こんな昔の本をなぜ読んでみたのか?
年功序列と転職不可能な終身雇用、社畜化が過労死の原因である。---これが私の確信となるに従って、ふとこの本の題名を目にしたからです。
副題の年功序列が奪う日本の未来。これこそ全く私と同じ考えではないかと思ったのです。しかし、著者によれば、年功序列はすでに崩壊しているというのです。なるほどそこまでになっているのかと思うのですが、職種が全く違う私にとっては新鮮でした。しかし、結論はこの筆者と違います。
本の内容です。戦後経済発展の中での拡大成長主義が年功序列賃金体系を可能としてきた。しかしバブル崩壊後は日本企業の拡大成長路線は破綻し、年功序列型賃金を維持することは困難となった。そこで企業は、中高年の年功序列はそのまま温存し、若者には勤続年数が長くなれば、やがて今の中高年と同じ恵まれた役職と俸給が手に入るという幻想をふり播いて新卒を採用するに至った。これはいわばネズミ講であり、詐欺だと。
しかし、すでに年功序列は崩壊しており、入社5-10年後の昇級、役職は望めないことは入社後、若者にも知ることになる。今までのような年功序列の階段を上がれないのなら、死ぬほど苦労して働くのはまっぴらだと。そこで、社員は3年で大部分は会社を辞めることになると。
では解決策はと言うことですが、著者は、会社を飛び出して、起業や新しいスキルを身につけて会社に依存しない働き方、もっと別の世界で挑戦するようにという解決策を提起している。
しかし、本書は日本の戦前戦後の歴史に翻弄される雇用形態の変化や国際的にも特殊な日本の労使一体型の経営構造にまでは考えが及んでおりません。筆者はもっぱら社会学的視点から、アプローチしているのですが、もう少し視野を広げて政治、経済の改革を行わなければ解決には至らないという事にまでは考えが至っていないようです。
若者が会社を辞めて成功する確率は、参入障壁や起業の壁が高い日本経済の環境の中では一部の若者を除いて成功する可能性はかなり低いといえます。間接金融や、官僚の規制、既存組織の温存を第Ⅰに考える政治家や官僚の中にあって特殊な人間しか生き残れないはず。アメリカとは違う環境の中で、会社を飛び出して頑張れと言ってもそれは裸でオオカミの群れに飛び込むようなものでしょう。
根本的な解決は、政治的経済的に国民が目覚め、欧米、北欧のような起業がしやすい社会に変えていく運動をして若者が挑戦できる社会環境を構築する以外にないのではないでしょうか。残念ながらこのことは右派から左派、保守革新を問わず意識が欠落していることです。労働組合は自らの血を流す勇気をもって徹底して年功序列型雇用形態をやめる方向で運動すること、官僚もそのことに気づいて国家を挙げて雇用形態、労働慣行を変えていくこと以外に解決の道はないでしょう。残念ながらこの筆者の若者に対する激励は小さな池のなかで、それなりにうまく生きていくことを提案しているに過ぎないと思います。
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書) 新書 – 2006/9/15
購入を強化する
年功序列は終わったと言われて久しい。いまや、上場企業の約9
割で成果主義が取り入れられている。とすれば、やる気と才能、そしてハッキリ
したキャリアビジョンさえ持ち合わせていれば、若くても活躍できる時代になっ
たのだろうか。いや、そんなことはない。状況はむしろ逆だ。いまの時代、汗
水たらして働いても、若いときの苦労はけっして報われない。下手をしたら、一
生下働きで終わる可能性もあるのだ−−「3年で3割辞める」新卒離職率、「心
の病」を抱える30代社員の急増、ニート、フリーター問題......。ベストセ
ラー『内側から見た富士通 「成果主義」の崩壊』の著者が、若者の視点で、い
まの若者をとりまく問題の核心に迫る。
割で成果主義が取り入れられている。とすれば、やる気と才能、そしてハッキリ
したキャリアビジョンさえ持ち合わせていれば、若くても活躍できる時代になっ
たのだろうか。いや、そんなことはない。状況はむしろ逆だ。いまの時代、汗
水たらして働いても、若いときの苦労はけっして報われない。下手をしたら、一
生下働きで終わる可能性もあるのだ−−「3年で3割辞める」新卒離職率、「心
の病」を抱える30代社員の急増、ニート、フリーター問題......。ベストセ
ラー『内側から見た富士通 「成果主義」の崩壊』の著者が、若者の視点で、い
まの若者をとりまく問題の核心に迫る。
- ISBN-104334033709
- ISBN-13978-4334033705
- 出版社光文社
- 発売日2006/9/15
- 言語日本語
- 本の長さ231ページ
この商品を見た後に買っているのは?
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
出版社からのコメント
仕事がつまらない。先が見えない。
努力しても、成果をあげても、一向に報われない。
やらされるのはいつまでも単純な作業だけ。
「若い」というだけで権限は与えられない。
成果主義なのに初任給から横並び。差がついても、数千円程度。
「若いうちがむしゃらに頑張れ」って言うけど、
いったい、いつまで頑張ればいいのだろうか?
