著者は元の本の読み込みが足りないんじゃないか。
元の本で取り上げている問題意識、今、多くの人が感じている現代の資本主義に内在する問題についてまったく共有できておらず、なんの解決策も論じていないし、新しい視点もまったくない。
こんな本を反論本として販売するなんて、編集側も出版社も非常に情けないと思う。
単に反論本を作れば売れるんじゃないか、と市場、読者をみくびった出版であるとしか思えない。なので、この出版社、編集者は今後、無視しようかと思うほどだ。
書いてあることのほとんどは、誰もがわかっている社会主義のデメリットと資本主義のメリット。こんなことが本の80%を占めているとは。
それは分かってますよって言いたくなる。
元の本で取り上げている問題意識については、ほとんど取り上げていない。
最後のほうで、介護職の給与を上げるためには市場原理に任せたら良いという記述があったが、そうすると介護サービスを使えない人がたくさん出てくるんじゃないかという疑問については、何も記載がない。
新自由主義ってやっぱりどうなの?という疑問にも答えていない。もうちょっと中身のある本を作ってもらいたい。
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自由と成長の経済学 「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠 (PHP新書) 新書 – 2021/8/11
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「人新世」(人類の経済活動が地球を破壊する時代)というウソがまことしやかに唱えられている。彼らは「脱成長」を唱え、「環境危機の時代を克服するには、資本主義による経済成長を諦めるべきだ」という。この一見、倫理的に思える脱成長論は、じつは社会主義・共産主義の復活を目論むレトリック、仮面である。経済成長を止めて全体のパイを減らし、弱者をよりいっそう貧しくさせる「罠」なのだ。資本主義よりも共産主義のほうが環境破壊を生むことは、かつてのソ連や現代の中国を見れば明らかだろう。また、気象関連災害による死者は経済成長とともに大幅に減少してきた。「人類はかつて自然と調和した素晴らしい生活を送っていたのに、資本主義と経済成長のせいで自然に復讐されている」という物語は、事実に反する。社会主義の大失敗と資本主義が人類を救ってきた歴史、自由な生活と経済成長がコロナ禍と貧困・格差、地球環境問題を解決できることを示した一冊。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2021/8/11
- 寸法10.6 x 1.1 x 17.2 cm
- ISBN-104569850146
- ISBN-13978-4569850146
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商品の説明
出版社からのコメント
序章 脱成長というおとぎ話
第1章 経済成長の奇跡
第2章 前近代の閉じた社会の道徳
第3章 なぜ資本主義は自由と豊かさをもたらすのか
第4章 社会主義は反動思想
第5章 資本主義の完全勝利に終わった20世紀の体制間競争
第6章 理想社会建設の末路としてのソ連
第7章 新しい隷従への道――『人新世の「資本論」』批判
第1章 経済成長の奇跡
第2章 前近代の閉じた社会の道徳
第3章 なぜ資本主義は自由と豊かさをもたらすのか
第4章 社会主義は反動思想
第5章 資本主義の完全勝利に終わった20世紀の体制間競争
第6章 理想社会建設の末路としてのソ連
第7章 新しい隷従への道――『人新世の「資本論」』批判
著者について
柿埜真吾
1987年生まれ。2010年、学習院大学文学部哲学科卒業。12年、学習院大学大学院経済学研究科修士課程修了。13-14年、立教大学兼任講師。20年より高崎経済大学非常勤講師。
1987年生まれ。2010年、学習院大学文学部哲学科卒業。12年、学習院大学大学院経済学研究科修士課程修了。13-14年、立教大学兼任講師。20年より高崎経済大学非常勤講師。
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2021/8/11)
- 発売日 : 2021/8/11
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4569850146
- ISBN-13 : 978-4569850146
