連作ミステリーはこうして書くのだよ、というお手本のような作品集であります。
ミステリー部分の出来はもちろん、各エピソードがドラマとしても実に秀逸。しんみりできます。
それだけに最後のオチは賛否が分かれるでしょうね。
もう一つ、難を挙げると、葬式をしないのが当たり前になった日本、というパラレルワールドな設定がいまいち活きていないような。
葬式組曲 (双葉文庫) (日本語) 文庫 – 2015/1/15
天祢 涼
(著)
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本の長さ376ページ
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言語日本語
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出版社双葉社
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発売日2015/1/15
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ISBN-104575517488
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ISBN-13978-4575517484
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
老舗酒造の杜氏である父親と衝突して、実家を飛び出した次男。七年後、父親の訃報にやむなく戻ると、「喪主はお前に」と不可解な遺言が残されていた。なぜ父親は、跡を継ぐ長男を差し置いて、次男に式を任せたのか?(「父の葬式」)葬儀を省く「直葬」が主流になった国で、死者をめぐる「謎」に戸惑う遺族たち。―女社長・紫苑が率いる北条葬儀社の面々は、式を滞りなく進められるのか。気鋭の放つ傑作連作ミステリー。
著者について
1978年生まれ。
『キョウカンカク』(文庫化にあたり改題『キョウカンカク 美しき夜に』)で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。
同作は2011年版「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選出された。
「父の葬式」が第66回日本推理作家協会賞〈短編部門〉候補作になるとともに、
同作収録の『葬式組曲』が第13回「本格ミステリ大賞」候補作となり、注目を集める。
著書には他に『闇ツキチルドレン』『空想探偵と密室メイカー』
『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』『もう教祖しかない! 』
『都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』がある。
『キョウカンカク』(文庫化にあたり改題『キョウカンカク 美しき夜に』)で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。
同作は2011年版「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選出された。
「父の葬式」が第66回日本推理作家協会賞〈短編部門〉候補作になるとともに、
同作収録の『葬式組曲』が第13回「本格ミステリ大賞」候補作となり、注目を集める。
著書には他に『闇ツキチルドレン』『空想探偵と密室メイカー』
『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』『もう教祖しかない! 』
『都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
天祢/涼
1978年生まれ。『キョウカンカク』(文庫化にあたり改題『キョウカンカク 美しき夜に』)で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。同作は2011年版「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選出された。「父の葬式」が第66回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作になるとともに、同作収録の『葬式組曲』が第13回本格ミステリ大賞(小説部門)候補作、「2013本格ミステリ・ベスト10」(原書房刊)の第7位となり注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1978年生まれ。『キョウカンカク』(文庫化にあたり改題『キョウカンカク 美しき夜に』)で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。同作は2011年版「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選出された。「父の葬式」が第66回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作になるとともに、同作収録の『葬式組曲』が第13回本格ミステリ大賞(小説部門)候補作、「2013本格ミステリ・ベスト10」(原書房刊)の第7位となり注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 双葉社 (2015/1/15)
- 発売日 : 2015/1/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 376ページ
- ISBN-10 : 4575517488
- ISBN-13 : 978-4575517484
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 750,707位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 1,368位外国のエッセー・随筆
- - 3,128位双葉文庫
- - 16,692位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.3
星5つ中の4.3
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衝撃的なデビュー作、「キョウカンカク」(2010年)を読んで以来、私のお気に入り作家リストに入っている著者が、今回題材に選んだのは、「葬式」。
映画の世界では、「お葬式」(1984年、伊丹十三監督)や「おくりびと」(2008年、滝田洋二郎監督)といった秀作が制作されていますが、ミステリの世界で、「葬式」をテーマにというのは、珍しいのではないでしょうか。
