世の中の大多数の人と異なる性質を持ってしまったことを恥じ、息を潜めて暮らしてきました。この本は、2000年前の、国も、置かれた立場も違うはずの人が書いたにもかかわらず、わたしの心を癒やし、勇気を奮い立たせてくれる言葉で溢れています。
気に入ったフレーズにマーカー(電子書籍版の機能として)を引いて、その前後の文章を繰り返し読むようにしています。一度心にささったものでも、しばらく経つと心から剥がれてきてしまうからです。
これまで自分は一体何に苦しんできたのか、今では分からなくなってきたほど、本を読む前の自分の心情が思い出せなくなってきています。
自省録を書いたマルクスアウレリウスや他のストア派の賢人に比べれば、自分は逃げ込んだ環境の中で、ぬるま湯に浸かってすっかり心が軟弱になってしまっていただけなのだと思いました。
それにしても、五賢帝である彼でさえも本の中で自分を褒め称えることなどせず、ひたすら自己を省みている様は、誠に感嘆と尊敬に絶えません。
また、平易な日本語訳を作成してくださった神谷美恵子氏への感謝も然りです。
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