- 寸法 : 10.6 x 1.1 x 17.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 6,594位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 2位その他の地域の世界経済関連書籍
- - 2位国際経済と日本
- - 7位経済史 (本)
- カスタマーレビュー:
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「人新世・資本論」(以下、「人新」と略)の著者である斉藤氏は、「資本主義」悪玉論に
依っているし、本書の柿埜氏は、「資本主義」善玉論に依っている。
争点は、資本主義に「帝国的『生活』様式」(人新296頁)と「生態学的帝国主義」(人新
86頁)を読み込むかどうか、にある(気候ケインズ主義)。斉藤氏は、この2つを痛烈に批
判することで「資本主義の内在性」を読み込んでいるが、本書の柿埜氏は「資本主義の外在
性」に追い遣り、「資本主義」への読み込みを拒否している。
そのため、両者の「資本主義」に対する所与の前提が異なるため、柿埜氏が「人新世・資本
論」をどんなに批判してみたところで、空転現象が起きている。
とはいえ、柿埜氏の「罠」としての主張には、充分な説得力を提供している。これが、本書
を読了した上での所感である。以下にそのことを追っていこう。
では、罠とはどういうものか。斉藤氏によると、「SDGsもグリーンニューディールも、そ
してジオエンジニアリングも『気候変動』を止めることはできない。緑の経済成長を追い求
める気候ケインズ主義は、帝国的生活様式と生態学的帝国主義をさらに浸透させる結果を招
くだけである。その結果、不平等を一層拡大させながら、グローバル環境危機を悪化させて
しまうのだ」(人新360頁)と主張しているのであるが、一極集中して「気候変動」と「資
本主義」悪玉論とを不可分に導いていることだ。
この背後を読者は、本書から読み取って欲しいかと思う。「日本が地球の温暖化の対策のた
めに使う金額は毎日150億円、年間で5兆円、そして、その全てが『利権をもった人々』の
懐に吸い込まれている」という事実を目の前にして欲しい(東大名誉教授の渡辺正氏の言辞
、本書埒外)。
それ故、「地球温暖化は国連、メディア、企業、研究者、政府、その全てが絡み合って巨大
な利権になってしまった。だから、みんな『嘘』と分かっていても、自分の仕事や立場を失
いたくないから、絶対に言わない」のである。
渡辺正氏も温暖化に対する批判する内容を喋るとテレビが放映されず、新聞への寄稿が「ボ
ツ」になったりして露骨な言論統制を経験されている。この一例を見ると、コロナワクチン
の効果批判、アメリカの大統領選、全てに波及する闇を覚える。斉藤氏もその渦中に吸い込
まれているのではないか。
本人は無意識かも知れないが、いずれにせよ、「気候変動」と「資本主義」悪玉論とを不可
分に導き、「脱成長」を隠れ蓑として機能しているかのように思える。
その上で、本書に立ち返り、一番印象に残ったところ――、「ゼロ成長の社会は「誰かの得
は誰かの損」 というゼロサム社会であり、脱成長社会はパイの大きさが次第に小さくなって
いく過酷 な社会になる。」
「その事実は、政治体制が共産主義であろうと、資本主義であろうと全く変わらない。脱成
長社会ではパイの大きさが決まっているのだから、自分の取り分を増やすには誰かから 奪う
しかない。こうした社会では、少しでも他人と違う少数派を迫害し、差別するのが有利にな
る」旨を述べている。
そうだとすると、「真面目に脱成長を唱えるなら、脱成長社会では心の余裕が生まれるなど
と空想すべきではなく、『ファシズムや人種差別主義への対策』を考えるべきではないか」
と問いかけているところだ。
とはいえ、反対に、斉藤氏は「ドーナツ経済モデル」を提唱して逃げ道を作っている。巧み
なのが、ドーナツ経済の輪の太さは、全ての人の主観によって異なるのであり、多くの人に
とって「腑に落ちる範囲で緩衝」させているのである。
しかし、先に見た柿埜氏の「ファシズムや人種差別主義への対策」という「ハサミ」が「ド
ーナツの輪」に切り込みを入れている。この点に逃げ道はない。
とりわけ、現在進行形の「中共」による環境破壊は、「ゼロサム社会」の実現に向けての帝
国主義的「生活」主義が跋扈している事実は、紛れもなく「ナイフ」――、それを何とか交
わそうと「帝国主義的『生産』様式の超克」を斉藤氏は提唱して重要性を強調するものの、
結局のところ、自らの仮説で自壊しているのである(人新296頁)。
斉藤氏は、「アソシエーション」(自発的な結社)をマルクスが多用し、共産主義や社会主
義という言葉を使っていないことを糧に、真っ向から立ち向かうことに拒否している(NHK