努力しても、成果をあげても、一向に報われない。
やらされるのはいつまでも単純な作業だけ。
「若い」というだけで権限は与えられない。
成果主義なのに初任給から横並び。差がついても、数千円程度。
「若いうちがむしゃらに頑張れ」って言うけど、
いったい、いつまで頑張ればいいのだろうか?
座っているだけの上司、年配者を食わせるために、
クタクタになる若者たち。
その閉塞感の正体に迫る。
内容(「BOOK」データベースより)
「3年で3割辞める」新卒離職率、「心の病」を抱える30代社員の急増、ニート、フリーター問題…。ベストセラー『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』の著者が、若者の視点で、いまの若者をとりまく問題の核心に迫る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
城/繁幸
1973年山口県生まれ。東大法学部卒業後、富士通入社。以後、人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。2004年、同社退社後に出版した『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(光文社ペーパーバックス)では、成果主義のさまざまな問題点を指摘し、大ベストセラーとなる。現在、人事コンサルティング「Joes’s Labo」代表。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見をメディアにて発信し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1973年山口県生まれ。東大法学部卒業後、富士通入社。以後、人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。2004年、同社退社後に出版した『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(光文社ペーパーバックス)では、成果主義のさまざまな問題点を指摘し、大ベストセラーとなる。現在、人事コンサルティング「Joes’s Labo」代表。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見をメディアにて発信し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1分以内にKindleで 若者はなぜ3年で辞めるのか?~年功序列が奪う日本の未来~ (光文社新書) をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
249 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年7月24日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
VINEメンバー
Amazonで購入
本書は2006年に書かれたもので、リーマン・ショック等や円高不況などを経て、さらに企業の年功序列が崩れた今の日本よりは、「少し前」という印象を受けました。ただ、官僚にしても、年金制度にしても、政治にしても、就職活動にしても、教育制度にしても、根本的なところは全く変わっておらず、年をとった人が権力や発言力を持っているという状態(若い人は権力や発言力を持てない)はそのままです。
アベノミクスで一部の業種(車、金融など)の景気は上向きですが、若い人に大きなチャンスを与えられない世の中では、長期的には国の国際競争力にも大きく関わってくると思います。色々と閉塞感を打ち破ることが必要ですが、本書には自分の力で道を切り開いた人の実例もあり、このあたりも若い人には参考になるのではないかと思います。「何も変わらない」ではなく、一人ひとりが「変えていく」しか道はないので。
アベノミクスで一部の業種(車、金融など)の景気は上向きですが、若い人に大きなチャンスを与えられない世の中では、長期的には国の国際競争力にも大きく関わってくると思います。色々と閉塞感を打ち破ることが必要ですが、本書には自分の力で道を切り開いた人の実例もあり、このあたりも若い人には参考になるのではないかと思います。「何も変わらない」ではなく、一人ひとりが「変えていく」しか道はないので。
ベスト500レビュアー
Amazonで購入
年功序列、終身雇用と言った「昭和的価値観」が若者のヤル気を失わせ、早期退職を促している事を主張した本。前著「内側から見た富士通...」で形骸的な「成果主義」を批判した著者の事なので概ね予想出来る内容であり、要領良く纏まってはいるが新規性に乏しい印象を受けた。著者のせいではないが、「職務給=能力に見合った給与体系」、「職能給=年功序列の給与体系」と言う呼称は逆のようで紛らわしい。
私は就職して30年以上同一会社に勤務しているが、日本の企業はそう硬直してはいない。年下の上長は当たり前だし、コスト削減の主対象は若者ではなく年長の管理職である(効果を考えれば当然)。管理職になってからも開発業務に携わる者は多い。また、企業が若者を締め出していると言うのも誤解で、少子化等のため欲しい人材が確保出来ないと言うのが現状である。そして問題は、著者の言う「適正な評価に基づいた職務給」である。これが実現できれば著者が批判する年功序列は崩れるが、現実的には難しいだろう。前著で形骸化した成果主義を批判した著者だが、本書でも具体的な評価方法は提示されなかった。「社員全員を公正に評価する方法」など存在するのだろうか ? 前著で「年功seniority」などの日英併記の表現で読者を苦笑させた著者だが、本書でも成功例の転職先は外資系が殆どである。著者の考え方は相当アメリカナイズされている感がある。その癖、アメリカで処方される薬No.1が抗鬱剤である事は知らない。「目的のある転職は成功する」可能性が高いと言う論も、具体例が少ないので説得性に欠ける。失敗例を挙げていないのも公平感を欠く。
