- 単行本: 252ページ
- 出版社: 青弓社 (2016/8/15)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4787273914
- ISBN-13: 978-4787273918
- 発売日: 2016/8/15
- 梱包サイズ: 18.6 x 13 x 2.2 cm
- おすすめ度: 8件のカスタマーレビュー
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 60,725位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 目次を見る
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
商品の説明
メディア掲載レビューほか
次世代のナンシー関
「ナンシー関さんがとにかく好きで長年読んできたのですが、亡くなられてから15年近く経ち、当時と芸能人の語られ方が随分変わってきたと思う。今は芸能ネタのスパンが非常に短く、その中身も業界の内情やその人の履歴を徹底的に調べるアプローチが多い。だけどナンシーさんはテレビの前で感じたことのみを率直に記していた。自分も情報量に頼るのではなくテレビの中の世界と距離をとりながら、芸能人が映し出す社会を含めて書きたかった」
昨年、デビュー作『紋切型社会』がドゥマゴ文学賞を受賞した新進気鋭の書き手、武田砂鉄さんが新著『芸能人寛容論』を上梓した。
EXILE、紗栄子、堀北真希、吉田羊、星野源といった芸能人が映し出す世相の本質を新しい世代の感性で鋭利に斬る。
「冒頭でEXILEを取り上げましたが、好きじゃないからこそ寛容にじっくり考えてみたかった(笑)。いわゆるポップスターは本来もっとイジられるべき存在だと思うんですが、今って、ファンは外からの発言に不寛容だし、ファン以外はその対象についてさほど考えてみることをしない。マツコ・デラックスや坂上忍、有吉弘行のような毒舌と呼ばれる人たちが人気を博しているのは、本来、視聴者が外からの目線で行うべき突っ込みを彼らが代わりにやっているから。番組内で毒が完結してしまっているんです。僕らはテレビの外から、もっと主体的に突っ込んでいいと思う」
本書では、例えばCMに蔓延する「石原さとみの唇」が俎上にのぼる。いつから女性の化粧は唇がポイントだと、世間一般に思われるようになったのだろう?
「唇は肉厚なのがセクシーとかアヒル口がかわいいみたいなことは、たいていがプロジェクト発信。でもそこで背後に広告代理店が絡んでいるみたいなことを言っても仕方ない。彼女のCMがどことなくAVちっくであることや、存在自体がサブリミナル化していることから論じたほうが本質に迫れる。テレビに操縦されてしまっている私たちの無意識をねちねちとあぶり出したかった」
“紋切り型"の芸能人評や社会考察とは無縁のコラムは、じつに挑発的だ。
「今の社会は物事を賛成反対で区分けしたがり、その中間のグラデーションを見ようとしない。でも二分法の思考だと、小学生ならすぐ気づくような道端の軍手を見落としてしまう。そのへんに落っこちている軍手こそ僕は拾いたい」
評者:「週刊文春」編集部
(週刊文春 2016.10.09掲載)内容紹介
「cakes」の人気連載、芸能人批評「ワダアキ考」がついに書籍化。約50人を厳選し、増補。新たに「堂本剛」「宮崎あおい」ほか5人の書き下ろしを追加。回り道を重ねて芸能人の生態を観察、テレビの向こう側に私たちが感じるわだかまりを力の限りで受け止める。現代社会の「空気」をつかみ取り、テレビと私たちの緊張関係を取り戻す。2015年話題の1冊『紋切型社会』の著者が、放牧された芸能人を苛烈に問い直す1冊。
中村佑介さん(イラストレーター)
評論に見せかけた悪口。
悪口に見せかけた愛。
能町みね子さん(文筆家)
芸能人をバッサリ斬…ったらつまらない。
ネチャネチャと噛みきらずに味わい尽くす快感。
飯田正人さん(くまざわ書店営業推進部)
芸能人に表れる現代社会の要請。
気持ち悪面白い。
大矢靖之さん(紀伊國屋書店新宿本店)
喧噪極まる社会のなか、
僕たちの誠実な代弁者がここにいる。
花本武さん(ブックスルーエ)
忙しいのに困る。
仕事しないでテレビ観たくなっちゃうし。
登録情報 |