100分de名著 カール・マルクス『資本論』2021年1月108頁)。
さらに、近年のアメリカにおけるミレニアム世代やZ世帯の代表格として「グレタ」を持ち
出し、「無限の経済成長のおとぎ話」という環境プロパガンダを賛美し、(帝国的)資本主
義に批判的な若者が「ジェネレーションレフト」(左翼世代)として社会主義の共鳴する一
例を取り上げ、なんとか社会主義についての言辞を行うのがやっとなのである(同書8頁、
人新126頁)。
このようなことを踏まえれば「ファシズムや人種差別主義」の権化である「中共」には何と
しても正面から立ち向かわない姿勢がみてとれるだろう。
では、本書と照らし合わせしてみるとどうだろう。「中共」の言辞を枢軸に述べていたら
「跳ねた」作品となったが、ソ連のマルクス主義から本格的に論を興し、全ての派生は中国
に繋がっているのであるが、「ベラルーシ」共和国の例を特に挙げつつ、「現在進行形」で
共産主義が息付いていることを本格的に説いている点は評価したい。
なお、「ベラルーシ」については、NHK100分de名著アレクシエーヴィチ『戦争は女の
顔をしていない』 2021年 8月との併読を勧める。
依っているし、本書の柿埜氏は、「資本主義」善玉論に依っている。
争点は、資本主義に「帝国的『生活』様式」(人新296頁)と「生態学的帝国主義」(人新
86頁)を読み込むかどうか、にある(気候ケインズ主義)。斉藤氏は、この2つを痛烈に批
判することで「資本主義の内在性」を読み込んでいるが、本書の柿埜氏は「資本主義の外在
性」に追い遣り、「資本主義」への読み込みを拒否している。
そのため、両者の「資本主義」に対する所与の前提が異なるため、柿埜氏が「人新世・資本
論」をどんなに批判してみたところで、空転現象が起きている。
とはいえ、柿埜氏の「罠」としての主張には、充分な説得力を提供している。これが、本書
を読了した上での所感である。以下にそのことを追っていこう。
では、罠とはどういうものか。斉藤氏によると、「SDGsもグリーンニューディールも、そ
してジオエンジニアリングも『気候変動』を止めることはできない。緑の経済成長を追い求
める気候ケインズ主義は、帝国的生活様式と生態学的帝国主義をさらに浸透させる結果を招
くだけである。その結果、不平等を一層拡大させながら、グローバル環境危機を悪化させて
しまうのだ」(人新360頁)と主張しているのであるが、一極集中して「気候変動」と「資
本主義」悪玉論とを不可分に導いていることだ。
この背後を読者は、本書から読み取って欲しいかと思う。「日本が地球の温暖化の対策のた
めに使う金額は毎日150億円、年間で5兆円、そして、その全てが『利権をもった人々』の
懐に吸い込まれている」という事実を目の前にして欲しい(東大名誉教授の渡辺正氏の言辞
、本書埒外)。
それ故、「地球温暖化は国連、メディア、企業、研究者、政府、その全てが絡み合って巨大
な利権になってしまった。だから、みんな『嘘』と分かっていても、自分の仕事や立場を失
いたくないから、絶対に言わない」のである。
渡辺正氏も温暖化に対する批判する内容を喋るとテレビが放映されず、新聞への寄稿が「ボ
ツ」になったりして露骨な言論統制を経験されている。この一例を見ると、コロナワクチン
の効果批判、アメリカの大統領選、全てに波及する闇を覚える。斉藤氏もその渦中に吸い込
まれているのではないか。
本人は無意識かも知れないが、いずれにせよ、「気候変動」と「資本主義」悪玉論とを不可
分に導き、「脱成長」を隠れ蓑として機能しているかのように思える。
その上で、本書に立ち返り、一番印象に残ったところ――、「ゼロ成長の社会は「誰かの得
は誰かの損」 というゼロサム社会であり、脱成長社会はパイの大きさが次第に小さくなって
いく過酷 な社会になる。」
「その事実は、政治体制が共産主義であろうと、資本主義であろうと全く変わらない。脱成
長社会ではパイの大きさが決まっているのだから、自分の取り分を増やすには誰かから 奪う
しかない。こうした社会では、少しでも他人と違う少数派を迫害し、差別するのが有利にな
る」旨を述べている。
そうだとすると、「真面目に脱成長を唱えるなら、脱成長社会では心の余裕が生まれるなど
と空想すべきではなく、『ファシズムや人種差別主義への対策』を考えるべきではないか」
と問いかけているところだ。
とはいえ、反対に、斉藤氏は「ドーナツ経済モデル」を提唱して逃げ道を作っている。巧み
なのが、ドーナツ経済の輪の太さは、全ての人の主観によって異なるのであり、多くの人に
とって「腑に落ちる範囲で緩衝」させているのである。
しかし、先に見た柿埜氏の「ファシズムや人種差別主義への対策」という「ハサミ」が「ド
