著者:本多有明(慶応義塾大学哲学科卒、日能協に勤めたのちに独立)
発行:2008.11.28
読了:2015/02(18/03)★4.6
今まで読んだ人事系の本の中ではトップの満足度でした。お勧めです。
『若者が3年で辞めない会社の法則』とはズバリ新人研修にある。
“新人研修”というのは新人の為ではなく、古参社員、つまり新入社員を迎える部署の上司や社員たちのための研修(取り組み)である。
新人が辞める・辞めたいと思う原因は、金銭的な理由は下位で(新人の頃はどこの会社も金銭的にはほぼ横並び)、自分の思っていた仕事ができない、未来が見えない、やっている仕事に成長性が見えない、部の雰囲気が暗い・気が重い、社員に魅力がない、などなど…。
会社や自分に期待していた分、仕事が始まるとそのギャップに苦しみ、職場の人たちは愚痴ばかりで思い描ける自分の未来像は暗い、もっと自分にあった職場があるのでは、考えた末に転職を決意する人たち。
読んでいて、実際に辞めた人のインタビューなどは肌感覚でかなり納得できるものだったし、誰でも大なり小なり「今の仕事を辞めてもっと良い仕事ないかな…」と思ったことはあるだろう。
それには、現代の仕事の流動性が活発になったことも大きく影響しているけれど(本書の目的はそれではなく)、どうすれば若者が仕事を辞めないか、若者の仕事に対する満足感ややる気を高めるか、という点本書が提案している内容は、読んでいて非常に“スッキリ”した。
“今どきの若者は…”という言葉の対極に、“今どきの上司は…”という言葉を受け止められる“上司”は少ないように思う。
言葉では「何でも聞いてくれ」と言いながらも傍観しているだけで、質問されても曖昧に答えるだけ、腫れ物に触るように接して「数年勤めれば体で覚えるだろう」と積極的に指導する気配がない上司。
研修(研修という言葉ではなく、新人がより前向きに仕事をしやすい環境作り)が必要なのは新人だけではなく、上司にこそあった。
就職活動でよく聞いた“社風”、そんな言葉はほとんど存在しない。
あるのは“部風”や“課風”で、入りたい会社に入社できたとしても、自分の勤める場が自分にあっていなければ期待とのズレは大きい。
特に人事部、もしくは部下のある人には是非読んでほしい一冊です。
就活生もある程度のギャップを入社前後に解消するにはいいかも。
───若者は、仕事を「時間の長さ」では見ていないんです。集中度や密度を求めているんですね。重要な要素を絞り込んで集中すれば、3年かけて学ぶことも、6カ月で学べるわけです。(カルロス・ゴ―ン日産会長の言葉より)(p.75)
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