市橋ミツカという奔放な女を複数人の関わった人物の視点から描く作品である。
プロローグ、1話(喜多ユウキ14)、2話(赤星陽一21)、3話(桃園優子24)、4話(西垣俊二52)、5話(新居文哉29)、6話(喜多ユウキ28)、エピローグという構成。
エピローグ以外に、ミツカの主観は入らない。全てがミツカを外側から眺める視線によって描かれている。
このような手法は、作品として中心にいる人物が、謎めくことで読み手の興味を引き出すことになるのだが。
性的なエピソードが多く、奔放さがその辺りから離れない話がメインにあるので、ミツカの理想像がよく分からない。
ミツカに接することで、綺麗になることが出来た女がいる一方で自殺していく人物もいて、娘像を見る男もいるという多面的に描こうとしていたのが、ミツカ像の捉えどころの無さに繋がったのかもしれない。
フィールヤングに連載していた作品なので、女性向け作品で、かつ女性作家のマンガなのだが、全体的に迷走している感じがした。
プロローグろエピローグは書き下ろしらしいのだが、この迷走ぶりが続いているような印象も受けた。
エピローグは特に、ミツカの内面に入ってしまうので、今まで拘ってきた何かを放り投げた印象もある。
どの女の中にもあるミツカ像を描きたいのだとしたら?
そうだとしても、何かが物足りない。
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