「同時通訳の神様」として知られた国弘正雄によると、使える英語を身につけるには、体内に英語の基礎回路を作ることが大切であり、そのためには音読学習法が有効だという。本書は、その考えに基づいて構成された、3か月間の音読実践トレーニングプログラムだ。用意された12レッスンの英文は、中学1、2年生用の英語の教科書から選択したもの。だからといってバカにしてはいけない。中学英語を完全に習得すれば「使える英語」が身につくのだ。
トレーニングは、1日1レッスンずつ英語を聞き、熟読し、そして何度も音読練習をする。12日で全レッスンが終わったら、レッスン1に戻って再び練習を続ける。その後、英文テキストを筆記する作業などが加わっていくが、基本的に、いたって単調な勉強法ではある。だが、テニスの上達に壁打ち練習が必要なように英語も毎日の地道な練習が大切。3か月間まじめにトレーニングすれば、確実に英語の実力は上がっているはずだ。(原 智子)
担当編集者より一言 「英会話・ぜったい・音読」シリーズの1冊目(『英会話・ぜったい・音読』)は、2000年4月に中学3年生用の英語教科書を題材に刊行しました。これが好評で15万部を越すベストセラーになっていますが、読者からのアンケート葉書で寄せられる苦情のひとつに、「どうして日本語訳がついていないの? 難しすぎて意味がとれない!」という点があります。
社会人の英語教育を手がけておられる千葉商科大学の太田信雄教授によりますと、学校を卒業して多少英語から離れていた社会人が、中学校の英語教科書を読んだ場合、次のように感じるケースが多いそうです。
「〈中1教科書:やさしい〉、〈中2教科書:ちょうど良い〉、〈中3教科書:ちょっとむづかしい〉」
いくら「音読練習」が効果的だと言っても、辞書や参考書を使わないと「解読」できないようなレベルの教材でやっていては、なかなか効果はあがりません。
習熟度に適した練習をして頂ければと考え、初めて「音読トレーニング」をされる方向けに出版することにしたのが、この『入門編』です。トレーニング材料は、中学1、2年生用の英語教科書から12レッスン(中1から2レッスン、中2から10レッスン)です。「学校で一応勉強したことがあるけど、使える英語が身についていない」、「もう何年も英語から遠ざかっている…」、「TOEICで500点程度を目指したい…」、そんな方を念頭に編集しました。
レッスン選択をしていただいた千田潤一先生の調査によると、「中学2年までの教科書に出てきた単語で、TOEICの単語の約80%(リスニングセクションにおいてはほぼ90%)がカバーされている」そうです。本書に収録したレッスンをご覧になると、「中学校1,2年の英語ってこんなにレベルが高かったの?!」と驚かれる方が少なくないでしょう。
このシリーズの入門者から上級者まで、自分のレベルにあわせて選択できるよう、下記があります。
『英会話・ぜったい・音読・入門編』(教材は中学1・2年の英語教科書から)
『英会話・ぜったい・音読』(教材は中3英語教科書から)
『英会話・ぜったい・音読・挑戦編』(教材は高1英語教科書から)(2001年秋刊行予定)
内容(「BOOK」データベースより)
“聴く・話す・読む・書く”の4機能をフル活用し、「英語体質」を作り上げる基礎トレーニング。はじめてのTOEIC受験にも最適!はじめての音読入門。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
国弘/正雄
東京生まれ。“同時通訳の神様”として知られる。NHK教育テレビ講師、文化放送「百万人の英語」講師、東京国際大学教授、日本テレビニュースキャスター、参議院議員などを歴任。英国エジンバラ大学特任客員教授。編著書に、『国弘正雄 自選集』(全6巻、英協)をはじめ、『英語の話しかた』(サイマル出版会)、『国弘流英語の話しかた』、『英語が第二の国語になるってホント!?』(以上たちばな出版)、『英会話・ぜったい・音読』(講談社インターナショナル)、訳書にE.ライシャワー『ザ・ジャパニーズ』(文芸春秋)、『地球憲法第9条』(講談社インターナショナル)、D.クリスタル『地球語としての英語』(みすず書房)などがある
久保野/雅史
横浜生まれ。筑波大学卒業、英語学専攻。現在、筑波大学附属駒場中学・高等学校教諭。筑波大学等で、一般英語・英語科教育法等を、カルチャーセンターで、社会人向け英会話講座を担当した経験をもつ。中学校検定教科書『Sunshine English Course』(開隆堂出版)、高校検定教科書『English PAL』(桐原書店)の執筆メンバー。他、各種英語教育研究団体で実践報告・公開授業を行なう
千田/潤一
岩手生まれ。福島大学卒業。TOEIC Friends Clubシニア・アドバイザー、(株)アイ・シー・シー代表取締役。著書に『TOEIC(R)テスト実践パック』シリーズ、『TOEIC(R)テストトレーニングブック』シリーズ(ともに増進会出版社)、『TOEIC(R)テストで英語をモノにする本』(洋販出版)、『TOEIC(R)テストスコアアップ体験記』(The Japan Times)、共著に『英会話・ぜったい・音読』(講談社インターナショナル)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)