WEB版からの読者です。
WEB版は更新が不定期のため、とても面白いのですが続きが読みたくてでも更新がまだでやきもきするというパターンが多かったですが、小説ではいいところまで一気に読めるのでとても良いですね。
さらにWEB版から変更点が多く、前半~中盤辺りはほぼ書き下ろしといった形で(他にも書き下ろし多数)WEB版既読の方でも楽しめると思います。
友人でディープな腐女子の麻紀が突っ走っていて良い味を出していたり、和泉の友人貴史が暴走する和泉を止めたり、さらに書き下ろし短編も2編あったりと(短くはありますが)内容も盛りだくさん。
内容はWEB版未読の方にかいつまんで伝えると、腐女子を昔クラスで人気の男子にからかわれてトラウマになりコミュ力が低い(と自分で思っている)主人公の悠子と、顔が良すぎてストーカー被害にあったり身近な女性に監禁じみたことをされたりと女性恐怖症の和泉が、親同士の再婚によって義理の兄妹になって……というありがちといえばありがちの王道ラブコメ(?)ですが、二人の孤独さを丁寧に描いていて悠子がおそるおそるですが心を徐々に開いていったり、今までトラウマとなっていた女性とは違うことに気付きかわいがりすぎて暴走しすぎた自分を反省した和泉が、最初の一方的なアプローチではなくだんだんと相手を思いやって近付いていけるようになる進歩(?)等々、微笑ましく面白い小説です(風邪をひいて兄と気付かず甘えるシーンは最高ですね)。妹の視点と兄の視点が交互にくるのですが、それぞれの視点が異なって相手に伝わっていないところや感動するポイントが違って面白かったり、この部分はそういえば相手はどう考えていたっけ、と読んでいる途中で数ページ前にもどって確認するのが楽しい小説です(WEB版だと若干戻りづらいのでその点すぐ読み返せる小説は良いです)。クライマックスまでの流れもより加筆されて丁寧に描かれていて、最初は警戒心を抱いていた悠子が和泉を本当に大切な存在として大事にしていくのが分かってとても微笑ましかったです。和泉にとって因縁の女性に一対一で対峙して、体をはって和泉を守ろうとする悠子は男前ですね。
この巻の最後では良い感じに終わっているのですが、そこは和泉は一筋縄ではいかず(笑)今後も悠子には色々と試練があるはずなので、是非1巻が売れてくれて2巻が出るのを楽しみにしております。とても面白い小説なので、先にレビューを読んでいる人で迷っている人は是非おすすめです(1巻が売れてくれないと続きが出なくて困るので宣伝的な)。
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