ーナツの輪」に切り込みを入れている。この点に逃げ道はない。
とりわけ、現在進行形の「中共」による環境破壊は、「ゼロサム社会」の実現に向けての帝
国主義的「生活」主義が跋扈している事実は、紛れもなく「ナイフ」――、それを何とか交
わそうと「帝国主義的『生産』様式の超克」を斉藤氏は提唱して重要性を強調するものの、
結局のところ、自らの仮説で自壊しているのである(人新296頁)。
斉藤氏は、「アソシエーション」(自発的な結社)をマルクスが多用し、共産主義や社会主
義という言葉を使っていないことを糧に、真っ向から立ち向かうことに拒否している(NHK
100分de名著 カール・マルクス『資本論』2021年1月108頁)。
さらに、近年のアメリカにおけるミレニアム世代やZ世帯の代表格として「グレタ」を持ち
出し、「無限の経済成長のおとぎ話」という環境プロパガンダを賛美し、(帝国的)資本主
義に批判的な若者が「ジェネレーションレフト」(左翼世代)として社会主義の共鳴する一
例を取り上げ、なんとか社会主義についての言辞を行うのがやっとなのである(同書8頁、
人新126頁)。
このようなことを踏まえれば「ファシズムや人種差別主義」の権化である「中共」には何と
しても正面から立ち向かわない姿勢がみてとれるだろう。
では、本書と照らし合わせしてみるとどうだろう。「中共」の言辞を枢軸に述べていたら
「跳ねた」作品となったが、ソ連のマルクス主義から本格的に論を興し、全ての派生は中国
に繋がっているのであるが、「ベラルーシ」共和国の例を特に挙げつつ、「現在進行形」で
共産主義が息付いていることを本格的に説いている点は評価したい。
なお、「ベラルーシ」については、NHK100分de名著アレクシエーヴィチ『戦争は女の
顔をしていない』 2021年 8月との併読を勧める。
ベスト1000レビュアーVINEメンバー
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著者には失礼ですが、そんなことを言われなくとも自由な方が良いに決まっている。といいたくなりますね(笑)民主主義と社会主義の両立が不可能なことは50年近く前のチリで証明されています。マルクス主義も30年も前に失敗が証明されているのですが、あまりにも昔すぎてそれがどんなにひどい物かも知らずに支持している人がいるだけです。
自由を尊ぶ人にはごく当然の事ばかり書かれていますが、とりわけ感心したのが「資本主義は逆説的には資本主義を批判できる自由がある」ですね。マルクス主義にそんな自由はありませんから。
自由を尊ぶ人にはごく当然の事ばかり書かれていますが、とりわけ感心したのが「資本主義は逆説的には資本主義を批判できる自由がある」ですね。マルクス主義にそんな自由はありませんから。
2021年8月26日に日本でレビュー済み
本書は、斎藤幸平氏の人新世の「資本論」への反論の書として企画されたものだそうだ。
私は人新世の「資本論」を読了の上で、脳内ディベート・シミュレーションをするつもりで本書を購入した。私はまだ脱成長と資本/自由主義、そのどちらの立場もとっていないことは申し添えておく。
結論を申し上げると、本書は反論にすらなっていなかった。その根拠を以下に述べる。
本書で展開される反論の主な戦略は次の二つである。
1. 大失敗に終わったソビエト共産主義への批判
2. 資本主義の輝かしいこれまでの実績の紹介
まず1について。ソビエト式共産主義が大失敗に終わったことは斎藤氏も認めるところである。斎藤氏が主張しているのは、これまで見逃されてきた晩年マルクスが到達した思想を反映した“新しい”共産主義に未来の処方箋となる可能性を見出した、ということである。
失敗に終わったことを誰もが認めている“古い”共産主義やそれ以前の未開社会への批判をいくら繰り返しても、斎藤氏への反論になっていないのは明白である。
本の帯に、「マルクス主義の亡霊に惑わされるな」とあるが、亡霊に惑わされているのはどちらだろうか。
続いて2について。斎藤氏が主張しているのは、資本主義が機能するための前提である“環境”の疲弊・摩耗である。前提が変われば、これまでと同じように資本主義が機能する保証はない。
これに対して、これまで資本主義は社会を豊かにし、人々を救ってきた、といくら主張してもやはり反論にはなっていない。
以上より、本書は人新世の「資本論」への反論に全くなっていないと判断した。資本主義/自由主義側から、もっと強い論者が登場することを祈る。
私は人新世の「資本論」を読了の上で、脳内ディベート・シミュレーションをするつもりで本書を購入した。私はまだ脱成長と資本/自由主義、そのどちらの立場もとっていないことは申し添えておく。
