対談形式には結論がなく、バランス、まとまり共に欠けるので、テレビ番組にしても見ないのですが、本書は解説を良くみないで/良く考えもせず勢い(?)で買ってしまいました。勿体無いので読んでしまいましたが・・・
例えば相続税を100%にしろって話。再分配の話から相続するものがない人にウケると思って言ってるのかもしれませんが、今の税政下でも後継者が相続税が払えずやむなく廃業、失業者を出さざるを得なかった中小企業も沢山あった、という話の展開に水をさすような都合の悪い話は出てこない。
自然効率化2%で人手需要が2%づつ減るのを相殺する2%成長を、という話が出てきますが、資本主義社会下で倒産(自然淘汰が機能)するリスクのある企業はインフレ率に5%程度加えた程度の利益(配当+成長)がないと、円滑な資金調達ができないというエンジン側の問題と、放っといても非生産人口だけは増えていく高齢化社会への転換と、利益再分配も含んだアダムスミスの「見えざる手」を考えるマクロの視点が欠落しているように思います。
「財源をどうする」という言葉を口封じの呪文のように批判していますが、社会保障制度の問題とは、もう少し違う大きな視点で議論しないから、負け犬の遠吠えのような議論から抜け出せないんじゃないでしょうか。
例えば直接金融を自由化、債券市場を活性化させ(日本には個々企業発行の債券を株のようにネットで取引する市場がない)、企業ばかりでなく、使途不問/責任者不在の国債一辺倒から、様々な債券への転換をはかるのも『見えざる再分配』を動きやすくする一つの方法になる筈です。
転職・就職に関して言えば、どこの会社、小さなアパートの大家でさえ保証人を必要とすることが労働力の流動性を低くしてしまいます。例えば中小企業、個人経営者に対して保証人の代わりをする仕組み、現存の保証会社は国有にはできないでしょうから、一般財団法人化してある程度コントロールが利くように転換する。
一部の財団法人、政府の関連施設では余程の不祥事でもない限り首にならないのことが公私混同や、財政悪化の一因ですので、例えば人事評価制度に外部企業でも導入し、人材の活性化を図ると同時に流動性を高めるなどなど。
改善していかなきゃならないところ、もっと具体的な議論、提案ができるところが山のようにある筈です。たった二人の議論では無理だと思いますが…。
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