私達は普段の生活の中でありとあらゆる「契約」を行なっています.例えば,「本書を書店で購入する」という行為も「売買契約」という法律行為の一種です.しかし,実際に契約をそれとして意識する場面は少なく,そうした事はトラブルの一因ともなっています.また,高度経済成長を経て大量生産・大量消費の時代が本格化してくると,事業者の生き残りを賭けた競争も激化し,悪質な商法が出現,社会問題化するようにもなりました.こうした悪質商法は,お年寄り(や若者)が狙われやすいため,高齢化社会が本格化する21世紀に於いては被害のさらなる拡大も予想されます.
「契約」が法律行為であることからも分かるように,日々の暮らしには様々な法律が関わっています.特に消費者契約周辺ではトラブルも増え,「消費者契約法」という新しい法律が施行されたり(2001年),「消費者保護基本法」が36年振りに改正されたり(2004年)と消費者の保護と自立を促す流れが慌ただしくなっています.そして,こうした消費者契約をはじめ,比較的身近なトピックを取り上げることで,法律に馴染みの無い読者の皆様にに役立ってもらう事が本書の主目的であります.
本書は3章構成で,それぞれ次のような内容を扱っています.トピックの数が比較的多いにも拘わらず,それぞれをある程度まで掘り下げて解説しているので,巷に溢れるQ&Aよりも興味深く読んで頂けるのではないかと思います.
[CHAPTER 1]消費者契約・悪質商法篇 契約の基本にはじまり,悪質商法の手口,悪質商法対策でもあるクーリング・オフや消費者契約法などを取り上げます.
[CHAPTER 2]借金・クレジットカード篇 借金や利息の基本にはじまり,クレジットカードやローンの仕組み,貸金業の種類(サラ金・街金・ヤミ金等)などを取り上げます.
[CHAPTER 3]日々の生活篇
敷金トラブル,ストーカー,交通事故,年金問題,痴漢,セクハラ,架空請求,インターネット・トラブル,携帯電話トラブルといった日々の生活に密接に関係するトピックに加え,内容証明郵便及び少額訴訟の概要を取り上げます.
内容(「MARC」データベースより)
「敷金って返ってくる?」「ストーカーに困ってます」「ケータイでトラブル発生!」「悪質商法にハマったみたい」…など身近な法律問題を厳選してわかりやすく解説。みんなのための法律解説書、決定版。
著者について
萌えるシリーズをプロデュースし,現在の出版市場に於ける「漫画・アニメふうのキャラクタを起用した一般書・解説書」のブームを作った伝説のプロジェクト.研究分野はコンピュータ,ネットワーク,テレコミュニケイション、法律,SF,アニメイション,漫画,ゲイム、サブ・カルチュア,音楽,歴史,科学など多岐に亙る.