しかも、この著者らしく、一捻り加え、現実世界と異なり、「葬式」という儀式を行わない、「直葬」と呼ばれる、火葬と納骨だけの弔いが当たり前になった日本という設定。
これにより、「果たして、葬式は本当に必要なのか?」というアンチテーゼが作品を覆っています。
舞台となるのは、国内で唯一、「葬式」が行われているS県。
ここで葬儀社を営む、若き女社長が、三人の男性社員とともに故人や遺族の意向に沿った葬式を執り行う姿を描きます。
全体の構成は、「○○の葬式」と題する5つのエピソードが収められた、連作短編集ですが、「故人はなぜ長男を喪主に指名しなかったのか」であるとか、「遺族はなぜ火葬を嫌がるのか」といった葬式にまつわる「謎」が設定され、ミステリの骨格はしっかりと仕込まれています。
また、最近では、珍しくなくなりましたが、連作短編集として、個々の短編は、それぞれ完結しているが、全体を通した中にも、サプライズが仕掛けられているという手法が用いられています。
このサプライズが著者らしい大胆なもので、私はかなり楽しむことができました。
葬儀社の4名もそれぞれ個性的で、人物の描き分けもきちんとされており、設定の奇抜さに頼ることなく、丁寧な物語作りが印象的な作品。
エピソードごとに視点人物を変えていくところも、「葬式は本当に必要か?」という作品全体のモチーフを活かすのに一役買っているように思いました。
ちょっと変わった題材のミステリに興味のある方には、オススメです。
映画の世界では、「お葬式」(1984年、伊丹十三監督)や「おくりびと」(2008年、滝田洋二郎監督)といった秀作が制作されていますが、ミステリの世界で、「葬式」をテーマにというのは、珍しいのではないでしょうか。
しかも、この著者らしく、一捻り加え、現実世界と異なり、「葬式」という儀式を行わない、「直葬」と呼ばれる、火葬と納骨だけの弔いが当たり前になった日本という設定。
これにより、「果たして、葬式は本当に必要なのか?」というアンチテーゼが作品を覆っています。
舞台となるのは、国内で唯一、「葬式」が行われているS県。
ここで葬儀社を営む、若き女社長が、三人の男性社員とともに故人や遺族の意向に沿った葬式を執り行う姿を描きます。
全体の構成は、「○○の葬式」と題する5つのエピソードが収められた、連作短編集ですが、「故人はなぜ長男を喪主に指名しなかったのか」であるとか、「遺族はなぜ火葬を嫌がるのか」といった葬式にまつわる「謎」が設定され、ミステリの骨格はしっかりと仕込まれています。
また、最近では、珍しくなくなりましたが、連作短編集として、個々の短編は、それぞれ完結しているが、全体を通した中にも、サプライズが仕掛けられているという手法が用いられています。
このサプライズが著者らしい大胆なもので、私はかなり楽しむことができました。
葬儀社の4名もそれぞれ個性的で、人物の描き分けもきちんとされており、設定の奇抜さに頼ることなく、丁寧な物語作りが印象的な作品。
エピソードごとに視点人物を変えていくところも、「葬式は本当に必要か?」という作品全体のモチーフを活かすのに一役買っているように思いました。
ちょっと変わった題材のミステリに興味のある方には、オススメです。
2012年6月3日に日本でレビュー済み
葬儀屋を舞台にしたミステリーというと、本多孝好の「WILL」を思い浮かべますが、出版社がミステリー・リーグと銘打って競演させているだけあって、より本格推理志向の手ごわい謎が用意されています。5つの短編の連作形式で、「父の葬式」、「祖母の葬式」、「息子の葬式」、「妻の葬式」、そして、それまでの作品世界を根底からひっくり返してしまう究極の「葬儀屋の葬式」。
時代背景は、葬式という形態が否定された近未来の日本。悪徳な葬儀屋や僧侶が遺族に法外な料金を請求することが社会問題になり、政府が事実上の葬式禁止を目的にした「葬式税」を導入、それにより葬式をせずに火葬にする「直葬」が一般的になる。しかし、S県だけは「葬式は文化」というスタンスで独自に助成金を出していて、日本で唯一の葬式が行われる地域になっている。そのS県の葬儀会社が扱う風変わりな葬式が、されぞれの作品の舞台。どうです、なかなかユニークで魅力的な設定でしょ?
作者は、現代の形骸化した葬式の問題点を辛辣に批判しながらも、だからこそ、日本の精神文化としての葬儀の奥深さや必要性を、繰り返しアピールしている。故人をしっかりと葬るということは、遺族の心を救済することでもある……。謎解きも、遺族に対して、そして犯人に対してさえも、心優しい。
ただし、最後の「葬儀屋の葬式」で、その多くがひっくり返されてしまう。ミステリーとしては共感できても、心のどこかで“辛さ”を感じてしまうのは、わたしが「父の葬式」を体験したあとに読んだことが影響しているのかもしれません。
時代背景は、葬式という形態が否定された近未来の日本。悪徳な葬儀屋や僧侶が遺族に法外な料金を請求することが社会問題になり、政府が事実上の葬式禁止を目的にした「葬式税」を導入、それにより葬式をせずに火葬にする「直葬」が一般的になる。しかし、S県だけは「葬式は文化」というスタンスで独自に助成金を出していて、日本で唯一の葬式が行われる地域になっている。そのS県の葬儀会社が扱う風変わりな葬式が、されぞれの作品の舞台。どうです、なかなかユニークで魅力的な設定でしょ?
作者は、現代の形骸化した葬式の問題点を辛辣に批判しながらも、だからこそ、日本の精神文化としての葬儀の奥深さや必要性を、繰り返しアピールしている。故人をしっかりと葬るということは、遺族の心を救済することでもある……。謎解きも、遺族に対して、そして犯人に対してさえも、心優しい。
ただし、最後の「葬儀屋の葬式」で、その多くがひっくり返されてしまう。ミステリーとしては共感できても、心のどこかで“辛さ”を感じてしまうのは、わたしが「父の葬式」を体験したあとに読んだことが影響しているのかもしれません。
2012年6月14日に日本でレビュー済み
「葬式」というものをなくし、遺体は火葬するのみという「直葬」が主流になった日本。その中で唯一「葬式」が認められている一つの県で行われる数々の葬儀、というなかなか面白い設定。
葬儀の中で起こる様々な謎を解きつつ、改めて葬儀とは何か、亡くなった方を送ることとは何かということを考える機会ももらった気がする。
探偵役が社長ではなく、如何にもな関西人の社員というのも面白かった。
ただ…最終章は余計。
作家さんとしてはこれが書きたかったのだろうし読者に「どうだ!」と言いたいところなのだろうが、返って作品全体が安っぽくなってしまったように感じる。
もっと違う結末にしても良かったと思う。
葬儀の中で起こる様々な謎を解きつつ、改めて葬儀とは何か、亡くなった方を送ることとは何かということを考える機会ももらった気がする。
探偵役が社長ではなく、如何にもな関西人の社員というのも面白かった。
ただ…最終章は余計。
作家さんとしてはこれが書きたかったのだろうし読者に「どうだ!」と言いたいところなのだろうが、返って作品全体が安っぽくなってしまったように感じる。
もっと違う結末にしても良かったと思う。