本書をざっと読むと、むしろ現代文的な力が増進するようにみえます。
つまり、英語力の半分は国語力に依存しているのです。
そして、例えば東大英語に照準すると分かるのですが、
英語を読む際に文法や語法、語彙力のレベルで挫折していては、
いつまでたってもまともに英文を読めるようにはなりません。
本書で丁寧に解説されているようなパラグラフ・リーディング技術も、
基礎文法がしっかりしていて、語法・語彙力もある程度備わっていないと、
思い切り誤読しかねません。従って、読者はまずは中学レベルの基礎文法を仕込んだら、
次はある程度ランダム配列のテキストを用いて、語法・語彙力を補充するのがよいでしょう。
ここに、語法・語彙力といったのは、例えばequipという動詞があるとして、
この動詞の使い方をご存知でしょうか。equipは船舶などに器具類をとりつけるイメージですから、
その後どう単語を続けたらよいのでしょう。それはequip 船舶 with 器具類となります。
同じくcoverもそうですね。cover 被覆体 with 覆いとなります。
また、語彙力はどうでしょうか。equipの類義語(但し、語法が違うかもしれない)には、
例えばinstallがありますが、その語法はinstall 器具類 in 船舶ですから、
むしろ目的語の位置関係がequipとは逆位になります。こうした反転は英語ではよくあり、
個別に習得しなければいつまでも覚えません。逆にこうした知識の体系を鋭意ウェブ化し、
アタマの中にシソーラスを組み上げると、途端に英語の世界が豊かになり、
長文読解でも細かな部分の誤解を有意に防げるのです。
さて、結局パラグラフ・リーディングとは英文のかっちりした論理構造に沿って、
ある程度の長さの英文の意味を論理的に読み解き、
アタマの中に一つのイメージ世界を構築する営みなのですが、
読者は同時に細かな読みも併せて実行しなければなりません。
というのは、入試問題ではとくにそうした部分に文法・語法・語彙力に関する設問が施されるからで、
論理だけではいかんともしがたい場合も多々見受けられます。
そこで、東大英語を長年研究している当方として次のことを提案します:
英語は国語と併せて勉強するようにし、比較の観点を利用します。
日本語の文法・語法ではこういうところ、英語ではどうなるのか、といった比較です。
そうした観点の導入は数学の代数とも似て、抽象的な論理思考を培いますので、
いわば一石二鳥です。英語のみならず国語の成績も確実にアップするでしょう。
所詮語学なのですから、いわゆる英語漬けになるよりは、幾分賢い方法だと思います。
語学は「比較言語学的観点から攻めろ」というわけです。この一貫した姿勢がやがて英作文や、
リスニング・スピーキングにも現れ始め、奏効する日もそう遠くはないでしょう。
部分和訳なども併せて、読者の総合英語力がさらにアップすることを祈っております。
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