私自身吃音に悩んでいるものとしてレビューを書かせていただきます。たかが吃音ごときの映画だとか、吃音者に対する差別だといったレビューが散見されましたが、そのたかが吃音のせいで吃音者は周囲の人々から白い目で見られ、同僚たちからはいじめいじられ、心を傷つけられているのです。吃音について多くの人々が知ってもらえたという点で、この映画には本当に感謝したいです。誰もがスラスラと話せる世の中で「どうしてどもってしまうの？」と吃音者はまわりから理解されずにいます。吃音という症状がこの世の中のマジョリティに理解されないでいます。吃音には、この映画のように言葉がでない吃音やはじめに話す言葉を連発したり伸ばしてしまう吃音があります。吃音者はスラスラと話そうとしても、不可抗力でどもりの症状がでます。吃音は身体の障害ではなく、心の病気です。吃音を治す方法はまだ解明されおらず、この映画のように歌やリズムにのせたり、リラックスした状態でいたり、言いやすい言葉を一文字目に発したりすることで、吃音の症状が出ないようにしています。ですので、これから吃音者に出会ったとしても言葉を発せないでいる相手に、早く話せというような圧迫や頭のおかしい人を見るような目で見ないでください。それだけでも、わたしたち吃音者は落ち着いて話せます。
誰もが自分のコンプレックスを抱えており、完璧な人なんていません。つまりは、誰もがマイノリティで人の心の弱さはわかっているはずです。心の弱さをわかっているのなら、相手の弱さをさらに攻め立てるようなことはせずに、相手を思いやりやさしくできると思います。この世の誰もが、つまりマイノリティが生きやすい世の中になることを心から願います。
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