結論を申し上げると、本書は反論にすらなっていなかった。その根拠を以下に述べる。
本書で展開される反論の主な戦略は次の二つである。
1. 大失敗に終わったソビエト共産主義への批判
2. 資本主義の輝かしいこれまでの実績の紹介
まず1について。ソビエト式共産主義が大失敗に終わったことは斎藤氏も認めるところである。斎藤氏が主張しているのは、これまで見逃されてきた晩年マルクスが到達した思想を反映した“新しい”共産主義に未来の処方箋となる可能性を見出した、ということである。
失敗に終わったことを誰もが認めている“古い”共産主義やそれ以前の未開社会への批判をいくら繰り返しても、斎藤氏への反論になっていないのは明白である。
本の帯に、「マルクス主義の亡霊に惑わされるな」とあるが、亡霊に惑わされているのはどちらだろうか。
続いて2について。斎藤氏が主張しているのは、資本主義が機能するための前提である“環境”の疲弊・摩耗である。前提が変われば、これまでと同じように資本主義が機能する保証はない。
これに対して、これまで資本主義は社会を豊かにし、人々を救ってきた、といくら主張してもやはり反論にはなっていない。
以上より、本書は人新世の「資本論」への反論に全くなっていないと判断した。資本主義/自由主義側から、もっと強い論者が登場することを祈る。
2021年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
資本主義が当たり前の世の中で生まれ育ったので,そもそも資本主義と共産主義の違いについてよく知らなかったが,この本はその点がわかりやすく,ユーモアも含めて説明されていて,経済学を知らなくても面白く読める良書。
市場や貨幣の機能の利点,比較優位の原則などについてもわかりやすい例を取り上げて説明されていて,経済学の教科書を読むより,この本を読んだ方が勉強になる。
共産主義より資本主義のほうが優れているのは当然だとは思っていたが,この本を読んで改めて納得した。経済成長すれば,経済のパイが大きくなるのだからゼロサムゲームでなくなるし,競争のある市場経済のほうがイノベーションが促進され,ワクチンもいち早く開発されて,世界の平均寿命も延びる。
確かに昨今のコロナ問題をみても,グローバル化が進んだから,コロナが外国から入ってきてしまうけど,グローバル化が進んだから自国開発できなくても日本はワクチンを輸入できたわけだ。ワクチンの質をとってもみても,資本主義国のワクチンと共産圏のワクチンを比較すれば,資本主義国のワクチンのほうが明らかに上だ。
温暖化などの環境問題についても,「人新世」では経済成長をやめて1970年代の生活に戻れとノスタルジックで非現実的な提案がされているが,この本では,ピグー税,あるいは炭素税や排出権取引,海面上昇には「屈強な堤防建設」でよいと現実的な提案がされている。よく考えれば当たり前だ。
資本主義経済の中で豊かさを十分に享受しているのに,「人新世」もそうだが,一時期大騒ぎしたピケティの「21世紀の資本」も含めて,ノスタルジックに共産主義を夢想する論が近年増えているこの世の中で,この本は,我々の足元の豊かさを改めてに思い出させてくれた。
市場や貨幣の機能の利点,比較優位の原則などについてもわかりやすい例を取り上げて説明されていて,経済学の教科書を読むより,この本を読んだ方が勉強になる。
共産主義より資本主義のほうが優れているのは当然だとは思っていたが,この本を読んで改めて納得した。経済成長すれば,経済のパイが大きくなるのだからゼロサムゲームでなくなるし,競争のある市場経済のほうがイノベーションが促進され,ワクチンもいち早く開発されて,世界の平均寿命も延びる。
確かに昨今のコロナ問題をみても,グローバル化が進んだから,コロナが外国から入ってきてしまうけど,グローバル化が進んだから自国開発できなくても日本はワクチンを輸入できたわけだ。ワクチンの質をとってもみても,資本主義国のワクチンと共産圏のワクチンを比較すれば,資本主義国のワクチンのほうが明らかに上だ。
温暖化などの環境問題についても,「人新世」では経済成長をやめて1970年代の生活に戻れとノスタルジックで非現実的な提案がされているが,この本では,ピグー税,あるいは炭素税や排出権取引,海面上昇には「屈強な堤防建設」でよいと現実的な提案がされている。よく考えれば当たり前だ。
資本主義経済の中で豊かさを十分に享受しているのに,「人新世」もそうだが,一時期大騒ぎしたピケティの「21世紀の資本」も含めて,ノスタルジックに共産主義を夢想する論が近年増えているこの世の中で,この本は,我々の足元の豊かさを改めてに思い出させてくれた。





