黒川のベストセラーの一つ「後妻業」が出たときに、闇の取材ルートを通じてこの作品を書いたのではないかと
疑いたくなるほどの専門的かつ詳細な描写に舌を巻いた。彼のこの作品の後に、筧千佐子なる女の「後妻業」
としての犯罪が明らかになり世間を騒がすことになった。そして、この「蒼煌」、芸術院会員選挙をめぐっての
画家を始めとする芸術家たちの欲にまみれた世界が描かれていく。画家、画商、そして政治家も巻き込んでの
「戦争」、これを黒川はまたまた専門的な設定で描き切っている。彼自身京都芸大の出身、多少の噂や情報は
当然持っていただろうが、それを彼なりの取材と、自分の類稀なる想像力で、そして日本画家である妻の
アドバイスで以て、きっとこれは何人か実在のモデルがいる筈だと、読者に思わせるほどリアルな仕上がりの作品に
なっている。黒川の作品の一つのカテゴリーである刑事ややくざたちは出てこない。だが、きっちりとプロットを
作り出し、「落とし前のついた」作品にすることで、一種の推理小説を読んでいるように思わせるほどの
極上のエンターテインメントになっている。言うまでもないが、多岐にわたる登場人物の描き方も巧い。
一癖も二癖もある連中ばかりだが、どこか憎めないという黒川ワールドが展開されている。面白いとしか
言いようがない。
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蒼煌 (文春文庫) 文庫 – 2007/11/9
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「先生、一億円を撒かんとあかんのでっせ」
芸術院会員選挙を舞台に、金と権力に憑かれた日本画壇の暗部を描く問題作!
芸術院会員の座を狙う日本画家の室生は、選挙の投票権を持つ現会員らに対し、露骨な接待攻勢に出る。一方ライバルの稲山は、周囲の期待に応えるために不本意ながら選挙戦に身を投じる。会員の座を射止めるのは果たしてどちらか。金と名誉にまみれ、派閥抗争の巣と化した“伏魔殿"、日本画壇の暗部を描えいた傑作。
解説・篠田節子
これは業界を描いた話ではなく、(中略)政治家まで巻き込んでの選挙戦を舞台に、人の欲望と執着、そこで見失った物を描いた物語だ。(中略)大物、中物、小物、有象無象、ボッシュの絵を思わせる魑魅魍魎たちの存在感もまた、この物語に大人の読み物としての面白さを与えている──解説より。
芸術院会員選挙を舞台に、金と権力に憑かれた日本画壇の暗部を描く問題作!
芸術院会員の座を狙う日本画家の室生は、選挙の投票権を持つ現会員らに対し、露骨な接待攻勢に出る。一方ライバルの稲山は、周囲の期待に応えるために不本意ながら選挙戦に身を投じる。会員の座を射止めるのは果たしてどちらか。金と名誉にまみれ、派閥抗争の巣と化した“伏魔殿"、日本画壇の暗部を描えいた傑作。
解説・篠田節子
これは業界を描いた話ではなく、(中略)政治家まで巻き込んでの選挙戦を舞台に、人の欲望と執着、そこで見失った物を描いた物語だ。(中略)大物、中物、小物、有象無象、ボッシュの絵を思わせる魑魅魍魎たちの存在感もまた、この物語に大人の読み物としての面白さを与えている──解説より。
- 本の長さ466ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2007/11/9
- ISBN-104167447088
- ISBN-13978-4167447083
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
芸術院会員の座を狙う日本画家の室生は、選挙の投票権を持つ現会員らに対し、露骨な接待攻勢に出る。一方ライバルの稲山は、周囲の期待に応えるために不本意ながら選挙戦に身を投じる。会員の座を射止めるのは果たしてどちらか。金と名誉にまみれ、派閥抗争の巣と化した“伏魔殿”、日本画壇の暗部を描く。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
黒川/博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒業後、高校で美術を教え、86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞し、作家活動に入る。96年、『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞受賞。大阪を主舞台にした軽妙な語り口の中に、産廃問題や北朝鮮関連などの社会的テーマを取り込んだ独自の小説世界を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒業後、高校で美術を教え、86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞し、作家活動に入る。96年、『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞受賞。大阪を主舞台にした軽妙な語り口の中に、産廃問題や北朝鮮関連などの社会的テーマを取り込んだ独自の小説世界を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2007/11/9)
- 発売日 : 2007/11/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 466ページ
- ISBN-10 : 4167447088
- ISBN-13 : 978-4167447083
- Amazon 売れ筋ランキング: - 323,449位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 4,057位文春文庫
- - 7,107位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 32,282位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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黒川 博行 (くろかわ・ひろゆき)
1949年愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年『二度のお別れ』でサントリーミステリー大賞佳作。86年『キャッツアイころがった』でサントリーミステリー大賞を受賞。96年「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年『破門』で直木賞を受賞。
(本データは『海の稜線』が刊行された当時に掲載されていたものです。)「BOOK著者紹介情報」より
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2014年10月9日に日本でレビュー済み
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芸術院会員をめぐる壮絶な戦いがテーマである。
主人公の室生は、名門の出ではなく、努力によって這い上がってきた画家だ。
画家としての力量もあるが、それだけではけっして芸術院会員になれないのが、この世界だ。
彼は、老舗の老画商、殿村を参謀につけ、なりふりかまわぬ熾烈な選挙工作をする。
その結果、彼は成功を手にしたかに見えたが、ある事件をきっかけに状況が一転する。
もう一人の主人公は、大村だ。彼は、画家として才能があるにもかかわらず、師匠の室生にかわいそうなほどこきつかわれるが、彼のまわりに群がる美大の女子学生たちに手を出し続ける。これらの女性たちもすこぶるしたたかだ。
画家、彫刻家、書家などの閉鎖的な世界が生み出した腐敗の構造が浮き彫りにされた読み応えある小説である。
主人公の室生は、名門の出ではなく、努力によって這い上がってきた画家だ。
画家としての力量もあるが、それだけではけっして芸術院会員になれないのが、この世界だ。
彼は、老舗の老画商、殿村を参謀につけ、なりふりかまわぬ熾烈な選挙工作をする。
その結果、彼は成功を手にしたかに見えたが、ある事件をきっかけに状況が一転する。
もう一人の主人公は、大村だ。彼は、画家として才能があるにもかかわらず、師匠の室生にかわいそうなほどこきつかわれるが、彼のまわりに群がる美大の女子学生たちに手を出し続ける。これらの女性たちもすこぶるしたたかだ。
画家、彫刻家、書家などの閉鎖的な世界が生み出した腐敗の構造が浮き彫りにされた読み応えある小説である。
2019年2月25日に日本でレビュー済み
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Very nice
2008年6月30日に日本でレビュー済み
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とても面白かった。この本を手にしてから、読み出したらどんどん引き込まれ、1日で読み切ってしまいました。私は、どこまで書いていいのか悩みますが、絵に関わる人間で、この世界の真っ只中にいる人間です。私の周りで起こる事柄のそれぞれの点が、この本で線になり、すべての疑問を埋めてくれる思いがしました。勿論、フィクションであるとわかった上で、ここまでよく史実と実情を調べ上げたなという思いで、驚きました。揺れ動く人間の心の弱さ、めくるめく状況の渦に目が離せなくなり、最後まで息をつかせぬ展開に読み終えた後、心地よい疲れを覚えました。






