済学を学ぶと利己的になってしまうのか?という疑問や自閉症者が経済人的な振る舞いを見せたという実験結果が面白かった。
損失回避性や現在試行バイアスなどは組織を運営する上では不可欠の視点かもしれない。公共財ゲームは有名であるが、これほど多くのバリエーションの実験がなされているとは思ってもいなかった。利他性も完全に自己の利益を排除した行動は見られないというのも納得である。本当の意味での利益
とは何かを考えるにはよい題材であろう。狭い意味での経済にとどまらず、人間や社会の本質や行動について考察し、理解するために行動経済学は今後ますます影響力を強めていくだろうと感じた次第である。
2008年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全ての人間が利己的に動くわけではない。
経済活動に置ける人間の動きを、感情を取り混ぜて紹介しています。
つまり、人間の様々な行動、判断においては、経済学的な利己的な合理性のみで動くものではなく、
物質的満足と併せて、感情的な快楽、この2つがバランスを取って合理的に動き、
物事を判断するとしているのです。
実験結果の内容を織り交ぜ、幾つかの理論と事象を紹介しています。
内容に寄っては、経済学で見るような複雑な数式も出てきますが、本質的な部分ではないので
そこは飛ばせば、分かりやすい内容だと思います。
新書ではありますが、そこそこページ数もありますから、読み応えもあります。
経済活動に置ける人間の動きを、感情を取り混ぜて紹介しています。
つまり、人間の様々な行動、判断においては、経済学的な利己的な合理性のみで動くものではなく、
物質的満足と併せて、感情的な快楽、この2つがバランスを取って合理的に動き、
物事を判断するとしているのです。
実験結果の内容を織り交ぜ、幾つかの理論と事象を紹介しています。
内容に寄っては、経済学で見るような複雑な数式も出てきますが、本質的な部分ではないので
そこは飛ばせば、分かりやすい内容だと思います。
新書ではありますが、そこそこページ数もありますから、読み応えもあります。
2006年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
行動経済学から神経経済学、さらに進化生物学や文化心理学の観点も踏まえて、人間の意思決定に関する最新の知見が紹介されている。
とかくお上によって政策決定がされるとき、その根底にある人間像は伝統的な「合理人」が前提になっているように思えてならない。
昨今の学校教育対策しかり、少子化対策しかりである。
本書によれば、人間の意思決定には感情が大きく関わっている。感情と理性は補完関係にあるのである。
そうすると、人間をある程度コントロールし、望ましいと思われる方向へと導く立場にある者は、その双方をよりよく理解すべきであるということになる。
そして、その感情が広い意味での文化によって伝達・維持されるものであるならば、政策決定において文化の違いというものも考慮にいれる必要があるし、さらにその前提として文化がきちんと伝達される基盤をしっかり整えねばならないだろう。
もっとも、この本はそのような特定の人向けに書かれたものではもちろんない。
社会生活を営む上で、人間はただ利己的に個人の効用のみを追い求めるのではなく、あくまで協力関係を前提とした効用最大化の行動によってこそ結果としてより多くの幸せを得ることができる。
そのような協力関係を構築・維持していくのは、我々一人一人であって、そうした意識なり行動こそ現代人にとって最も必要なのものではないだろうか。
社会で起きている様々な問題を前に、自分は無関係であると決して思ってはならない。
そして、感情がその協力関係を支えるのに大きな役割を果たしていることを忘れてはならないのである。
本書を一通り読んだ上で、脳神経学、社会学、文化人類学、文化心理学等の本を読み進めてみると、なおいっそう内容の理解が深まるものと思われる。
とかくお上によって政策決定がされるとき、その根底にある人間像は伝統的な「合理人」が前提になっているように思えてならない。
昨今の学校教育対策しかり、少子化対策しかりである。
本書によれば、人間の意思決定には感情が大きく関わっている。感情と理性は補完関係にあるのである。
そうすると、人間をある程度コントロールし、望ましいと思われる方向へと導く立場にある者は、その双方をよりよく理解すべきであるということになる。
そして、その感情が広い意味での文化によって伝達・維持されるものであるならば、政策決定において文化の違いというものも考慮にいれる必要があるし、さらにその前提として文化がきちんと伝達される基盤をしっかり整えねばならないだろう。
もっとも、この本はそのような特定の人向けに書かれたものではもちろんない。
社会生活を営む上で、人間はただ利己的に個人の効用のみを追い求めるのではなく、あくまで協力関係を前提とした効用最大化の行動によってこそ結果としてより多くの幸せを得ることができる。
そのような協力関係を構築・維持していくのは、我々一人一人であって、そうした意識なり行動こそ現代人にとって最も必要なのものではないだろうか。
社会で起きている様々な問題を前に、自分は無関係であると決して思ってはならない。
そして、感情がその協力関係を支えるのに大きな役割を果たしていることを忘れてはならないのである。
本書を一通り読んだ上で、脳神経学、社会学、文化人類学、文化心理学等の本を読み進めてみると、なおいっそう内容の理解が深まるものと思われる。
2006年10月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は経済学を学んでいないので、経済学について書かれた数冊の本からの知識しかありませんでした。その中で、いつも疑問に思っているのが経済学とは色んな要素を除外した場合が前提になっている事の違和感です。例えばIS曲線やLM曲線についても必ず、「〜は考慮しないものとする」等の但書が前提条件となっています。本書では経済学ではなく、人間心理学の要素を含んだ人間の経済行動について多くの文献を研究し分りやすく書かれています。感情を持った人間が行動するときに、経済学で分析された理論だけでは答えられない分野が数多くあります。経済学というよりは人間の行動心理学に近い本書は例えば販促ツールや営業現場でも役立つものだと思います。