いずれにせよ若者の未来に明るさがなければ、その社会の明日はない。著者が結末で語る「声を上げる」事は年齢に係らず必要で、全ての世代で風通し良い社会を築く事が肝要だろう。
私は就職して30年以上同一会社に勤務しているが、日本の企業はそう硬直してはいない。年下の上長は当たり前だし、コスト削減の主対象は若者ではなく年長の管理職である(効果を考えれば当然)。管理職になってからも開発業務に携わる者は多い。また、企業が若者を締め出していると言うのも誤解で、少子化等のため欲しい人材が確保出来ないと言うのが現状である。そして問題は、著者の言う「適正な評価に基づいた職務給」である。これが実現できれば著者が批判する年功序列は崩れるが、現実的には難しいだろう。前著で形骸化した成果主義を批判した著者だが、本書でも具体的な評価方法は提示されなかった。「社員全員を公正に評価する方法」など存在するのだろうか ? 前著で「年功seniority」などの日英併記の表現で読者を苦笑させた著者だが、本書でも成功例の転職先は外資系が殆どである。著者の考え方は相当アメリカナイズされている感がある。その癖、アメリカで処方される薬No.1が抗鬱剤である事は知らない。「目的のある転職は成功する」可能性が高いと言う論も、具体例が少ないので説得性に欠ける。失敗例を挙げていないのも公平感を欠く。
いずれにせよ若者の未来に明るさがなければ、その社会の明日はない。著者が結末で語る「声を上げる」事は年齢に係らず必要で、全ての世代で風通し良い社会を築く事が肝要だろう。
2012年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
3年で辞める若者の心理を、著者の人事に関する経験を中心としたその他の取材をもとに、年功序列の欠点とともに追究した本です。内容の是非にかかわらず、人事の視点から会社を見ることができた点は新鮮でした。痛烈に日本の旧体制を批判しつつも、最後は働く意味に焦点を当て、読後の爽快さを残す努力が見られた点が、売れたポイントではないかなと感じました。
内容については、取材もある程度されていると思いますし、経験に裏打ちされた著者の真摯な主張に共感するところは多いですが、自分の主張を補強するために少々イレギュラーな実例を採用しすぎてはいないでしょうか。
特に印象に残ったのは、キャリアにとって一番大事な20代を将来への期待感だけで過ごしたバブル世代の悲劇の箇所でした。年功序列制度の歪みが生じた頃です。会社も若者を騙す意図があったわけではないでしょうから、加害者なき被害者といえましょう。
今の若者世代は随分良くなったかと思います。当時に比べれば、会社も若者の意識も変わり、若者も会社に過度な期待を抱かず、どんな理由でどの会社に入って何がやりたいのか、自分には何ができるのか、を突き詰めて考えている者が多いように見受けられます。会社も管理の仕方に工夫をしていますし、レールから降りた後の転職市場も成熟しています。
本書が出版されたのは2006年ですが、リーマンショック、中国を含む新興国の台頭、大震災を経た2012年、今後、企業はますます社員に対する将来のツケを払えなくなっていくと思われます。
日本企業が復活するのみならず、日本人が復活するには、著者の言う通り、個々の「ビジネスマン」が働く意味を取り戻すことが非常に重要であることは間違いないと思います。
<追加>最後に書いた点とは矛盾しますが、本書では一貫して能力のある血気盛んなビジネスマンが年功序列制度によって損害を被っているという論調が強いですが、世の中には著者のように有能な人間ばかりいるわけではないということも忘れないで頂きたいと思います。年功序列制度は、能力の低い者が、とりあえず希望を失わずに60歳まで何とか生きる居場所を見つけるという、非常に後ろ向きですが、非常に重要な役割も果たしているのだと思います。誰もが働く意味を探し求めて生きる社会は、輝かしくも非常に息苦しいものなのかもしれません。
内容については、取材もある程度されていると思いますし、経験に裏打ちされた著者の真摯な主張に共感するところは多いですが、自分の主張を補強するために少々イレギュラーな実例を採用しすぎてはいないでしょうか。
特に印象に残ったのは、キャリアにとって一番大事な20代を将来への期待感だけで過ごしたバブル世代の悲劇の箇所でした。年功序列制度の歪みが生じた頃です。会社も若者を騙す意図があったわけではないでしょうから、加害者なき被害者といえましょう。
今の若者世代は随分良くなったかと思います。当時に比べれば、会社も若者の意識も変わり、若者も会社に過度な期待を抱かず、どんな理由でどの会社に入って何がやりたいのか、自分には何ができるのか、を突き詰めて考えている者が多いように見受けられます。会社も管理の仕方に工夫をしていますし、レールから降りた後の転職市場も成熟しています。
本書が出版されたのは2006年ですが、リーマンショック、中国を含む新興国の台頭、大震災を経た2012年、今後、企業はますます社員に対する将来のツケを払えなくなっていくと思われます。
日本企業が復活するのみならず、日本人が復活するには、著者の言う通り、個々の「ビジネスマン」が働く意味を取り戻すことが非常に重要であることは間違いないと思います。
<追加>最後に書いた点とは矛盾しますが、本書では一貫して能力のある血気盛んなビジネスマンが年功序列制度によって損害を被っているという論調が強いですが、世の中には著者のように有能な人間ばかりいるわけではないということも忘れないで頂きたいと思います。年功序列制度は、能力の低い者が、とりあえず希望を失わずに60歳まで何とか生きる居場所を見つけるという、非常に後ろ向きですが、非常に重要な役割も果たしているのだと思います。誰もが働く意味を探し求めて生きる社会は、輝かしくも非常に息苦しいものなのかもしれません。











